『せたがやスタ研ニュース』2号【意見】

 厳しい実態改めて浮き彫りに

 研究会参加の動機

 スタンプ研究会に参加した動機は何か。第1回、第2回の研究会での自己紹介、意見交換から要約した。
 「長年やっているが、売り上げも加盟店も減少傾向」、「きちんとスタンプを出さない加盟店が多く悩んでいる」、「魅力のあるイベントを打ちたいが、企画運営にあたる役員が少なく、特定の役員に負担がかかり、大変」といった現状報告が圧倒的に多かった。

■加盟店増強やお客に集めてもらう方法勉強したい 中里通り振組
 
商店会会員は約120店だが、スタンプ加盟店は 店で増えない。どう加盟店を増やし、おつきあい的な店を減らすか、お客さんが積極的にスタンプを集めるようにするにはどうすればいいか、をこの研究会で学びたい。

■加盟店増強と個店回収の比率を高めたい 下高井戸振組
 
昨年春に、黒潮市場という生鮮食品を核とする強力な商業集積が商店街内にできたが、スタンプのおかげで、加盟店の売り上げは維持できていると思っている。
 問題はスタンプ加盟店が60店ほどで全体の4分の1程度しかないことと台紙の個店回収の比率を高めること。

■入れてほしいと言われるスタンプにするために 尾山台振組
 
加盟店を増やすのが大きな課題。それもおつきあいでなく、「入れてほしい」と言ってこられるようなスタンプになるよう努めている。その参考になればと思っている。

■おつきあい的参加店対策を研究したい 明大前振組
 
明大前駅地区の4商店会の有志で発足したスタンプだが、早くスタートさせ、加盟店を多くするために、無理して加盟してもらったこともあり、「スタンプ加盟店」の認識が甘い店もあり困っている。対策を勉強したい。

■地道に、コツコツ続けたい。マンネリ打破を 東深沢振組
 
小さな商店街なので、お客様に常に買い物に来ていただくために、地味でも小さなイベントをコツコツやっていくということをテーマにしている。ただ、マンネリ傾向は否めない。打開を勉強したい。

■加盟店のスタンプ離れ対策を勉強したい 経堂恵泉通り振組
 
スタンプは停滞している。「何とかしよう」と話し合おうとしても、集まりも悪いし、盛り上がらない。お客さんではなく、加盟店自身がスタンプ離れを起こしているように感じる。何とかしたい、と参加した。

■魅力あるイベントの創造で再生させたい 喜多見振組
 
私たちのスタンプは、ダイヤスタンプよりも古く、「烏山がスタンプを始める時に、視察にきた」という話も聞いている。問題は、その後の歴史。
 スタンプを伸ばすには、まず魅力あるイベントをつくりあげること。それが、消費者にも加盟店にもインパクトを与えるのではないか。

■加盟店の意識啓蒙や楽しいイベントの参考に 松陰神社通り松栄会振組
 
96年4月から毎週土曜に全店2倍セールを始めるなど努力はしているが、参加しなかった店が、「スタンプ入った店もそれほど伸びていない」と安心
し、加盟店の中にも「売り上げは増えない」ということで出し渋る店が出てきた。加盟店の意識啓発や女性からみても楽しいイベントをやりたい。そのためのヒントをこの研究会で得たい。

■最低割り当て達成できない店もあり、何とかしたかった 経堂振組
 
一生懸命取り組み成果をあげている店もあるし、スタンプを景品に扱う地元の信用金庫も出てきたが、全体としてのスタンプ発行は低迷している。
 加盟店には最低月6000円分のスタンプ購入を義務付けているが、達成せずに休む店も何店かある。何とかしたいと参加している。

■周辺商店会有志でまとまり、魅力つけたい 八幡山振組
 
当会のスタンプ事業は、加盟店数も少なく、小規模。一方で八幡山駅周辺にはいくつか商店会があり、それぞれスタンプをやりたいという方々もいる。それで、駅周辺の有志が1つの組織でやれれば、という期待もある。

■加盟店数減少、イベントのマンネリを解決したい 二子玉川振組
 
歴史はかなり古い。昔は香港招待もやったという。加盟店数も多い時は80数店あったが、現在は20数店。発行額も少ない。イベントのマンネリ化、スタンプ発行の消極化を解決したい。

