・2000年度の数字やイベントなどの詳細は『商店街通信』46号に掲載
・2000年4〜9月は44号
・2000年10〜12月は45号
・2001年1〜3月は46号
■概況
00年度のスタンプ・ポイントカードの発行状況は、小社・『商店街通信』編集部が調査を92年度に開始して以来最悪だった。
しかも、「どんな痛みがいつまで続くか、失業増大は確実で雇用増加は不透明」の『改革』断行を掲げる小泉内閣の登場で、多くの国民の先行き不安感は高まり、財布のひもは固くなる一方。
そのうえ、低価格戦略を中心とする大手の生き残り作戦などで、競合がますます激化し、既存の中小店には廃業する店、廃業予備軍が急増している。
その結果、地域の中小・独立店を主体とした多くのスタンプ・ポイントカード会の業績が悪化している。
各会の打開策としては、付加価値づくり、持ち出し分を少なくしてしかも消費者に支持されるようなイベントの企画、加盟店の活用促進のための研修充実や内部コミュニケーション強化、共同宣伝強化、消費者モニター制度の導入、商業集積の強化などがあげられている。
■発行回収状況
【発行】
発行額が前年比4%以上増えた団体は、32団体中わずか2団体6%(99年度は12%)なのに対し、減少した団体は27団体84%(99年度は63%)、しかもそのうち15団体が10%以上減少だった。
増加した2団体のうち、土手町商店街振連の37%増は、中三百貨店の食品売場の再加盟が主因。
春日部市商業協組の7%増は、独自で2〜10倍セールを実施する有力店が増えたことが大きい。
事業開始以来30数年間、発行額を毎年伸ばし続けてきた烏山駅前通り振組が前年比14%減となった。これは、デフレ傾向に加え、競合激化で、有力店の発行額が落ち込んだこと、年末セール期間中の特別スタンプ負担率を3・5%から2%にしたことなどのため。
【回収】
回収額が前年比4%以上増えた団体は8団体25%(99年度は41%)、減少した団体は22団体69%(28%)。
輪島市商店連盟Wの41%減は、99年度はスタンプの期限切れの年にあたり、回収額が例年より上がったため。
■主な動き
tュ行条件の変更
・協組さくらシール会は、満点カード加盟店での買い物使用の場合、従来は600円としていたが、5月27日から500円とした。それに伴いカードのデザインを変更。
・協組浜田スタンプ会は、7月22日からポイントを、200円買い上げに1ポイントから100円買い上げ1ポイントに(スタンプは従来通り200円に1枚)。
・協組浜田スタンプ会は、6月中旬から、従来は500ポイント600円だった満点カードの還元率を600ポイント600円とした。
・土手町振連が従来2円だったスタンプ・ポイントの購入単価を1.3円にしたのは、消費者から要望の多かった中三百貨店食品売り場での扱い復活などに伴う措置。中三では、復活の条件として、負担率の軽減をあげていた。
cCベントニーズ探るため消費者アンケート実施
佐世保福栄会協組が6月末にチラシで実施した。
czームページを開設
佐世保福栄会協組が6月に開設。会としての売り出しやイベント情報のほか、各店のおかみさんやご主人の顔写真を紹介するぺージも。管理は専務理事の北御門氏が担当。現在、ホームページ作成技術を有志で勉強中。
福栄会のHPアドレスは http://www3.ocn.ne.jp/~fukuei/
ほか本アンケート回答団体でHPがあるのは
秋田市共通商品券協組 http://www.hoppe.or.jp/
協組日専連しもだて http://www.intio.or.jp/simosen/
鳥山駅前通り振組 http://host.goo.ne.jp/elmall/
(株)アクティブモコ http://www.bekkoame.ne.jp/~ac-moco/
協組浜田スタンプ会 http://www2.crosstalk.or.jp/hmstamp/
Fメールクラブ設立
協組日専連しもだてが消費者から会員を募って設立。9月末現在の会員は50人弱。会員には、イベント情報などを流している。「買い物したが、スタンプをもらえなかった」などのeメールがきている。加盟店の情報はまだ扱っていない。
wL力店が廃業や移転、脱会するケースが増加
アンケート対象団体ではないが、食品スーパーの進出で発行額1位(年間250万円のポイント買い上げ)と4位(100万円)の店がこの1年間に廃業、年間発行総額が1年間で半減した会も出ている。
また、有力加盟店がスクラップアンドビルドで商店街内の支店を閉鎖、郊外に出店するというケースも出ている。
