・99年度全体の数字やイベントなどの詳細は『商店街通信』43号に掲載
・99年4〜9月は42号
・99年10月〜2000年3月は43号
■概況
スタンプの魅力だけでなく、商業集積・個店の魅力増加も重要課題に
長引く個人消費低迷、郊外や近隣への大型店や専門店、ディスカウントストアの進出などにより、売り上げを低下させる有力店が増え、スタンプ発行額の減少傾向につながるケースが増えている。中には経営方針を価格志向に変え、スタンプをやめたり、廃業する店も出ている。
また、車での利用に不便な市街地の店を閉鎖し、郊外や大型店集中地域に出店する有力店が増え、それがスタンプの減少につながっている例も出ている。
秋に予定されている酒販店の距離制限の撤廃をはじめ、相次ぐ大型店の営業時間の延長など今後も規制緩和と競合激化傾向は続く。
地域商業としての存在価値を高め、「不況だから、競争が厳しくなったからスタンプを控える」のではなく「不況、競合激化の時代だからこそ、スタンプを出す」という方向にどう持っていくかが問われている。
■発行回収状況
【発行】発行額は、ほぼ3分の2の団体で前年比4%以上減少
発行額4%以上増加は4団体12%(98年度は24%)
4%以上減少は20団体63%(48%)
発行額全体では、6%減(1%減)
2桁の伸びは、春日部市商業協組の13%増のみ。昨年3月末からポイントカードを切り替え、従来の端数ポイントを新ポイントと交換した分が大きい。
秋田市共通商品券協組の29%減は、全体的な売り上げ低迷のほか、イベント景品などへの使用分を減らしたことも一因。
【回収】回収額は、増加が上回る
回収額4%以上増加は13団体41%(98年度は39%)。
4%以上減少は9団体28%(42%)。
回収額全体では増減0(7%減)。
輪島市商店連盟協組の28%増は、99年の場合、4年ごとのスタンプ切替年に当たり、手持ちのスタンプを使う消費者が増えたことが主因。
発行額では減少団体が多かったのに比べ、回収では増加団体が多かったのは、(1)手持ちの台紙や満点カードをすぐに使う傾向が強まっている(2)98年4月の消費税増税の直前、3月頃に2〜5倍のキャンペーンを実施した会が多く、その分の回収が4月以降に増えたが、99年度はそのような要因がなかった、などによる。
ちなみに発行額の前年比より、回収額の前年比が上回ったのは26団体、全体の75%にものぼった。
そのうち単年度回収率が100%を上回った団体も7団体22%を数えた。
■主な動き
o時交換に力を入れる傾向
特定の日に台紙やポイントとの交換をするイベントでは、「時間がない」、「並ぶことに抵抗」という消費者のために、電車やバスの回数券・プリペイドカード、ホテル宿泊券、遊園地入場券、映画券などと常時交換する団体も増えている。
この場合は、会の補填率を減らし、等価交換に近い比率にする場合が多い。
東大阪市の小阪スタンプ会では、常時交換が全体の29%が近鉄のプリペイドカード(3000分円を5冊2500円分)や映画券、ホテルランチ券など常時交換が回収全体の29%を占め、人気が高いという。
rn域貢献につなげる動きも
・献血者に満貼り台紙1冊進呈
東大阪市の小阪スタンプ会では、昨年8月、近鉄小阪駅までの献血者にスタンプフルシート(1冊500円分)を進呈することにしたところ、通常の3倍の150人の献血者が出て、好評につき、今年の3月にも実施、120人が献血した。同会では、今後も定期的に続ける方針。
・団体活動に助成
三ケ日町えびすカード店会では今年の4月から、満点カードに切り取りをつけ、加盟店で使ったお客には切り取り部分を渡し、それをPTAなどで集めると1枚20円で換金できる助成券制度を始めている。
jメ元率を半分に
