元データ計算:吉田弘ほか(計算方法…密度汎関数法のB3LYP/6-311+G**)‖ Chimeデータへの変換・HTML作成:本間善夫
化合物の立体配座を示す語としてしばしば用いられる“ゴーシュ(gauche)”は,1,2-ジクロロエタンのラマン分光研究において,1940年頃日本の水島三一郎博士らによって発見されたゴーシュ形の異性体が世界で初めてのものとなっています。以下に同研究で観測されたデータ(*印)と分子振動計算で求められた結果を一緒に示します。
振動データ
※Electrostatic PotentialおよびLipophilic PotentialのボタンはアニメーションをOFFにしてから押してください。
1,2-ジクロロエタン (ゴーシュ形,φ≒60°) |
1,2-ジクロロエタン (トランス形,φ=180°) |
||
---|---|---|---|
ラマン散乱* | 654cm-1(液体) | 677cm-1(液体) | 748cm-1(固体),754cm-1(液体) |
振動データ | C-Cl伸縮振動 |
C-Cl伸縮振動 |
【参考】PM3計算による分子モデルと生成熱(計算値)
1,2-ジクロロエタン (φ=0°;不安定) |
1,2-ジクロロエタン (φ=67.41°;PM3計算前=60°) |
1,2-ジクロロエタン (φ=180°) |
|
---|---|---|---|
分子モデル | |||
生成熱 (kcal/mol) |
21.27046 | -24.10467 | -24.71579 |