スタンプ&ポイントカード実績調査結果要旨
 2001年度の動き
 
*2001年4月〜2002年3月まで

・2001年度全体の数字やイベントなどの詳細は『商店街通信』48号に掲載
・2001年4月〜9月は47号
・2001年10月〜2002年3月は48号

■概況
 01年度は、00年度に続き厳しい年度だった。
 製造業や農業を中心とした産業空洞化とそれに伴う失業者の増加、財政赤字の進展・日本国債の格付け低下、解決しない不良債権問題、デフレ現象など日本経済・社会の構造的問題の未解決、そして、01年秋のアメリカ同時多発テロとアフガン報復、狂牛病問題、さらには長期の政治迷走などが重なったためだ。
 商業界でも、大手スーパーや専門店チェーンで破綻が相次ぎ、前年まで破竹の勢いをみせたユニクロの失速など暗い話題が目立った。
 一方で、業績を復活・維持・向上する企業もあることはある。
 地域商業も同様だ。郊外型商業集積の増加など競合激化、有力店の廃業・スタンプ取り扱い中止などに加え、最近はポイントカードを扱う大中型店、専門店チェーンの増加で、スタンプやポイントカードを実施しているというだけでは、差別化しにくくなった。

■発行回収状況 
【発行】
 発行額増加4団体12%、減少22団体65%

 発行額が前年比4%以上増えた団体は、33団体中4団体12%(00年度は6%)なのに対し、減少した団体は22団体65%(同84%)。
 発行額全体では8%減(同10%減)。
 協組浜田スタンプ会の34%増は組合補填の3〜5倍セール多発、発行額2位と3位の店の経営危機などで、多くの店が危機感を持ってポイント事業に取り組んだことなどによる。
 土手町振連の25%増は、スタンプの扱いをやめていた地場大手の中三百貨店の食品売り場が00年秋から、加盟店のスタンプ負担率を2%から1.3%に引き下げることで再開したことが主因。
 協組人吉商連の10%増は、有力食品スーパーのポイントと同商連のスタンプ満貼り台紙の交換増加が主因。
 烏山駅前通り振組の24%・6400万円減は、事業開始以来初の落ち込みとなった00年度(16%減)に続き2年連続の落ち込み。要因は複合的だ。
 第1は、年間4000万円近くのスタンプを発行していた発行額2位の有力店が01年5月から自社独自のポイントカードに切り替えたこと。
 次に、不況と競合激化。地域内では、数年前の開店当初は客数もそれほど多くなかったスーパーのライフが地域に合った品揃えや売り方を展開し、客数を増やし始め、元気を失っていた西友が勢いを盛り返してきたことなどで、食品スーパーや生鮮食品店など多くの有力加盟店の売り上げが減少した。
 また、隣接の調布市仙川地区に若い世代、家族連れを吸引するロードサイド型の商業集積が発展したことも烏山の集客力に影響した。
 そして00年歳末から、それまで加盟店の負担率3.5%だった夏と歳末の特別スタンプを通常のスタンプと同じ2%に下げたことで、01年夏の特別スタンプ発行額が前年より1000万近く減少した、ことなどによる。
 直方スタンプ事業協組の25%減も、消費低迷・競合激化のほか、有力店の廃業・大幅売り上げ減がこの数年相次いだことによる。
 
【回収】 
 回収額増加6団体18%、減少19団体56%

 回収額が前年比4%以上増えた団体は6団体18%(00年度は25%)、減少した団体は19団体56%(同69%)。
 回収額全体では7%減(同10%減)。
 協組掛川商店連盟の39%増は昨年8月にスタンプの有効期間切れを迎えたことで駆け込み交換の増加が主因。
 
