おニャン子クラブ最後の切り札といわれたうしろ髪ひかれ隊のデビューシングルは、歌唱力や振り付けに力を入れるうしろ髪のグループとしての方向性をよく表したものとなった。やや重めの曲調に3人のボーカルやコーラスが入れ替わりからんでいく流れはご存じの通り。この指向は3rdシングル「メビウスの恋人」まで続いたが、「奇面組」「とんちんかん」の主題歌で使ったのは逆に良くなかったのでは、とも思われる(その結果最後は「ポンキッキ」になってしまった・・・)。 シングル版のテイクは3人のソロパートがほぼ均等にあらわれるような印象を受けるが、アルバム「うしろ髪ひかれ隊」収録の”NEW VOCAL
VERSION”の方ではやや静香のソロパートが目立つように感じられる。後者ではとくにあっこの印象が薄くなってしまっているのだが、これは曲冒頭の「♪教室の窓ー」の部分が、あっこのパートから静香のパートになったのが大きい。しかしこれにより別バージョンとして曲全体の雰囲気を変えることには成功した。どちらが好きかは好みの分かれるところであろう。
レコーディング期間に3人は試験期間だったために、自分のパートが来るまでの間会議室で自習をしながら録音した。 【T.Ishida】