『せたがやスタ研ニュース』23号【カード導入】
三軒茶屋銀座振組 スタンプ提案一蹴からポイントカード導入まで10年間 |
■「まずポイントカードから」、診断勧告で2年間勉強 笠井氏が、「スタンプ事業が一番」と思ったのは、10年以上前に烏山のスタンプ事業紹介記事を見て。すぐに、「うちの会でもやるべきだ」と提案したが、当時は30歳そこそこという年齢もあって、簡単に一蹴された。 ■事前の意識調査で「必ず参加」が125店中16店 それで笠井氏が力を入れたのは、広報活動。「ポイントカードの仕組み、メリットや負担」などについて組合員に説明するため、「ポイントカードニュース」を発行することにした。最初は遠藤さんというパソコンに堪能な役員が担当していたが、都合で、笠井さんが途中からやることになった。ところが笠井さんは、パソコンは全く未経験。 ■理事長とともに、全店を2回以上回る 立ち上げの目標を99年秋に設定、その年の総会(5月末)での承認とりつけに全力を投入した。理事は17名のうち12名が賛成していた。しかし、「もし、総会で強力な反対意見が出たら」という不安でいっぱいだった。 ■開始後も、定着のため毎晩のように事務所に 開始後も、カードの印字が薄いなど機械のトラブルが相次ぎ、メーカーと交渉して全部の機械を入れ替えてもらったり、なかなか消費者がカードを出してくれなかったり、イベントの企画運営に悩んだり、と苦労は絶えない。 |
若く積極的な経営者はポイントサービスを評価 多くの組合員は、「売り上げの2%と毎月1000円を負担してまでは」と加盟しなかったが、積極的に加盟した人もいる。 そういう人たちには共通した傾向がある。 経営者が積極的な経営方針を持ち、気持ちが若いことだ。 例えば、輸入食品店「キッチン・ガーデン」の堀川未知郎氏(33歳)。小売業を開業したくて脱サラ、時給700〜800円で数カ月間スーパーでアルバイト、実地の勉強をしながら都内各地を回って出店場所を研究、98年10月に同商店街に出店し、約50平米の売り場で、初年度から年商8000万円をあげている。 「消費者の立場から考えると、ポイントを出すのは当たり前」と、独自で実施しようと考えていた。ただ、100万円以上かかる。どうするか、考えていた矢先に「売り上げの2%と月1000円の負担でできる」という商店会からの話があり、参加した。 その堀川さん、実は今でも「店独自でポイントカードをやるのが理想」と言う。それは、「商店会共同のカードだと還元率などサービスが一律。もっと高い還元率で魅力のあるサービスをしたい」からだ。 |