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 外房・大原中央商店街「ちょっと訪問報告」

 先週の木曜日(12/12)、千葉県の茂原市に行く用事があったので、2時間半ほど早めに出て大原町まで足を延ばしました(JR外房線で千葉駅から各駅で1時間10分ほど、茂原駅から約30分)。
 大原中央商店街協同組合が、空き店舗対策として、たしか昨年から薬局跡を借りている休憩所「おらげ」やポイントカード事業などの近況を役員さんに聞くためでした。

 大原町は人口2万人余り、農漁業を中心とした、茂原と御宿・勝浦の間にあるまちです。中心部にある国道沿いの中央商店街は、一見、平凡な商店街ですが、今の時期にしては、商店密度は比較的高く、空き店舗も少ない商店街です。
 ただ、好天でしたが、それほど人通りはありません。

 バイパスの開通、郊外型店舗の増加という現象はあるのですが、それほど、影響を受けている様子は、ちょっと見た限りではありませんでしたし、土屋さんという理事長と竹久さんというカード担当部長の2人の話を聞く限りでは、こちらが元気をもらい、「近いうちにじっくり取材してみよう」という気持ちになったほどでした。

 びっくりしたのは、「おらげ」でした。お邪魔したのは午後2時半ごろでしたが60〜70平米ぐらいのスペースに10人ぐらいのお客さんがいたのです。
 この時は全員60〜70代の女性。レジ袋や買い物袋をテーブルや空いている椅子や自分の膝に乗せ、商店街での買い物の帰りらしい人が大半でした。
 その人たちは、当然のように(慣れた様子で)、椅子に座り、いくつかのグループに分かれて世間話をしていました(トップ゚ページの写真)。

 入り口脇に「町民号」という町営の循環バスの停留所があり、また徒歩数分の場所にJRと第3セクター(?)の、いすみ鉄道の大原駅があり、車を利用せず、バスや電車で来る人たちの格好のたまり場になっているようでした(駅には待合室はありますが冬は寒い)。

 出入り口のそばは町
 内循環バスの停留所、
 鉄道の駅も徒歩5、
 6分の場所に

  

 この日は比較的寒い日でしたが、エアコンが完備されているので、室内はポカポカと暖かく、しかも井戸端会議を思わせる光景がありました。
 壁には、町や住民、商店会・商店のお知らせポスター、中央には高さ2メートルほどのクリスマスツリー。日頃からよく手入れがされているようで、明るく清潔な印象です。

 

 シーズンごとに
 装飾も凝らしている

 

 商店街・商店の
 お知らせポスターも

 道路側は全面ガラス張りで、カーテンも外から中がよく見える素材のものです。
 給茶器はありませんが、ジュースやお茶の自販機が1台あるのでのどがかわいた人はそれを利用できます。
 この休憩所にトイレはありませんが、数十メートル先の商店会駐車場にあります。
 朝8時半から夕方6時ぐらいまであいているようです。すごいのは年中無休。
 近所の店の方がカギの管理をしているとのこと。
 
 2人の役員とここで1時間半ほど話をしていたのですが、その間に結構入れ替わりがあり、赤ちゃんを抱いた主婦が来たら、「かわいいね〜」と数人の高齢女性が寄ってきました。

 

 赤ん坊が来ると
 アイドルに


 夕方近くになると電車通学の高校生らでいっぱいになるそうです。

 いくつかの空き店舗利用状況を見たり、聞いたりしていると、活用されている例は少ないのが現状です。
 それで、最初はそれほど期待せず、「せっかく茂原まで出るのだから、ちょっと写真でもとっておこう」ぐらいの気持ちで、足を延ばしたのですが、うれしい誤算でした。

 同協同組合は、このほかポイントカードでも、今の時期珍しく発行額を伸ばし続け、また、竹久さんが団長をしている関係で、商店街と密接な関係にある「ウインドアンサンブル」という地元のアマチュア吹奏楽団が2年前に発足、商店街のイベントなどでも演奏します。
 このほか、理事は60歳定年で、50代は土屋理事長(52歳)のみ、あとは40代と30代といいます。そして名前だけの理事ではなく、結構楽しそうに活動する理事が多いようです。

 ――という具合におもしろそうな商店街です。
 もちろん、ちょっと役員の話を聞いたぐらいでは実態はわかりません。おそらく、問題点もいろいろあるでしょう。しかし、前向きに、楽しそうに商店街活動に取り組み、その結果も出ている、という印象を、2人の役員からは受けました。
 近いうちに徹底的に取材をしてみようと思わせる商店街です。

 *小社発行の『商店街通信』49号で詳しく報告しています。[商店街情報センター・樋口]
 

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