映画 capote |
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単に「映画」というよりまさに「作品」と言いたくなる、完璧なシナリオと俳優たちの演技。 カポーティの死後20年たってから、66年生まれの監督によってこんな伝記映画が作られるなんて、「アメリカ」という国もすごいなあと思う。 「凄惨な殺人事件の犯人を取材したカポーティに何が起こったか?」というようなわかりやすく単純な問いかけもその答えもなく、ただただ、「ああカポーティってこういう人だったんだな」と「感じる」。 そして、カポーティが殺人犯に共感して愛してしまったのか、ただ利用するためにだましたのか、そのどちらか、という白黒はっきりした解答がないのと同様、平凡に生きるわたしたちと他人との関係も、そのように曖昧で危ういものなのではないか、と思う。 ただそういう微妙さに鈍感であったり、自分の都合のいいように思い込んだりすることによって人間関係を楽にして、わたしたちは生きているのだろう。 映画は「冷血」が完成したところで終わるが、その後のカポーティの人生がどうなったかを考えると、彼と殺人犯がさらに重なって、エンディングのピアノ曲が、美しくも哀しい。
「ハリウッド映画にありがちな、観客の感情を引き出すだめのテクニックは避けて撮ったんだ。例えば、ここぞというシーンで音楽を多用するとか、僕に言わせれば安っぽいテクニックをね。
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