『せたがやスタ研ニュース』35号【集中セミナー報告】2

その2

 売り上げを左右する笑顔づくり

  講師・(株)笑顔アメニティ研究所、門川義彦社長

  集中セミナー第2弾は、「笑顔の講座」。スタンプやポイントカードと直接の関係はないが、個店の充実なくしてはスタンプ事業の充実もないということで、接客業に重要な笑顔づくりのコンサルタント、門川義彦氏の講習を受けた。ユニークでしかも、お金をかけずに「店のイメージ、売り上げを上げられるかもしれない」という期待感のためか、約50人もの方々が参加、しかも熱心に聴講、講師の軽妙なしゃべりに笑いの絶えない楽しい研修会となった。以下、講座のポイントをまとめた。

講義のポイント

■笑顔重視の企業が増加
 「品揃えや価格は商売の基本だが、それは当然のことで、あまり差がなくなってきている。差をつけるのは店の雰囲気づくりで、その80%は接客する従業員の元気な笑顔」というのがチェーン店などの指導をしている門川氏の基本認識だ。
 実際、小売・飲食業、金融機関、その他多くの接客業では、「笑顔づくり」の研修を従業員教育に組み込むようになってきている。お客さんを迎え、品物を薦めると売り上げが上がる確率が高まるからだ。
 だから、多くの飲食店チェーンでは、もっとも笑顔のいい従業員に、「いらっしゃいませ。おたばこはお吸いになりますか」とお客を迎えさせる。
 また、ある大手チェーンでは、明るい笑顔で、「野菜サラダはいかがですか」と薦めるか薦めないかで年間 億円の違いが出るという。

■仕事中でも笑顔で挨拶を
 店内で一生懸命作業をしていても、お客さんに無愛想ならマイナスになる。作業中でもお客さんが来たら元気に挨拶をするよう教育すべきだ。

■元気な店は万引き犯も敬遠
 入ると同時に「いらっしゃいませ」と元気な声であいさつされると、万引き犯は「顔を見られたのでは」と警戒する。だから被害が少ない。

■笑顔づくりには訓練がいる
 笑顔には心からの笑顔とつくった笑顔の2通りがある。心からの笑顔は間違いなく好印象を与えるが、人間だから体調や対人関係などで落ち込む時もある。そんな時、「いかにも作り笑いとわかる笑顔」はすぐにわかってしまう。しかし訓練して、自然に見える笑いをつくり習慣化することは可能だ。

■笑顔づくりのテクニック
・アイコンタクト
 相手の目をしっかり見て笑う。
・笑う時に口元を上げる
 それで親しげな表情になり、好感度は上がる。
・割り箸で訓練
 前歯で割り箸を噛み鏡を見る。割り箸の線より口元が上がれば合格。そのまま割り箸を抜き口元の状態を鏡で見て覚えておく。
 割り箸でうまくいかなければ、はがき、ストローなどで試してみる。
・口元に手を添えて、筋肉をほぐすn封タびをよくする
 歯の欠けている人は入れる。

■日常生活での笑顔づくり
・朝一番明るく元気で挨拶
 あいさつできない従業員は教育しても無駄になる可能性が大きい。
・「小さなよかった」を探す 
 意識しないと見つからない。
・1日5回は笑顔をつくる
・どうしようもないことは忘れる
・寝る前30分は楽しい時間
 毎日、しっかり仕事をすればストレスもたまる。そのストレスを解消するには、寝る前の30分を楽しく過ごすよう努めて、快眠する。
・店内の挨拶励行
 従業員同士基本的なあいさつもできないで、お客さんに笑顔で対応できるわけがない。
・深呼吸
 脳に血がめぐり、気持ちがよくなり、笑顔が出やすくなる。だからあくびはいいこと。ただし、お客さんにはわからないようにする。 

■その他
・整理整頓 
 レジまわりにゴミ箱その他お客さんと無関係なものを置いたり、ポスターなどを貼らない。
 ディズニーランドでは段ボールなど見られない。飲料の補充、トラックの搬入などもお客さんには見せない。
・時間厳守
 どの店もギリギリの人数でやっているので、時間にルーズな従業員がいるとチームは回らない。
(文責 商店街情報センター・樋口泰雄)


最初は緊張して聴講していた参加者も、20分ぐらいで下のような笑顔に


訓練の一環として、全員起立して隣同士で握手。その後で、「日本人の握手は殆ど相手の手元を見る。握手は笑顔で相手の目を見ながらするのが大事」という門川氏の話に全員が思わず笑顔


向かい合っての訓練に、自然に笑顔がこぼれる


口元の筋肉を上げる訓練も笑顔づくりの一つとか


割り箸をくわえた顔を手鏡で見て、笑顔づくりを勉強

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