下高井戸スタンプでは、個店イベントで「元気のあるスタンプ」を目指し、昨年度から、神奈川県相模原市の大野台商店会を参考に、個店単位でできるイベントを促進する「元気イベント作戦」を実施(大野台商店会の詳細は本紙30参照)。
参加は申し込み制で、企画は各店の自由、1店に1万円(経費が1万円未満の場合は実費)を補助。
昨年度は、後半に1度実施。約10店が参加した。準備不足や不慣れで全体としての効果はいまひとつだったが、割烹料理屋さんや時計・めがね・宝石の店など成果をあげる店も出た。
今年度は前半に1度実施。18店の参加だった。結果は前回並み。
そこで6月のスタ研で紹介された、「スーパールーレット」というマイコン内蔵のハンディーな抽選機を3台購入(1台約4万円)、希望店に無償で貸し出すことにした。サマーフェスティバルでは、スタンプ台紙による抽選会に利用、お披露目をした(スタンプ45枚で1回抽選。約2000本)。
この実績をもとに、(1)10月18日から12月13日までの希望する日(何日でもいい)にスーパールーレットを使って抽選をしてもらう(2)イベントの統一名称は「スーパールーレットで さあ! 毎日が運・だめし」(3)希望する個店には事務局がアイデアヒントを提供する(4)参加店には景品代として1万円を補填する(5)人手がない場合は抽選の手伝いや個店のチラシ・ポスターなどの制作を事務局が手伝う、といった企画を立てたところ、
25店が申し込んだ。
抽選器の台数の関係で1日に最高3店までということで日程を調整、「元気イベントカレンダー」を約3000枚印刷し、参加店を通じて消費者に配布した。また、実施日は「元気イベント実施中」のステッカーと看板を参加店に掲示して来店を促す。 反応はいい。多くの店が景品にスタンプを出しているが、「今までは2倍3倍サービスをしても当たり前のようにもらっていたお客さんが、このルーレットでは2倍でも喜んで帰っていく」という声が複数の参加店からあがってきている。
スタンプをためてもらい、12月14日からの歳末特別企画(各店がカタログに掲載した商品の中から好きな商品を台紙と交換できる)でたくさんの台紙を使ってもらえることを願っている。
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このイベント参加店のうち数店を編集部で取材したので紹介したい。
元気イベントカレンダー(その日その日の参加店がわかるカレンダーを配布した) |
カザマ(ジュエリー・メガネ・トケイ)
スタンプがらみの店独自のイベントは年に2〜3回。金額が張る業種なので、台紙1冊だけは5000円で回収といったこともしている。5倍進呈の時などは、かなりのスタンプが集まるので、スタンプファンの客には大変喜ばれていることが接客時にはっきり感じ取れる。
今回の元気イベントでは、1回の買い上げに対して抽選1回(金額に関係なし)で最高が台紙1冊分、最低スタンプ20枚。
ルーレットを使った抽選風景 |
みつの家(割烹)
昨年の元気イベントで三角くじによる抽選を実施後、「ふだんも抽選をやってくれればもっと来るのに」というお客さんが何人かいたので、自店単独で、実施するようにした。1000円(消費税別)ごとにくじを出し、最高景品に下高井戸スタンプ360枚(台紙1冊分)、最低でも
枚としている。
びっくりするほどではないが、リピーターが増えているので、ある程度経費をかけてもメリットはある。
それまでも15枚ためると天丼券などと交換できるサービス券を出していたが、反応は良くなかった。枚数をためないと使えないことが理由のようだ。夜のグループ客などはみんなで楽しみながらくじをひくので、盛り上げに一役かっている。
今回初めてルーレットを使ったが、好評。ただ、単価が上がる宴会などでは抽選回数が多いと時間がかかるので、三角くじと両方用意してお客に選んでもらっている。
景品一覧ポスター |
赤松屋(米店)
買い上げごとに抽選が1回できるサービス。同店の場合、配達が90%以上を占めるので、元気イベントの時はルーレットを持参した。運搬中は、100円ショップで買った携帯パソコンなどを入れるウレタンで保護、抽選時は携帯電話用の丈夫なストラップで首に下げ、お客さんに引いてもらうようにしている。手書きの景品一覧チラシをつくり、一目で等級がわかるようにしている。
スーパールーレットへのお客さんの反応はすごくいい。「いつまでやっているの」という質問も。
御用聞きでは、「まだあるからきょうは要らないけど……」と抽選をやりたそうなお客さんも多い。そういう時は「来週お届けしますからやってください」と予約を勧めると9割近くが注文してくれる。
配達のお米を受け取ったあと、ルーレットを引くお客さん |
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