桜梅桃李


「老人と看護婦」    あすなろ老人

温かい 手が触れて

美しい人の その優しさ

いま私の 脈を計っている

看護婦はまだ 乙女である

育ち盛りの 肌の香が

強く あまやかに匂う

ほのかだか 刺激的だ

指の マニキユアの色は

フレーム オブ アイスである

「氷の炎」と言う色である

老いの身の 私はまさに

氷の炎とも言って

良いではないか


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