演 題  分子表示プラグインによる英語版分子データ集の作成
発表者
(所属)
 本間 善夫(県立新潟女子短期大学)
連絡先 〒950-8680 新潟県新潟市海老ケ瀬471 県立新潟女子短期大学
 TEL: 025-270-0299 FAX: 025-270-5173
 E-mail: honma@muf.biglobe.ne.jp
キーワード 分子モデル,化学教育,plug-in(プラグイン)
開発意図
適用分野
期待効果
特徴など
 分子表示プラグインを利用してWeb上で800以上の分子モデルを参照できるデータ集の英語版リストを公開し,圧縮データをダウンロードすることによりオフラインでも利用できるようにした。
環 境 適応機種名 インターネットとChemscapeChimeが利用可能なパソコン
O S 名     
ソース言語 HTML
周辺機器  
流通形態
(右のいずれ
かに○をつけ
てください)
・化学ソフトウェア学会の無償利用
 ソフトとする
○独自に配布する
・ソフトハウス,出版社等から市販
・ソフトの頒布は行わない
・その他     ・未定
具体的方法

以下のサイトで参照および圧縮データダウンロード可能。
 http://www2d.biglobe.ne.jp/~chem_env/mol_db_w.html

1.はじめに
 既報において,多様な分子情報を表示できるプラグインのChemscapeChimeを利用したCD-ROM版分子データ集を付録とした化学啓蒙書1)の出版について報告した2)。CD-ROMに収録した1200以上のデータのうち,約800分子についてはWeb上でもリストを公開し,圧縮データのダウンロードも可能にしている。ここではそのリストの英語版を作成し,分子表示の変更を容易にしたフレーム版も公開したので報告する。

2.英語版分子データ集の作成と公開
 分子表示プラグインChemscapeChimeを利用したWeb版分子データ集日本語版3)はアクセス集計しているミラー版だけで,2001年7月末でページアクセスが10,000件を超え,圧縮データダウンロード数は950件(ソフトウェアライブラリVector登録版は734件)に達している。
 利用者数の増大を目的として,日本語の分子名リストを英訳してアルファベット順のデータ集とし,ページ上で分子データを含む圧縮ファイル(lzh,zip)のダウンロードもできるようにした(図1)。さらに図2のように,ボタンクリックで簡便に分子表示変更(スティック・球棒・空間充填モデルの指定,回転の開始・停止,元素記号表示,静電ポテンシャル・親油ポテンシャル表示など)ができるようにしたフレーム版も作成した。分子名の大多数は慣用名であるが,一部は系統名を付記したので有機化合物命名法の学習にも役立つものとなっている。

図1 分子表示プラグインによる英語版分子データ集のトップページ(圧縮データのダウンロードも可能).

図2 英語版分子データ集フレーム版の表示例(分子は calix[6]arene + C60).

 すでにWeb上の既存データベース4)により多数の分子モデルをChemscapeChimeで参照できるようになっているが,本分子データ集は薬物,農薬,香り分子など分子の形が特に注目される化合物を多く含んでいるほか,高分子についても繰り返し単位のほかに立体規則性を説明するデータ,あるいはダイオキシン類(PCDD,PCDF,PCB)の多数の異性体も収録しているため教材としても価値も高くなっている。今後はさらに図2のcalix[6]arene + C60のような複合分子など,分子のユニークさをアピールできるデータも追加していく予定である。

    参考文献・Webページ
  1. 本間善夫・川端潤,「パソコンで見る動く分子事典」,講談社ブルーバックス(1999).
  2. 本間善夫・川端潤,化学ソフトウェア学会年会'99研究討論会講演要旨集,p.54
  3. http://www2d.biglobe.ne.jp/~chem_env/bunsi_all2w.htmlおよびミラーで公開しているほか,圧縮データはソフトウェアライブラリVectorにも登録
  4. 例えば以下のリンク集を参照;http://www2d.biglobe.ne.jp/~chem_env/mdb_link.html


●本稿は化学ソフトウェア学会2001年度年会における講演208(2001/09/29発表)の要旨を,年会実行委員会のご了解を得て転載したもので,以下で発表後の追記を行う予定です(上記本文は加筆・訂正していません).

【発表後の追記】


化学ソフトウェア学会2001年会筆者のサイト