スタンプ&ポイントカード実績調査結果要旨
 1998年度の動き
 
*決算月は会により異なりますが、本調査では、98年4月から99年3月までの1年間としました

・98年度全体の数字やイベントなどの詳細は『商店街通信』41号に掲載
・98年4月〜6月は39号
・98年7月〜12月は40号
・99年1月〜3月は41号

■発行回収状況
【発行】
 発行額4%以上増加は8団体24%(97年度は16%)、4%以上減少は16団体48%(97年度は58%)。発行額全体では1%減(97年度は4%減)。
 日本経済の低迷が続いたことで、スタンプ・ポイントカード(以下、スタンプと略)の発行額が減少した団体が昨年に続き大きく上回った。
 (株)アクティブモコの29%増は、98年3月に開店したショッピングセンター、エピスクェアの寄与が大きい。
 松葉町商店会協組の28%増は、前年度の落ち込みが大きかったことへの反動という要素が強いようだ。
 オホーツクカード事業協組の21%増は、3年目を迎えたカードの浸透が主因。
 春日部市商業協組の20%増は今年の3月25日にポイントカードシステムを更新したことに伴い、ほぼ全店が3月中に新ポイントを購入したことが主因。
 丸亀中央振連の32%減は、商業環境の激化が大きい。

【回収】
 回収額4%以上増加は13団体39%(97年度は48%)、4%以上減少は14団体42%(97年度は32%)。回収額全体では7%減(97年度は2%増)。
 発行額は1%減とほぼ横ばいだったのに比べ、回収額が7%減と落ち込みが大きかったのは、97年4月の消費税増税で、その前にかけ込み的需要が大きかったこと、キャンペーンを実施した会が多かったことで、97年1〜3月に発行額が大幅に増えた会が多く、その分の回収が4月以降に増えたため、97年度の回収額が増え、98年度はそのような要因がなかったためと思われる。
 直方スタンプ事業協組の32%減はその代表例。
 大間々町商業協組の72%減は、前年度に、システムの変更をしたため、回収額が跳ね上がったことへの反動が主因。協組草津スタンプ会の43%減も同様の理由。
 オホーツクカード事業協組の108%増は、カード開始3年目を迎え、ポイントがたまってきたことで、使う消費者が増えたことが主因。

■主な動き

tュ行条件変更
 98年4月に、烏山駅前通り振組が320枚から350枚に、(株)アクティブモコが、300枚から400枚に変更。土手町振連は98年10月にポイント及びスタンプの最低交換単位を300枚から350枚に変更。
 春日部市商業協組は99年4月から、従来300 ポイント(枚)だった、ポイント(スタンプ)の最低交換単位を400 ポイントとし、併せて、スタンプの発行を停止した。

cJード化、及びカードシステムの更新
 串本リリースタンプ会協組は98年7月からスタンプを印字式カードに切り替えた。 烏山駅前通り振組は、老朽化したICカードシステムをリニューアルし、プリペイド入金も加盟店でできるようにした(スタンプは従来通り併用)。
 春日部市商業協組は、スタンプの発行を停止し、ポイントカード機器とカードのデザインを変更した。カードは従来と同じ使い切り・印字式。メーカーは日本カード(株)にした(従来はグローリー工業)。また地元の教育や福祉関係の団体で、使用した満点カードの一部を切り取り、50枚ためると500 円の商品券として使えるサービスも開始した。

cXタンプ発行停止
 津幡町販売事業協組ではポイントとスタンプを併用しているが、99年3月末でスタンブの発行を停止する。カード導入以後、まもなくポイントが99%を占めていた。回収はしばらく受け付ける。

qg織の広域化
 98年10月から新潟県佐渡郡8町のうち4町のスタンプ会が一本化し、佐渡トキスタンプ会を結成、今年3月までの半年間に1729万円とそれまでの実績を大きく上回る成果をあげている。
 広島県竹原市では99年4月から、全市共通のスタンプが発足した。
 消費者への利便、運営面のメリットなどから、広域化の動きは今後のありかたの一つとして注目される。

