ノーブルレッドの瞬間/もう一度走って恋人よ

(1986.8.14)CBS・ソニー

【レビュー】

 レビュー (「特選 今月の一枚」 01年8月 ピックアップ)
 国生さゆりのシングルとしてはそんなに多くの人に支持されている曲ではないけれど、秋晴れの休日のドライブにピッタリの曲だ。「カネボウ'86秋のキャンペーンソング」として国生自身も出演していたCFでも使われていたので耳にした方も多いだろう。

 それまで少し勝ち気なイメージの曲が多かった国生だが、この曲ではしっとりとした大人の雰囲気で歌いあげている。夏に「ときめいて燃えた愛」がすこしつづ秋が近づくにつれてしだいに「黄昏」ていくという恋人同士の歌だが、綺麗な想い出を残すよりも「最後に接吻」をして「綺麗に忘れるわ」という歌詞はやはり国生らしい。

 アレンジャーには御存じ佐藤準を起用していて、アレンジで一部ストリングなども使用しているのだが、もっとアコーステックな雰囲気があっても良かったのでは?と思えなくもない。

 ちなみにこの「ノーブルレッド」は「気高く美しい」といった意味がある。この歌の歌詞からみても、「あなたとのこの一瞬を大切にしたい」と思う気高い気持ちが「ノーブルレッドの瞬間」なのではないだろうか。【Yuusuke】