写真  安珠の行方  少女考

きのうNADiffで買った、写真雑誌3冊。

Natural Glow No.42 特集 安珠
DUNE 表紙 松井冬子
+ING 表紙 sachi


安珠は「少女の行方」等の写真も好きだが、文章もいつも「少女」にこだわっていて興味深い。

http://www.anju.jp/


今回の記事の中で、父を亡くしたことについて

「それは少女であることの証し、無条件の愛でいつでもわたしを待ち受ける滑走路、つまり少女に帰るための翼そのものを失いました」

と書いているのを読んで、なるほどそうか、

「少女とは、無償の愛しか受け入れないものである」

という定義を思いついた。

そしてそれは、「父」以外の存在からはけして得られぬものなのである。
その理を知らず他の存在からの「愛」を受け入れれば、いずれ傷を負う。それは必ずや「有償」だからである。

そして少女は少女であることをやめ、「愛」を受け入れ、相手になにがしかのものを代償にさしだすのだ。

それをしないで永遠の少女であるためには・・・鏡の中の自分を愛し愛され続ければよいのだ、自分にあった鏡さえ見つけることができれば。


雑誌には安珠の今までの代表作がほとんど掲載されているのだが、最後の、セルフポートレイトが、一番ぐっときた。

やはり、彼女の撮る他の誰よりも、「少女」なのだった。