松葉町商店会協組は9月1日から、最低交換単位は300ポイント、買い物などに利用できる額は500円のまま、ポイントの進呈単位を従来の100円から200円に変更した。これは(1)財政的に厳しくなってきた(2)システムを400ポイント500円とか500ポイント500円に変更できないため。
cVール回収は来年3月で打ち切り
津幡町販売事業協組は数年前からスタンプとポイントカードを併用してきたが、スタンプの発行は97年度で停止、回収受付は来年3月末までとした。
mイ渡郡4町村のスタンプ会一本化、初年度発行額は140%増
昨年10月、新潟県佐渡郡9町村のうち、金井町、新穂村、畑野町、真野町の4町村のスタンプ会が、『佐渡トキスタンプ会』として一本化、スタンプとポイントカード(使い捨て印字式磁気カード)を始めてから1年が経過した。発行額は、3,149万円(うち本部負担85万円。ポイントが全発行額の88%)、回収額は609万円(うち加盟店回収は543万円)
wL力店脱会で発行額大幅減
新潟県豊栄市の協組とよさかシール会では、年間1億円近くのスタンプを発行していたが、最も多くスタンプを購入していた、地域食品スーパー、キューピットが独自のポイントカードを発行するため脱会、発行額が半分近くに落ちこんでいるという。今後も、消費はシビアで、競合も激化する状況は続くと思われる。会自体に魅力がないと、長年やってきた有力店も、「単独でやったほうが効果的」と真剣に脱会を検討するということは十分考えられる。内部のコミュニケーションを密にすると共に、加盟店が「共同でやったほうが得」と思うような事業・組織運営をしているか、改めて、チェックをしてもいいのではないか。
c|イントカードシステム一新
・協組あたみシール
99年7月からカードシステムをオンラインからオフライン方式に変更した。従来のシステムが老朽化し、コンピューターの2000年問題、顧客情報もそれほど活用していなかった、などの理由で切り替えた。システムは日本カード(株)から購入(端末は1台15万円弱で160台)で。ただ、従来は、金融機関−組合−加盟店間のポイント・資金のやりとりを全てオンラインでやっていたのが、組合と加盟店の間はオフラインになったため、ポイント購入の場合は加盟店に、事務局に足を運んでもらうようになった。そのため、賦課金を多少値下げした。
・協組猪苗代専門店会
ポイントカードシステムを全面変更。2000年問題に従来のコンピューターが対応できないため、99年12月からカードシステムを、印字式使い捨てでオンライン(加盟店の便宜をはかるなどのため)方式のものから、オフライン・ビスマック方式(カード表面に液晶のような感じで、ポイント数など数字が表示される)。ホストと端末40台で1500万円ぐらい。町から500万円ぐらい補助金を予定。加盟店は月2000円のリース料を負担する。加盟店のポイント購入額も1ポイントあたり1.5円と下げ、回収は1ポイント1円とした。
cGコステーションを4月23日に設置
土手町振連では、10坪ほどの空き店舖にエコステーションを開設する。空き缶とペットボトルの回収機各1台を設置する。共に、空き缶などを入れると、テレビゲームが動きだし、運がよければ各店のサービス券が当たる。参加予定店は約60店。参加店の負担は毎月2000円の会費と自店のサービス券(各店で景品と交換できる)を出す。県と市の空き店舗対策などの補助を受ける。
je地で、全国チェーンや大型店、郊外商業集積などとの競合激化
烏山駅前通り商店街にはスーパーのライフ、熱海市内には、ドラッグストアのハックキミサワが出店するなどで、競合する食品スーパーや薬局・化粧品店などが影響を受けている。
また、佐世保福栄会商店街では有力店が商店街に見切りをつけ、郊外や大型店集中地域へ出店する傾向が出てきている。
tュ行条件変更
・三ケ日町えびすカード店会では、5月1日から満点ポイントを300から360に変更。その代わりに(1)イベント強化(2)満点カードを加盟店で使用すると半片を渡され、それをPTAなど団体で使うと1枚20円で換金できる団体活動助成券制度を開始
