前作の「SUMMER SNOW」でもそれらしい雰囲気はあったものの、89年10月に発売されたアルバム「さかな」には少々驚かされた。それは、この「さかな」では「女優が歌を歌ったら」というふうな作りになっていたからだ。全編「歌っている」のではなく「演じている」ように聴こえる。少なくとも僕にはそう感じたのだ、、 、。 内容は6曲入りのミニ・アルバムで、彼女自身が作詞を手掛けた「さかな」と「部屋(ルーム)」をはじめ、ボサノバやレゲエ、はてはドタバタコメディー風の曲もあり、等身大の国生さゆりをギュっと絞ってそのまんま詰め込んであるのがこのアルバムである。 今、聴いてもあまり古臭さは感じられないので、今までに聴いた事がなかった方にも機会があれば、是非一度聴いて頂きたい。 「バレンタイン・キッス」の彼女しか知らないのではあまりにも、、、もったいないからね。
さて、企画ものの"Mckee"を別とすると、この作品以降彼女は一切の音楽活動を行っていないが、現在でも詞は良く書いていて、彼女自信も"また歌いたい"と言っている。彼女が結婚した今、新世紀を迎えようとしている今だからこそまた歌って欲しいと思う。大人になった"国生"を僕らにまた聴かせて欲しい。【yuusuke】