オリコン最高1位 / 売り上げ8.3万枚
ひと夏の恋を描いた歌というものは、ポップス、歌謡曲等に数え切れない。おニャン子ソングの中にも、探してみると様々な「夏」がちりばめられていることを発見できる のだが、中でもこの「サイドシート」は格別に感情移入のしやすい一曲だ。
聴くものの目前で展開するような「入りやすい」詞は、80年代アイドルポップスの鏡ともいえるものだが、そのうえさらにストーリーに自分自身の姿がシンクロするような、妙な実感をともなう曲である。作成時に満里奈も協議に加わったというその歌詞は、描写的なフレーズをならべ、 一見淡々としているようで、しかし心に強い印象をうえつけるものだ。
ダッシュボードの地図のすき間にはさんだメモは、淡い恋の美学であって、また、残りたかった自分の代わりに残してきた「想い」の象徴として美しくもはかない。【T.Ishida】