SMビデオ(おまけ)


あの日から幾日が経ったのだろうか、すでに僕にはわからなくなっていた。
今ではすっかり真由美の身体にも慣れ、生まれた時から女であったような錯覚
さえする。以前、僕が武藤晃として生きていた事の方が夢のように思えるので
あった。

しかし、相変わらず、非現実の中で男は現れ、そして僕を調教し続けるのであ
る。僕にはそれが快感と思えるようになっていた。もしかしたら、以前から今
の状況を望んでいたのかも知れない。男は僕の潜在意識が生み出しているよう
な気もする。

「真由美!何を物思いに吹けっているんだ?」

いつのまにか男が目の前に居た。
「あっ、すみません」

僕は男の前に跪くと白い小さな手で男のズボンのファスナーを下ろした。それ
が決められた筋書きであるように。。。

大切なものを扱う手付きで僕は男のモノを包むように掴み出した。そのモノは
硬くなっていないものの十分な大きさであった。

「誰がペニスを出せと命令したんだ?」
「・・・・・」
「返事をしろ!」

いつも、男は僕にフェラを要求するのである。いつの日からか男が現れると僕
は言われるまでもなく男のモノを咥えるように習慣付けられていた。

「でも・・・いつも」
「いつも、なんだ?」
「お口で、ご奉仕するように命令されるから・・・」
「俺が命令するから、仕方なくするのか?」
「・・・・・。」
「したくもないのにしていたのか?」
「いえ。ちがいます」
「じゃ、どうして、、していたんだ?」
「・・・・・ご主人様のモノが・・欲しかったんです」
「だろ?だったら行為の前に言うことがあるんじゃないか?」
「・・・・・俺はオマエの道具じゃないんだぞ」

「すみません。・・・私にご奉仕させてください」
「これからは気をつけるんだぞ」
「はい」

僕はそう返事をするとピンクの唇を男のモノに近づけた。
一瞬、イカのような匂いが鼻についたが、すでに僕はその匂いにも慣れていた。
男のペニスが口の中で大きくなる。

「オマエも好きだな。美味しいのか?」
僕はペニスから口を離さず、軽く頷いた。

男の手が僕の乳首に触れた。クリクリと愛撫を始めたのである。
「う〜ん」

スイッチを入れられたように全身に愛撫の感触が広がり、それが僕の子宮に達
すると自然に腰が動き出してしまう。

僕の身体は下腹部が波打ち出し、咥えているモノを欲しがってしまうのである。

「おいおい、もう腰が動いているぞ」
男は意地の悪い言葉を僕に投げかける。

「そう簡単には、ご褒美は渡せないな。笑」
確認をしなくても僕の秘部には愛液が溢れて来ているのがわかる。
男のモノが僕の口から遠ざかってしまった。

「あっ・・・」
あろうことか僕は思わずそれを目で追ってしまっていた。

「これでオナニーでもしろ!」
しかし、男から渡されたものは、バイブレータであった。男のモノより一回り
大きく付け根には小ぶりなものが斜めに取り付けられているシリコン製のもの
だった。

作り物を渡されたことに僕は少し落胆していた。
「・・・・・」
「ほら、早く・・見ていてやるよ」
「そんな。。。。恥ずかしいです」
「だから、させるんだよ」
「・・・・・」
「お客さんにも見えるようにな」

部屋の中にあるテレビを男は振り返った。この世界に閉じ込められた頃には気
になったテレビであるが、最近ではすっかり気にならなくなっていた。

しかし、僕はテレビを見て唖然とした。そこに映っていた今回の客は男の頃の
僕・・武藤晃だったのである。

(どうして・・僕が?)

そんな思いが一瞬脳裏を過ぎったが、今の僕にはどうでもよい事であった。
僕は今の世界が気に入っていたのかも知れない。

「ほら!早くオナニーをはじめろよ!」
「・・・は・・い」

ベットの上で仰向けになると、渡されたモノを自分の秘部の押し当てた。スイ
ッチの入ったバイブは小さくうねっており、抉じ開けるように僕の体内に侵入
しようとしている。

「・・・・」
「どうした?早くしろよ」
「駄目です。やっぱり・・・」

「・・・・」
「すみません」
「すみませんじゃ、済まないぞ」

テレビからノイズ音が流れ出した。
「でも・・・」
「まだ、教育が足りないようだな」
「すみません・・・」

「お仕置きだな」
男の目が一瞬変わったように思えた。
「こっちに来い」
「痛いっ」

いつの間にか、僕の首には犬の首輪が取り付けられていた。男が首輪に付けら
れたリードを引いたのである。

「くるしぃ・・」
それでも男は強く引いた。

「うぐぅ〜、ゴホッ・・・・」
僕が咳き込みながらやっとの思いで立ち上がると冷たい金属の感触が手首にあ
った。男は後ろ手に手錠を掛けたのである。

「ほら、もっとシッカリ立て!」
男はリードを外すと天井から垂れ下がったロープを首輪に結んだ。ロープは天
井の張りを通って壁に結ばれていた。

「ほらほら」
壁に結ばれたロープを男は引くのである。ロープは天井に向かって引き上げら
れる。

「苦しい〜」
両手を後ろ手に手錠された僕は引き上げられるロープを押えることも出来なか
った。首輪が首に食い込む。

「や・・め・・て・・・」
すでにつま先立った状態であった。

「苦しいか?」
僕は頷くことも、声を出すこともできないのである。

「あははは・・・」
男はいつもの男ではなかった。いつもの男であれば、僕の考えたことを行動に
移すはずである。この男の行動は僕の予想もしない行動なのである。

つま先立つ僕の足はブルブルと震えていた。食い込んだ首輪で血流が止められ
顔は真っ赤になっているに違いなかった。

「く・・る・・しい」

いつのまにか、テレビからノイズ音が消えていた。
薄れ行く視界の中でテレビに食い入る武藤晃の顔が見えた。



耳を突くノイズ音で僕は気が付いた。

「う〜ん」
(ここは・・・)

見覚えのあるテレビがそこにあった。初任給で買った12万円のテレビである。
画面は何も映し出されておらずノイズだけが響いていた。

(戻ったの・・・?)

僕は自分の顔を確かめようと洗面所に向かった。歩く身体がなぜかギクシャク
とする。真由美の身体に慣れてしまったからだと思うが股に付いているものが
邪魔なのでる。洗面所で鏡を見ると確かにそこには、少しやつれてはいるが、
昔の僕が居た。

(うぐっ・・・・・)
下腹部に鈍通が走った。
痛みの中心はどうやら股に存在する男性自身のようであった。痛みはなかなか
治まらない。僕はズボンとパンツを下ろして確かめたのである。

(あぁぁぁ)
ペニスこそ存在したが、その下にあるべき二つの玉が存在してなかったのである。
手術の跡が痛々しく残っていた。


「おい、晃!なにしてるんだ?」
男の声が後ろから聞こえて来た。
「腹が減ったぞ。早く飯を作れよ!」

「あっ、はい」
僕はパンツとズボンを上げながら、無意識のうちに答えていた。

「まだ、痛むのか?」
「少し」
「まっ、自分で決めたことだからな。我慢しないとな」

僕は頷いていた。

「お金を貯めたら、邪魔なやつも取り除こうや。笑」