美術 「ベルギー王立美術館展」

国立西洋美術館@上野

http://event.yomiuri.co.jp/royal/

混まないうちに・・と雨の中いったのに、午前中でもけっこう人がはいっていた。

わたしはデルヴォーが目当てなので、さくさく見てまわる。

デルヴォーのは、あんまり大きくないけど、原画を見るとやはり迫力があっていいなあ。

そういえば行きの電車の中でとなりにすわった、お金持ちそうで上品な老婦人。
30分間ず〜〜〜っと、となりの友人に、人の悪口を言ってるのだ。
自分のだんなさんから始まって、あのおともだち、このおともだち、と、果てしなく、言葉はていねいでやさしく、「ほんとにあの人、困っちゃうんですのよ〜ほほほ」といった口調なんだけど、30分一人でずーーーーーーっと悪口。

まともに聞いてたわけじゃないけど、電車降りたときには実にいや〜〜〜な気分になってしまった、さすがに。
あの人は毎日毎日、優しそうに家族や他人に接しながら、心の中ではずっと悪態をついているのだろうか。
それじゃ自分が不幸だろうなと思う。


それにくらべてデルヴォーの絵の中の女たちは、なーんも考えず何にもとらわれず、着飾ったり裸になったり、気ままに夜の町を徘徊して、シアワセそうである。

自由でいいなあ〜と、デルヴォーの絵をみると、いつもいい気分になるのだった。
おばさんにうつされた毒気がおちて、よかったよかった。

今回は常設展もひさびさにじっくりみたくて、ロダンの彫刻等コレクションをみてまわる。

そうしたら、美術館の庭にあるロダンの彫刻を守るための免震工事に関する展示室があって、これが意外とおもしろかった。

http://www.takenaka.co.jp/news/pr9903/m9903_04.htm

「考える人」と「地獄の門」の模型(といっても1/5くらいで大きい)が免震台座にのっていて、スイッチを押すと、一番下の地面はかなりぐらぐらと揺れてるのに、ローラーの上にのった台座は、かすかに震動しているだけ。

これがビルの模型とかならよくあるだろうが、上にのっているのが「考える人」なので、なんだかおかしく、しかし技術はすばらしく、「おお〜これはすごい!!」と一人で受けてしまった。

揺れても揺れない考える人、これが今日一番の新鮮な感動。