スタンプ&ポイントカード実績調査結果要旨
 2004年度の動き
 
*決算月は会により異なりますが本調査では、2004年4月から2005年3月までの1年間としました

・2004年度全体の数字やイベントなどの詳細は、『商店街通信』54号に掲載
・2004年4月〜6月は52号
・2004年7月〜9月は53号
・2004年10〜12月&2005年1月〜3月は54号

1.概況
(1)事業の抜本的見直しと付加価値づくり
 競合激化、加盟店の売り上げ低下や廃業などで発行額が減少するスタンプ・ポイントカード(以下、スタンプと略)会は04年度も7割を超えた。加盟店減少やスタンプの売り上げ減少は、(1)スタンプを集め、使いたい店の減少、(2)スタンプの集まる速度が落ちる、などにつながり、さらにスタンプ離れが進む、という悪循環の危険をもたらしている。
 そのため当座の対策として、協組人吉商連、直方スタンプ事業協組など満貼枚数を少なくする会も1、2年前から出始めている。
 一方で、消費者への情報発信強化、加盟店のスタンプ活用意欲増進、さらには
商業集積・個店の魅力向上など基本的問題解決に力を入れる会も出ている。

 
(2)非小売店の加盟促進
 
小売店だけでなく、飲食・サービス業の加盟促進もカギとなる。スタンプは葬儀社、工務店なども対象になる。
 

(3)健全財政
 発行額が減少する一方で、回収額は発行額ほど落ち込まないため、単年度の回収率が100%以上の会が04年度も17会を数えた。
 消費税増税準備が水面下で進んでおり、近い将来の増税は確実と言われているため、未回収分の把握と対策、経費節減策なども検討しておくことが望まれる。
 具体的には、未回収準備金の計算、経費をかけずに人気を呼ぶイベント企画・運営など。
 

2.発行回収状況
 発行額増加団体は3団体9%、減少は27団体79%
 回収額増加団体は12団体35%、減少は14団体41%

【発行】
 発行額が前年比4%以上増えた団体は3団体9%(03年度は19%)、減少した団体は27団体79%(03年度は72%)。
 発行額全体では7%減(03年度は8%減)。

 松葉町商店会協組の23%増は、発行一番店の食品スーパーが競合店対策としてスタンプ倍セールを04年度途中から定期的に実施したことが主因。
 串間市わくわくスタンプ会の13%増は、一番店の食品スーパーや金物店、ガソリンスタンドなどがスタンプをより活用したことが主因。
 協組人吉商連の39%減は、03年7月から年間1000万円以上の買い上げ分については大幅に値下げしたことで大口買い上げ店の買い上げ額が減少したことと全般的な売り上げ低迷による。
 墨田区商連の28%減も、一番店の取り扱い中止と全般的な売り上げ低迷による。
 
【回収】 
 回収額が前年比4%以上増えた団体は12団体35%(03年度は25%)、減少した団体は14団体41%(03年度は56%)。
 回収額全体では8%減(03年度は3%減)。

 春日部市商業協組の13%増は、旧スタンプ及び旧ポイントカードの交換を04年7月で中止としたため駆け込み回収が増えたことが主因。
 協組多賀城スタンプ会の73%減は、03年12月のシステム変更に伴い、旧ポイントの回収が激増したことへの反動と全般的な売り上げ低迷による。
 協組人吉商連の38%減は、発行額減少が主因。

3.その他の動き
■カードR&Wの更新
 三ヶ日町えびすカード店会は7月に約100台のカードリーダー&ライターを入れ替えた。総経費は約800万円。会が未回収分預り金から10年返済で借り入れて負担。加盟店の負担は従来通り月2000円の機器使用料のみ。

■交換条件の変更
・山中スタンプ会は7月から、満点カードの消費者利用条件を300P-500円から400P500円とした。
・直方スタンプ事業協組は10月26日から、350P(枚)500円を300P(枚)300円に。

■情報発信強化
・チラシを月1から月2へ
 佐世保福栄会協組は04年4月から従来月1回だった折り込みチラシを月2回とした。その研究会か、従来は毎月2日連続していたポイント・スタンプ2倍デーを1日ずつに分けるなどきめ細かい情報提供ができるようになった。経費増加分は印刷の色数減などで吸収している。(西田事務局員)

・地域紙との連携
 小阪スタンプ会は04年4月から毎日新聞専売所が月1回発行する地域紙に情報と食事券やスタンプなどの景品を提供している。会のイベントなどのPRと消費者の声収集を兼ねて始めたが、毎回数十通の応募があり、参考になる意見などもあるという。

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