■その他の動き
s専連との提携カード
 土手町振連は、日専連弘前会と提携、「日専連土手町カード」を発行している。消費者が同カードで買い物すると、100円につき1ポイントがつく。この分は日専連が負担する。
 同カードの会員は約3000人で、ポイント発行額は年300万円程度。

c|イントカード機器の更新
 佐世保福栄会協組と松葉町商店会協組は、老朽化に伴い昨秋、ポイントカード機器を更新(共にオンライン)。松葉町商店会協組はこの際、加盟店の負担率を1.5%から1.35%にした。施したことが主因。 

auスルッとKANSAI」など常時交換に人気
 小阪スタンプ会では、数年前から近鉄電車のプリペイドカード(現在はJR以外の私鉄共通の「スルッとKANSAI」)など常時交換の人気が高まっている。01年度は、台紙回収のうち、25%が常時交換。スルッとKANSAIの場合、3000円分を台紙5冊=2500円分と交換するのでプレミアム率は20%だが、それよりプレミアム率の高いイベントよりも利用が多い。
 会の事務所でいつでも交換できること、集めたスタンプを実用的なものに使う消費者が増えている結果。
 同会では今後も、イベント経費を減らし、常時交換に力を入れる方針。

v椏_カードの受け入れ先を拡大
 協組あたみシール会は4月から、タクシー業界、旅行代理店、飲食店7店、ガソリンスタンド5社6店など、組合員以外の事業所でも、協賛店として満点カードを使えるようにした。

rc体での収集にプレミアム
 協組人吉商連が小中学校・保育園、子供会、町内会、婦人会などの団体が集めたスタンプを交換する場合は、通常500円を600円で換金する。年間の交換冊数は400冊程度。

lツ店の経営充実を支援
・土手町振連は、店頭ディスプレイで専門家を招いて講習会や希望店への出張指導を実施している。
・協組浜田スタンプ会は、02年度も引き続き、逸品運動を実施する予定。商品開発や各種サービス、ディスプレイなど、個店の充実を図る。

mD評のいきいき健康セミナー
 春日部市商業協組がメーカー、薬局・ドラッグストアの協力を受け実施した。

bP店逸品運動
 協組浜田スタンプ会が、商工会議所の支援を受け今年度事業の主要事業として取り組んだ。6月に静岡市呉服町振組の池田理事を招いて講演会を開催したほか、各店から自店の強み(逸品)をシートに記入してもらい、それをもとに広島市のコンサルタント会社「成研」に巡回診断を委託、11月には店頭ディスプレイの講習会を開催。12月にはその成果を逸品チラシとして表す。

bdメールでの応募者に景品
 立川市の羽衣振組シールでは、歳末売り出し期間中、初の試みとして、ホームページ(立川市商連開設の中に同振組のHPがある)に、Eメールで応募した中から抽選で景品を進呈する企画を実施した。

cGコバッグ
 烏山駅前通り振組は、1月に資源節約を目的に、買い物袋4000個を制作、スタンプ台紙1冊または現金1000円と交換中。
 
bgP開設
 廿日市さくらシール会は、02年4月にHPを開設した。

■イベント
c宴梶[
・協組神辺わかば会が、9月15〜24日の10日間、3年ぶりにスタンプラリーを開催。
ラリーの参加方法は、加盟店(85店)やサービスポイント(町立図書館、歴史資料館、事務局などを)訪れ、買い物やアンケート回答などをして、ラリー台紙にそれぞれのゴム印を押してもらう。その押印数に応じて、わかば会のスタンプを進呈。ラリー台紙は14日の新聞折り込みで配布した。
 参加店の押印基準は、目安を500円としたが、各店の創意工夫に委ねた。
 前回は100円以上としたため、パーフェクト賞を目当てに、「いつも買っているんだから」と買い物なしでの押印を要求するお客がいたり、また、100円以上ということで特別な品揃えをするなど苦労した店が多かったという教訓を生かした。
 結果は、85ポイント以上がパーフェクト賞でスタンプ1万枚進呈で42名、55〜84ポイントが3000枚で31名、35〜54ポイントが1000枚で32名、20〜34ポイントが26名、合計131名(前回の参加者総数は220人でうちパーフェクトが130人)。景品131万円、チラシ25万円。
 同協組では、ラリー実施にあたり、「いかに個店として活用するか」について2回の加盟店勉強会を開催したほか、終了後、加盟店・消費者双方にアンケートを実施した。

biAと市民農園を運営
 (株)アクティブモコは 年4月 日から、JA青年部と協力、2ヘクタールの休耕田を借り、1区画 平米を満点カード5枚で先着 名に1年間貸し出し、残りを自分たちで耕作、無農薬の野菜づくりなどを行う。

  実施年度一覧に戻る  HOMEに戻る