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左端の図より:環境中に放出された多くの分子は分解される必要があり(生態系の生産者・消費者・分解者),自然界にはそれらを分解する酵素が存在します(生物の世界の消化・発酵など。また例えば有害化学物質についてはバイオレメディエーション参照)。しかし1種または数種類の低分子(モノマー)が数百・数千あるいはそれ以上つながった高分子(ポリマー)はまず低分子に分解する必要があり,それは大変難しいのです。そのため長く使えるという一方,廃棄後環境中では長時間分解されずに様々な問題を引き起こすのです。またプラスチックを燃焼させた時に高温になるのもこの長く繋がった構造のためです(エネルギーを考える - 燃焼)。
そのような高分子でできているプラスチックや繊維などが環境中に放出されるとその形のまま,あるいは日光などにより徐々に小さくなってマイクロプラスチックなどのようになって陸圏・水圏(河川等から深海まで)・大気圏を極めて長時間さまよいます。そして魚やその他の動物に誤食・誤飲され消化器官に蓄積したり,マイクロプラスチックなどは他の器官への移行も懸念されます。さらに食物連鎖なども通してヒトを含めた生物圏にしっかり取り込まれてしまっているのです。プラスチックの多くが疎水性であるため,やはり疎水性の有害化学物質(上掲右端図中にその例)が付着しているのも見逃せません。そのことを以下の高分子・分子群やリンク資料で知ってもらえたらと思います。
なお,近年のヒトの活動が陸圏・水圏・大気圏・生物圏に大きな影響を及ぼしていることから,新たな地質年代として「人新世」(アントロポシーン,Anthropocene → 「人新世」情報)を設けるべきとの議論が出ています。恐竜の化石から食生活等がわかるように,現在の生物が化石になった時にポリエチレン製の袋やマイクロプラスチック,それに含まれるPCBなどが見いだされる可能性を想像して活動していくことが大切だと考えるものです。※参考:本間善夫,『環境問題』,「三訂版 視覚でとらえるフォトサイエンス化学図録」,数研出版(2016),pp.168-169
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