■スタンプ 周年の記念イベントを充実させたい 千歳船橋参商会振組
 
前回出なかったため、皆さんの話をお聞きして会に持ち帰りたいと今日は7名で参加した。
 私共の商店街はスタンプを始めて30年になって、記念イベントを計画しているが、今日チラシをいろいろ見せていただき、もう一度練り直さないといけないなと感じた。

■区商連青年部充実につながるスタンプ研究会 区商連青年部長 石川稔
 
区商連青年部の月例会では、いつもスタンプの悩みとか事例などの話が出て、この問題でかなり時間をとる。
 しかし、スタンプだけでなく、もっともっと青年部がどうあるべきかということを議論していただくことに時間をとり、スタンプは別の枠で意見交換をしてほしいと以前から思っていた。たまたまスタンプ研究会に予算がいただけたということで、ありがたい。
 今度は36の商店街に呼びかけて、自慢話や悩みを聞かせていただき、意見が分かれたら分科会にして、そこで発表していくということでもいいのではないか。貴重な皆さんの意見をいただいた。この研究会のあり方については真島さん、樋口さんと話をまとめていきたい。

■今年の研究会は行動の年に、区も側面から支援 区商工課商業係 真島将算
 
スタンプ研究会の担当者として、昨年1年間お手伝いさせていただいた。
 2年目の今年度も区として予算を取り、青年部を中心に親会や婦人部の皆さんにご協力いただきながら、行動の年になるように皆さんをお手伝いしていきたいと思っている。
 区内でスタンプ事業を行っている商店街が36あるが、今日のように一堂に会したことは今までなかった。これをいいきっかけとして、区内でもっともっとスタンプ事業が普及拡大していくことを期待したい。

個々の店がお客とスタンプの話をすることから
中里通り振組 徳世則子さん(96年8月9日の第1回研究会より)

 今集まっている商店街の皆さんにお聞きしたい。お客様に「スタンプを使って欲しい。メリットがある。イベントに使える」などという前に自分自身が商店街のスタンプを集めているか、そしてスタンプを使って買い物をしているのかどうか。私はいつも疑問に思っている。
 お客様の立場に立ってきちんと説明をしているかどうか。「要らない」という方もいるが、その時に、「3万2000円(同振組では1万6000円でプラス500円の買い物ができる。銀行に預金しても金利が安いからこちらのほうが得」。私はそういう説明をする。そうすると、「スタンプを集めると得、という意味が初めてわかった」というお客様がいる。
 確かに「夕方は忙しい、大根1本、魚2切れという時にそんな説明は無理」という店もある。しかし、忙しい時ばかりではないはず。個々の店がきちんと説明をする。そういう一つ一つの積み重ねがスタンプ事業を発展させるのだろうと、主婦の立場から常々思っている。
 うちは電気屋なので、生鮮品の店と比べれば来店客は少ない。少ないからこそ来てくれたお客様を大事にしたい。電球や電池など、お客様が持って帰って下さる商品は常にスタンプを2倍にし、買ってくれたお客様には、「うちでこういう商品を買ってくれると2倍」という説明を必ずしている。そういう小さなことからやっていかないと、大きなイベントを組んでも浸透していかない。「コツコツ集めるのが楽しい、孫が喜んで貼ってくれる」というおばあちゃんの声なども聞く。話をするからこそ、そういう声を聞くことができる。
 個々の店で、時間がある時には、お客様と真剣にスタンプについて話し合う。そうすればそういう声が必ず上がってきて、伸びていくと思う。ただ漫然と出したり、出し惜しみをしていては、絶対に発展しない。
 ヘソクリと同じで、20冊集まって1万円になった時には、自分の洋服を買う足しにしようとか、家族で豪華にス
テーキを食べようとか、うちでは、そういうことに使っている。
 そういう話を女の目ということで語り合っていかないと、いくら男性がこうやるああやるといったって、話は発展していかないと私はいつも思う。
 今は、デパートでもポイントカードを始めている。商品と値段が同じならきれいなところに買いに行ってしまうだろう。
 商店街に戻ってもらうためには、やはり年に何回かのイベントを打ち、倍セールをやる。私共の商店街では、年2回5倍セールをやる。そういう場合に、待っていたように見えるお客様がいる。これで抽選会に参加して5000円、1万円当たったということになればやみつきになる。そういうお客様がうちの店には何人もいる。
 そういうことを話し合っていかないと、いくら組織云々と言っても伸びていかない。女性の意見もどんどん取り上げていただきたい。

  2号目次に戻る  バックナンバー一覧に戻る  スタ研トップに戻る  HOMEに戻る