一羽の小さい蒼い蝶が

     風に吹かれて飛んでゆく

        真珠母色のにわか雨が

                きらきらちらちら消えてゆく



      そのように一瞬きらめきながら

         そのように風に飛ばされて

            しあわせがわたしに合図しながら

                    きらきらちらちら消えていった  


                                ヘルマン・ヘッセ 「蒼い蝶」