・協組浜田スタンプ会では、7月22日からポイントカードのリニューアルに伴い、100円買い上げに1ポイント進呈とする。スタンプは従来通り200円に1枚進呈。
q蜉wの売店経営受託
市内にある島根県立大学が、4月から4年制(従来は短大)に変更し、学生数も1学年200人に増加するのに伴い、大学では売店経営を協組浜田スタンプ会に委託することにした。扱い商品は食品や書籍、雑貨などで、全て組合員を通して仕入れる。このため、アルバイト職員2名を新たに雇用し、合わせて事務所も同売り場内に移転した。売り上げは、日商7万〜8万円で目標を3割程度オーバー。
j用店と消極店の二極分化傾向
春日部市商業協組では、全体の景況は厳しいが、特定の日・期間にポイント数倍や満点カードのプレミアム回収をして売り上げを伸ばしたり、減少に歯止めをかけたり、新規に加盟する店がある一方で、脱会やポイント発行に消極的になる店が出るなど、二極分化傾向が出ている。このような傾向は春日部に限らないようだ。
iチ盟店の脱会や廃業への対策−スタンプの魅力向上と加盟店とのコミュニケーション強化という基本の確認を
岩手県某町のポイントカード会で、発行額の半分程度を1店で占めていた食品スーパーが昨年秋に倒産、会の運営は厳しい状態となっているという。
前回の報告では、新潟県豊栄市のスタンプ会加盟の食品スーパーが、スタンプ会を脱会し、独自のポイントカードに切り替えたというニュースを伝えたが、今後ともこのようなケースは起こりうる。スタンプ(ポイント)の魅力を増す努力と共に、会内部のコミュニケーションを強化する、という基本の確認・徹底が更に重要と思われる。
■イベント
vZしい主婦向けにゆったり日帰り旅行
協組神辺わかば会の定番イベントの1つで、幼児や老人の世話をするなどで、忙しい若い主婦に人気のあるのが、『鞆の浦日帰り旅行』。鞆の浦は、福山市郊外の名所旧跡が多い名勝地。今回も定員の30人が参加。人気の理由は、昼食が7,000円相当の豪華版であり、名物の鯛の蒲鉾がおみやげにつくといったことのほか、朝10時頃集合、夕方4時頃解散という日程。
泊まりや朝早い集合の旅行だと参加できないという若いお母さん層に人気があるという。それでこの企画には、大型イベントの層と違う客層が参加する。経費は1人あたり1万円ちょっと(参加冊数は8冊)。送迎のバスは食事処が出してくれる(協組神辺わかば会・藤井事務局長)。
v月のスタンプラリー、マンネリか
(株)アクティブモコは、今年度から毎月スタンプラリーを実施しているが、当初は月1万人ぐらいいたが、最近は消費者も加盟店もマンネリ化で、月に6,000人程度。
2000年イベント企画に着手
(株)アクティブモコは、来年=西暦2000年の記念イベントをどう商店街及びモコチップ(スタンプ)のアピールにつなげるか、検討を開始した。
iチ盟店が講師役で、教室
松葉町商店会協組は、7月から11月まで、加盟店の経営者等を講師とした教室を毎月1回実施している。これまで抹茶ムース&スポンジケーキ作り、以後、和食、中華、写真などの教室を開催した。台紙3冊で参加できる。参加者は2〜10人。
mホ末福引券セールをポイント3倍サービスに切り替え 協組あたみシール
12月の共同広告で大型店型店出店の落ち込みに歯止め
協組さくらシール会では、2〜5倍セールの参加店が複数あり、発行額の滅少は少なくて済んだ。
q芬での買い物10倍セール
烏山駅前通り振組、協組佐世保福栄会では、台紙での買い物10倍セールを共に初めて実施。反響はかなりよかったという。
q芬での買い物に10倍サービス 鳥山駅前通り振組
oシ井など3人がホームランの翌日は5倍等・巨人応援セール (株)アクティプモコ
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