『せたがやスタ研ニュース』27号

転機のスタ研1  参加者の声から今後の方向を考える
 「意義ある存在だが、マンネリ傾向も」
 「テーマ決め、結果を求めるものに」

 区や区商連の支援を受け、95年度から始まったこのスタンプ研究会もまもなく6年間が経過する。初年度は、区内商店会のスタンプ実態調査やスタンプデザインコンクールなどを実施した。96年8月から全体会を月例で開催するようになった。事業の担当役員が集まり、情報交換するということは画期的なことで、毎回30〜40人が参加した。
 その後、『スタ研ニュース』の創刊、映画館やボウリング場・ホテル食事券・観光地のホテル・ペンションなどがスタンプ(ポイント)で利用できるサービスの導入、メーリングリスト(ML)の開設など、スタ研は着実に事業を充実させ、意義のある組織になっていることは多くの会員が認めることだろう。
 だが、最近は全体会の出席者が平均15人程度に減少、情報交換もマンネリ気味になっている。出席者が増えるのはスタンプ活用店経営者らを招いての講演会などに限られている。
 このままでいいのだろうか? 今後のスタ研の方向性について、運営委員会や全体会では議論を重ねている。まだ明確な結論は出ていないが、これまでの主な意見をまとめてみた。 [H]

■全体会も考え直す時期 スタ研・田中代表
 同じ商店街の同じ人が何年も報告すればどうしても同じような内容になる。イベントの内容なども、年度によってそれほど変わるものではないし。
 その意味では、全体会も考え直す時期にきているのかもしれない。
 スタ研に限らず、いろいろな会の出席者が減っている。全体的に経営環境
が厳しくなり、会合に出る精神的な余裕がなくなっている面もあるのでは。
 

■新人を商店街に入れるには 東深沢振組・中村氏
 商店街の役員は特定の人に集中。若い人が青年部や商店会活動に参加しなくなっている。積極的に出す親も減っている。どう新人の参加を増やすか。
 店のこと、地元の活動優先で、区全体の会合などには出席しにくいということもある。会合には出席できなくても、インターネットや機関紙で情報交換できる仕組みがあればいい。

■勉強になる講演を多く 三軒茶屋振組・笠井氏
 今年度は立川のお茶屋さん(狭山園)や烏山の桑島(隆子)さんの講演があったが、勉強になった。このような講演を多く開くことでやる気になる会員が増えるのでは。

■結果の出る情報交換を きぬた本村振組・渋沢氏
 今までの全体会は、それぞれの会の活動や状況についての報告が中心で、「ではどうする」という研究の要素が少なかった。今後は、「どうしていくのか」という方向性を研究することに時間をかけるべきではないか。
 例えば昨年11月の全体会で、尾山台(商栄会振組)の安藤さんが「イベントは何のためにやるのか」という問いかけをしたが、そういう問題提起のあった時には徹底的に議論をしたい。
 言い放し聞き放しではなく、結果を求めるような情報交換を期待したい。
 具体的には、「うちはうちのやり方で」という非加盟店をどう説得するか、「毎月1万も2万もスタンプに出すなら、独自のサービスをしたほうがいいのでは?」という加盟店をどう説得するか、という問題など。

■地元での普及策を 下高井戸振組・上保氏
 結果の出るような情報交換を、という意見は、渋沢さんと同じ。
 それと、スタ研で勉強したことも、地元に戻るとなかなか広げられない。これは多くの商店街に共通する問題だと思うので、重要なテーマの1つになるのでは。

■活性化策を学びたい 中里通り振組・徳世氏
 スタ研は非常に勉強になり、共同事業も役に立っている。ただ、商店街自体が厳しい状況で、スタンプの売り上げも大幅に減少している。
 いかにして商店街、個店の元気をつけるか。スタンプを活用して販売促進につなげられるかを勉強したい。

■先進団体役員の話を 祖師谷振組・上田氏
 
うまくやっている商店街の方がいたら、視察に行ってでも話を聞きたい。お客さんの求めるイベントと加盟店の求めるイベントの食い違いがあまりにも大きい。

■テーマ絞り、集中的に 区商業課・角田氏
 全体会の参加者が減っているのが気になる。皆さん、忙しくて、なかなか難しいとは思うが、ある程度期間を決めて、テーマを絞って集中的に勉強するのもいいのでは。

■完結する全体会に スタ研事務局・岩切氏
 毎月1回という全体会の開催スタイルにこだわらず、2〜3週間の間に5〜6回開催したりする月があってもいい。「ただ定例会を開く」のではなく完結する(結論を出す)ことが大切。1回で終わらないような重要なテーマは短期集中的に開催した方が効果的。一方で、何もない月があってもいい。
 また、現在のスタ研メーリングリストはお知らせが中心となっているが、会員同士のやりとりももっと活発になるように持っていきたい。

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