本  「魔法」 C.プリースト

 

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4150203784

予備知識なしで読み始めて、SFなのかなーと思ったけどなんとなくすかっとせず、三角関係の話がしつこく続くのでメタファーか?と思ったら、なんとメタ小説オチ??。

ラストまで読んでも、いまひとつテーマがぴんとこないんだけど、主人公の恋人の女性が、元彼につきまとわれる話で、離れたいと思うのになぜかいいなりになってしまって、精神的に追い詰められていく描写が、興味深かった。


memo

ナイオールがどなりちらしながら脅しつけてくるのは嫌だったが、すくなくともわたしはそれになれており、ある程度の限界内なら、対処することができた。
本能にしたがったのか、工夫したのかはともかく、ナイオールは自分の気持ちをわからせる完璧な方法を見つけていた。
わたしをひとりでほうっておき、ナイオールがなにをしでかすか気をもませることで、わたしの関心をしっかりつかむことに成功していたのだ。
・・・・
ナイオールは頭がよく、悪辣な人間だった。自分の権益だとみなしているものを守るためにどこまでのことをするだろうか?
・・・・
ナイオールのわたしに対する執着は、仲間の被収容者が施設の外部へ通じるドアを開けようとしているのを目にし、自分はついていけないのを知っている狂人の、必死のしがみつきなのだ。