CELIA CRUZ


   
CELIA CRUZ
CON LA SONORA MATANCERA
CUBA'S QUEEN OF RHYTHM

(1992 SEECO SCCD-9101)
ラテン界の女王といえばこの人。1924年キューバ生まれというから1956年録音のこのアルバムは20歳台前半の油の乗りきったヴォーカルを聞くことができる。演奏は名楽団 SONORA MATANCERA(ソノーラ・マタンセーラ)。そこの看板歌手として歌っていた彼女は1960年キューバとアメリカが国交を断絶する直前にアメリカに渡り、以後はニューヨークを中心に活動することになる。サルサのルーツであるアフロキューバンの伝統をしっかり受け継いだラテン界に君臨する文字通りの大歌手である。
1曲目はなんと「ロックンロール」(笑)。ZEPではありません。念のため。ラテンのアルバムではリズムの種類をアルバムに記載している例が多く、勉強になるのだが、この曲のリズムは「グァラーチャ・ロック」というらしい。「ろ・ろ・ろっかろーりん」のフレーズではさすがに「ろ」が巻き舌になっていておかしい。その他#4「Me Voy A Pinar Del Rio」などではすでに貫禄さえ感じさせるヴォーカルがすごい。たぶんそれまで発売された曲を収録したベストアルバム。

このアルバムの腰振り度は





   
CELIA CRUZ
CON LA SONORA MATANCERA
Canciones Premiadas de CELIA CRUZ

(1990 SEECO STR 90510)
録音の日付のクレジットがないので録音年がよくわからないが、このアルバムでも名手ソノーラ・マタンセーラの軽快な演奏に乗って実に気持ちよく歌っている。#11「Vamos A Guarachar」が上のアルバムとダブっている。それにしてもこの輝くような存在感に満ち溢れたヴォーカルはまったく素晴らしい。またバックを担当しているソノーラ・マタンセーラのトランペットによるコール・アンド・レスポンス、そしてパーカッションがこのアルバムの個性を演出している。

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CELIA CRUZ
CON LA SONORA MATANCERA
La Incomparable CELIA

(1990 SEECO STR 90506)
いつ聞いても耳に心地よくなじむのは何故なんだろう。決して美しいとはいえないが、伸びのあるどっしりした安定感のある声がクセになる。そして#4「Madre Rumba」で聞かれるソノーラ・マタンセーラのコロとの絶妙のコンビネーションがこのアルバムでの聞きどころか。ちょっと鼻にかかった一度聞いたら忘れられないコロがセリアのヴォーカルに絶妙にからんでいる。上の2枚とほぼ同時期の録音でこの3枚はどれをとっても外れはない。

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La Musica De Ayer
CON EL Sonido De Hoy
HOMENAJE A LOS SANTOS

(TH RODVEN CD-136)
上記とは全く趣の違う一枚。これはセリアのサンテリア集ということでジャケットからして宗教色があふれている。サンテリアとは黒人奴隷がアフリカから持ちこんだ宗教とカトリックが混合して土着化したもの。アルバムの内容は暗い感じの曲が多い。中に上記のアルバム収録曲が含まれてはいるが全体的に暗いイメージのアルバムである。

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THE WINNERS
CELIA CRUZ & WILLIE COLON

(1987 FANIA PCCY 00185)
1987年リリースのこの作品は WILLIE COLONとの共作である。1曲目はいきなり打ち込みのリズムで始まる。この当時(80年代)はこういう音が世界的にはやっていたのだ。これはサルサのアルバムにしてはちょっと異質な感じであるが歌が始まるとその声は CELIA CRUZそのものであるというのがうれしい。2曲目以降は WILLIE COLON独特のトロンパンガのホーンに乗ってのびのびとしてかつ安定感あふれる CELIAの歌声を聞くことができる。手元の資料によると、CELIA CRUZとWILLIE COLONの競演は本アルバムで3枚目になるらしい。初共演は77年、2作目は81年ということだ。CELIAはいろんな人と共演していて、ティト・プエンテとかレイ・バレットとかの競演アルバムが有名だが、そういう側面から彼女のアルバムを聞いていくのもひとつの楽しみだ。

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IRREPETIBLE
CELIA CRUZ

(1994 RMM CDZ-81452)
RMMレーベルから1994年にリリースされた作品である。EXECUTIVE PRODUCERに RALPH MERCADOの名前がある。この人好きです。
それにしても CELIA CRUZのこのパワーはいったいどこからくるのだろうか。相当な年齢のはずだが、その歌声に衰えは全くない。それより、RMM系独特のビシッと締まった今風の演奏に真っ向から勝負を挑んで見事に勝利している。すごい。AZUCAR!

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注:画像はそれぞれのCDジャケットから引用しました。


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Masanao "Maa" Shimizu (C) 1998