nゥ動電話調査システムでスタンプの認知度、利用状況を調査
 協組下館専門店会は10月に、同市と真壁郡4町1村の電話帳から9000人をアトランダムにピックアップして、オートコールシステムというコンピューターによる自動電話調査を行う。調査自体は専門業者に委託する。調査項目は、年代、性、スタンプの認知状況、収集状況などを予定。回答者には粗品を進呈する。
 調査の目的は、同会のスタンプを知っている人や集めている人がどの地区にどの程度いるのかを知り、加盟店への支援指導に生かすこと。

wL効期間半年の共通商品券を発売
 大島町トライスタンプ会6月1日から有効期間半年の共通商品券を発売。額面は500 円のみ。販売所は事務局のみ。有効期間は発売から半年(前払式証票の法律に該当しないため)。利用はスタンプ加盟店全店。

iチ盟店アンケート実施
 神辺わかば会は、会への希望、スタンプの効果・活用状況などについて加盟店アンケートを実施。63店中59店が回答。会のイメージとしては「活発」「明るい」などが多い。加盟した効果は、「まあ役に立っている」が58%、「どちらとも言えない」24%、「非常に役立っている」20%など。

qS国スタンプ・ポイントカード実態調査まとまる
 大阪府スタンプ会連絡会が全国約1200の団体を対象に調査し、20%強の回答が
あった。詳細は、(財)大阪商業振興センター(電話06・6947・4331)まで。

mL島県竹原市で全市共通スタンプ会発足
 4月1日から、『竹原スタンプ会』が発足した。加盟店は約90店。スタンプの加盟店負担は1枚2円。台紙に350 枚貼ると500 円として使える。それに伴い、竹原駅前通り振組が実施していたスタンプの発行は中止する。

mD調な佐渡の4町村一本化スタンプ
 昨年10月から佐渡郡の4町村のスタンプ会が一本化した佐渡トキスタンプ会は、今年3月までの半年で1729万円(ポイントとスタンプ)を発行、前年の4町村スタンプ会合計発行額の150 %増と好調なスタート。

p_辺わかば会が協同組合化の設立総会
 協同組合化の目的は、共通商品券事業実施などのため。設立総会は5月29日、桑島俊彦氏が記念講演。

rn域振興券がらみのキャンペーン各地で
 烏山駅前通り振組では、振興券有効期間中、振興券での買い物にスタンプ5倍を進呈している(4倍は組合負担)。厚商スタンプ会、(株)アクティブモコ、こほくん商業協組、串本リリースタンプ会協組、協組人吉商連でも、振興券での買い物に抽選券を進呈、当選者には商品券を進呈するなど、大半の会が何らかのキャンペーンを実施した。

■イベント

qS店2倍セールを毎月5、15、25の日に
 神辺わかば会は、98年7月から、それまで一定していなかった全店2倍セールを毎月5、15、25の日とし、同時に、会員の発案で補助率を前年実績の1倍分から、50%とした。

v週火曜に3倍セールしたが売り上げは同じ、コンサルタントの指導で元に戻し経費増をなくした
 あるスタンプ・カード会では、98年4〜6月、7〜9月の発行額が連続して15%以上落ち込んだ。理由は最大の発行店(1店で全体の4割前後を発行する食品スーパー)が郊外に出た大型店対策として、毎週火曜日に3倍セールを実施した。しかし、1年間やって、月〜水曜日の3日間の売り上げは殆ど同じ(トータルで2%滅)だったため、「経費だけが余計にかかった」と、顧問のコンサルタントから、販促経費の削滅と仕入れの見直しを指導されたため。
 「1週間に1回でも3倍サービスをしたから、売り上げをほぼ横這いにできた」という判断ではなく、あくまで「通常に出して1日15万円かかるポイント経費をなくすほうが効率的」というのがコンサルタントの判断のようだ。

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