あじさい橋/おニャン子のあぶな〜い捕り物帳

(1986.6.11)CBS・ソニー

【オリコン最高1位】
【売り上げ15.5万枚】

【レビュー】 【ダイジェスト1】 【ダイジェスト2】

 レビュー (「特選 今月の一枚」 98年8月 ピックアップ)
 雨の季節にこの一曲。演歌でオリコン初登場1位の快挙を記録したことはもう言わずもがなのことであるが、これを含めて改めて、おニャン子クラブが様々な記録をうち立ててきたグループであることを忘れるわけにはいかないのである。

 さて、今回「あじさい橋」を聴き直して感じたことは、まずひとつにはこの曲は演歌といっても、さらっと聴くぶんにはポップス・バラードとあまり垣根がないのでは、と思わせることである。どうも演歌というとやたら浪花節的な(?)先入観に支配されがちなのであるが、その歌い回しや編曲をのぞいて考えると特殊な種類の楽曲ではなく、いい意味でいかにも「ふつう」であることが感じられる。この聴き易さ、親しみ易さは、おニャン子本体と違和感のない演歌ということをプロデューサー見岳章氏が意図したあらわれであると思える。

 そこに秋元康のさらりとしてクサクない詩がマッチしている。秋元は後に「川の流れのように」を手がけるのだが、いかにも演歌くさくないという点において、この2曲には共通したエッセンスを感じることもできる。昭和の名曲は「あじさい橋」にその流れをさかのぼれる、とあえて言い切ってみたい。【T.Ishida】