| No.036 | 投稿日時: | 2003/02/08(土) 01:10 <↑親記事:No.035> |
| 投稿者: | 山本太郎 <E-Mail> <URL> |
あの印刷標準字体には疑問点が多くあります。
「いわゆる康煕字典体」とかを規範にするといいつつ、筆返し(「文」の3画目に、明朝体の場合附属している起筆部の筆の返り)を無くしてしまったりしています。
また、なぜ漢民族の手による他の字書を検討することなく、単純に満州族の清朝が作った康煕字典を規範にするのかも説明がありません。
手書きや木版の刊本からの歴史的流れのなかに明朝体の字体もまた形成されているわけなので、日本に通行した活字書体だけを調査対象として活字の字体を論じることができるとも思えません。現実にはかなりの差異と多様性を含む形で字体は存在していると思います。
要するに、表外漢字字体表を発表することが自己目的化してしまっているといえるでしょう。それが仕事だからです。そして、JIS改定は表外漢字字体表で例示字形を置き換えることを自己目的としているのです。それが仕事だからです。
誰もその影響や内容については深く考えているように見受けられません。
山本