シンデレラたちへの伝言/こわれかけたピアノ

(1986.6.25)キャニオン・レコード

フジテレビ系放映「夕やけニャンニャン」テーマ・ソング

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 レビュー (「特選 今月の一枚」 97年7月 ピックアップ)
 '86年の5〜7月はソロデビューのラッシュ(福永、城之内、ニャンギラス、高井、美奈代)の時期だったが、その中で高井麻巳子のデビューシングルは、まさにその短かったシンデレラ・ストーリーの序章としてひときわ光る一枚である。

うしろゆびとはまったく違った路線を目指してつくられたこの曲は、しっとりとしたメロディと歌詞で高井のもつピュアなイメージをさらに強く印象づけ、その人気を確実なものとした。その結果シングルは20万枚を売り上げ、大阪でのデビューイベントには1万6千人、名古屋には4000人のファンを集めている。

 高井の曲は、他のおニャン子の曲に比べてもとくにメッセージ性が高いものが多く、心を揺さぶられるものもいくつかある。この「シンデレラたちへの伝言」のサビの部分も、夢見て大人になりたかった当時の少年少女たちにとっては、なにか心に語りかけてくるような思いがする一節であった。描写力もすばらしく、この曲を聴くと星のまたたく夜空と草原の様子が目の前に浮かんでくる。

 カップリングの「こわれかけたピアノ」も名曲であるが、これは秋元康が唯一彼女に提供した楽曲であるという点でなんとなく特別な思いのする一曲。また作曲はあの高橋幸宏が担当している。【T.Ishida】