昨秋は、協組浜田スタンプ会では有力食品スーパーが(2年ほど前までは同組合でだんとつの買い上げ額1位だった)廃業、佐世保福栄会協組では、発行額上位の食品スーパーが郊外に移転している。
q揩ヲる中堅スーパーや専門店チェーンが独自のポイントカード
独自のポイントカードを始める食品スーパーや専門店チェーンなどが全国的に増えている。それらの店の還元率は1%が大半だが、徹底してポイントを出すこと、しょっちゅう3倍や5倍セールを実施するなどで消費者をとらえ、出したり出さなかったりする加盟店が多い商店街のスタンプ事業が影響を受けている。
rn域住民とのつながりを深める付加価値づくり
春日部市商業協組は今秋、有力加盟店のドラッグストアの取引先メーカーの協力を得て健康についての講演会を実施したところ、400名以上が参加したという。わかりやすい話と入場料無料で、メーカーからのおみやげや組合からのポイントが進呈されたこともあって大好評だったという。
また、三ケ日町えびすカード店会は、今年から、加盟店で使った後の満点カード(一部切り取り)を、PTAなどの団体で集めると1枚20円で使える団体活動支援制度を始め、12月初め現在で10団体が登録、うち4団体が合わせて1400枚2万8000円分のカードを換金したという。
lツ店の活用支援
やる気のある個店のスタンプ(ポイント)活用を支援するための、共同宣伝や共同イベントなどを企画することも重要。会だけでなく、行政や商工会議所、メーカー、住民団体などと交流を深めることで、それほど手間や経費をかけなくてもできることが出てくるかもしれない。
pツ年部設立へ
協組神辺わかば会この秋の青年部設立へ向け、準備を進めている。
iチ盟店ガイドなどを盛り込んだパンフを制作
協組浜田スタンプ会は、2000年度の人材確保推進事業助成事業で実施。全店(86店)の紹介とマップ、スタンプ(ポイントカード)の使い方、2001年から3年間のカレンダーなどを盛り込んだ、横9センチ弱、縦18センチ強のハンディーなもの。
■イベント
cVドニーオリンピックペア招待
小阪スタンプ会が実施。応募用紙にスタンプ5枚を貼る。応募は2000弱。「個店の数字は悪くはないが、数年前の5周年イベントの時が2万通以上あったことを考えると少ない。理由は、オリンピック期間中の1週問ということで、主要客層である主婦には長すぎたことと、20冊という冊数が問題」(同会の福井氏)。
cXタンプ10枚プレゼント−台紙回収は約3600冊
協組掛川商店連盟サービス会では7月4〜8日に、台紙に貼って加盟店で使うとスタンプ10枚がもらえる[サービス券]10枚をチラシに印刷するサービスを実施。約3600冊が利用された。同会のスタンプは150枚で500円相当。
tN金支給日に買い物促進のクイズ
佐世保福栄会協組が6月から実施。偶数月の15日に年金が支給され、「その日の午前中は銀行が高齢者でいっぱいになる」ことをヒントに、商店街内の公園で簡単なクイズ大会を行い、正解者に500円相当の買い物券を進呈する企画。参加資格は18歳以上。6月は70人、8月は50人が参加。
b謔ウこい踊りを導入
烏山駅前通り振組は8月上旬の「烏山夏まつり」で、従来の盆踊りに加え、各地で人気の「よさこい踊り」コンテストを実施。12チームが参加、非常に盛り上がったという。
mD評だったホテルランチバイキング
協組神辺わかば会が6月から8月の約3カ月の間に福山市のホテルで利用できるランチバイキング券(1400円)を台紙2冊と常時交換。主婦層に好評だったという。
vナ少傾向のスタンプラリー参加者
三ヶ日町えびすカード店会が5月1日から10日まで実施したが、参加者は10人と少なかった。方法は、加盟店で300円以上のお買い物をすると1ポイント。10店以上回ると200ポイントをもらえる。「年々参加者が少なくなる傾向にあるが、工夫を加える余地は十分にあると考えている」(同会の夏目会長)。
2000年度常時交換回収は16,707冊
小阪スタンプ会で、最も交換の多かったのは、パールカード(近鉄電車のプリペイドカード)で1,511名(7,555冊)とスルットカンサイ(2月からパールカードが他の私鉄と相互乗り入れできるスルットカンサイに変更)の440名(2,200冊)、次いで映画券606名(1212冊)など。その他のイベントでの回収は7,508冊。
q蜉wの映画サークルと連携
協組浜田スタンプ会は昨秋から、映画会の開催について地元の島根県立大学のシネマサークルと連携して、企画や運営にあたっている。浜田市には映画館がなく、同協組ではこれまでもイベントの一環として単独ないし市との共催で映画会を毎年2〜3回開催してきた。
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