序章 学生時代の結末


私自身がマゾだと気がついたのは2年前のことになります。もっとも、SMについては
それ以前よりコミック雑誌や週刊誌で知っていましたし、興味を持ったことも確かです。
しかし、そのころは誰にでも多少のM気はあるもので、私自身がマゾだとは認識しては
おりませんでした。

それがある出来事を境にマゾとして目覚めはじめたのです。

話は3年前に溯りますが、私は一応名前の通った私立大学に通っていました。
専攻は社会心理学で将来は市場調査分析の仕事に従事したいと考えていました。
自分で言うのもなんですが、それまでの人生は順調で難しいと言われた大学にも
ストレートで入学しました。また、多くの学生が単位を取れず留年する中、私は着実に
優秀な成績で単位を取得することが出来たのです。したがって、4年生になった時は
最終ゼミの履修と就職活動を残すのみとなっていました。

そんなある日のことです。ゼミが終了し帰ろうとすると、先生に呼び止められました。
先生はこの分野では有名な方で、海外の公演に出かけたり、テレビにもよく出演
されています。50歳を超えているのですが、身長は180cm近くあり、髪の毛はロマンス
グレーで洋服のセンスも良いため、女子大生の憧れの的でした。

一人残った私に先生は手短に要件を述べました。私が就職を希望する有名な一流企業から
学生の推薦を頼まれたと言うのです。そして私を推薦していただけると言うことでした。
もちろん私はふたつ返事で承諾してお礼を申し上げたのです。
「うーーん、私の人生は恐いくらい順調だわ。」
この時は本当にそう思っておりました。この先の不幸な出来事など少しも予想して
いなかったのです。



10分ほど雑談をして先生の部屋を出ると同じゼミの斎藤さんが私を待っていました。
「さっきのゼミの中でわからないことがあるんだけど教えてくれるかなぁ?」
私はわからないことがあるんだったらゼミの中で質問すればよいのにと思ったのですが

「なに?高いわよ(笑)」
「ここだとなんだから家に来てくれないかなぁ?飲み物くらいなら出すよ」

斎藤さんは入学するのに1年、在学中に2年の留年をしているので私より3歳年上なのですが
勉強の要領も悪いみたいで卒業するのも危ないようです。
身長も私より少し高いくらいですし、同じゼミにならなかったらきっと口も利かなかったと
思います。今でもあまり話をしたくないのですが、なぜか彼は私に話かけてくるのです。

彼の家は学校から5分程のところにあり、親がお金持ちなのか冷暖房付きのワンルーム
マンションに住んでいました。私の下宿とは大違いです。
ゼミのみんなと何度か行ったこともあるので特に警戒心もなく承諾してしまいました。
この時は哀れな彼を救ってあげるマリア様になった気分だったと思います。

彼のマンションでゼミの内容を解説してあげたのですが根本から説明せざるおえなく
なってしまい、終わったのが9時を回っていました。
解説が一段落すると、彼は今日のゼミの後、何を先生としていたか聞いてきました。
勘違いされてもイヤだったし、とても嬉しいことだったので会社に推薦していただくことを
彼に話したのです。すると彼はとても不服そうな顔をして

「麻衣子ちゃんは可愛いし成績も優秀だし目を掛けられて良いよね」と言うのです。
「それどういう意味?男らしくない人!」と言い捨て帰ろうとしました。
「まてよ!」と言うと彼は後ろから私の腕を掴み引き寄せるとそのまま仰向けに私を
押し倒したのです。私は倒された時に頭を強く床に叩きつけてしまい一瞬なにがなんだか
わからなくなってしまったのです。

気が付くと私は全裸にされ彼のペニスを挿入されていました。なんとか彼から放れ
巻き散らかされた私の衣服をかき集め部屋の隅に逃げたのですが、彼は満足そうに
ニコニコしています。すぐにその理由はわかりましたアソコから彼の液体がヌルっと溢れ出て
私の太股を流れ落ちたのでした。

それからどのようにして自分の下宿に帰ったのかはよく覚えていません。だだ、部屋に
入ると涙が止まらなくあふれ出てきたのを覚えています。