ヒユーマンコミユニケーション’96、高知市の人権啓発イベントが昨年12月6〜8日にわたって行われた。その中のヒユーマン劇場「結婚」に、ばせりの会は役者として初舞台を踏んだ。
ゴジラ | :合田圭太郎 |
やよい | :西岡愛 |
父 | :赤瀬憲二 |
母 | :宮地鎮代 |
妹 | :高山多喜子 |
祖母 | :杉田まり |
貞子 | :西森あすか |
レポーター | :藤井千穂 |
ナレーター | :上田 |
監督 | :岡村敏彦 |
舞台の袖から役者をお稽古のときから眺め、本番の幕が下りるまで私の不安は消えなかった。私が軽く引き受け、役者たちは『NO』と答える暇なしといった感じの私からのドタバタお願い。「何とかなりますよ」そうは言ってくれたものの、厳しいスケジュールには少々ひきつった表情。本番までの約一カ月、学校や仕事以外のプライベートタイムをお稽古に費やし、やや疲れも見えていた。一人一人の顔を見るたびに心の中で『ありがとう、ごめんよ』を繰り返さずにはいられなかった。確かに、素人の私が見てもぱせりの役者たちは日々成長していった。本番の舞台では、みんなの成果を見ていただけるように、何のハプニングもおこりませんようにと祈るばかり。
ラストシーン、あふれる涙を必死にこらえた。たくさんの拍手、役者たちの笑顔が忘れられない。そして、「やってよかったよ!」皆の一言。
感動と、感激と、喜びと、幸せと、最高の時をありがとう。
約2ヶ月足らずの短い練習期間の中で、自分がふだん出している声より何倍も大きな声を出せるだろうか、そしてうまくこの劇で訴えたい心が伝わるだろうか、という思いを抱きながら本番の日はやって来た・・・・果たして劇の心は伝わったのだろうか。
私には二人の子供がいます。子供たちを育てながら私も成長しなくてはと思っていました。今回のこの劇はそんな自分にとっての自信につながったようです。
それからこんなこともありました。ある日、私は子供たちを連れて劇の練習に行きました。連れていったもののみんなの練習の迷惑にならないだろうかと心配でした。しかし、娘役のやよいちゃんやえみちゃん達が少しもいやな顔をしないで子供たちの友だちのようになって遊んでくれました。心配していた気持ちはなくなり、そんな二人の気持ちがとてもうれしかったです。こうして知り合い、楽しく過ごした体験は子供達の心に刻まれていくのだと思います。私は子供達といっしょにこんな出会いを大事にして、いろんな人と知り合っていきたいと思います。みんないっしょにやっていこうね。
芝居って一回やってみたいと思ってて、「ぱせりの会で芝居を」という話を聞いたときは思わず「やりたい!」と。でも仕事の都合で稽古にあまり出席できないので「ダメだね。裏方だね。」と言われて、うー残念。それでも打ち合わせに行ったとき人が足りずに余り役をいただけてlucky!と言う感じで始まりました。おもしろかった。最初なかなか形にならないものが形になってきて・・・・・
裏方さんも含めてみんながそれぞれ自分の守備範囲を努力して、重なり合ってすてきに仕上がりました。ありがとう。私も毎日おばあちゃんのセリフが頭の中をまわっていて、自転車をこぎながらセリフをやっているとすれ違う人にびっくりされたりもしました。
やっぱり何かを『つくること』って好きです。
ぱせりの会でもこれからもいろいろつくっていきたいね。
劇など初めてのことなので一度は引き受けたものの、やはり私には荷が重すぎると考えるようになっていました。断ろうと思いながら出掛けた初顔合わせの日、私は約束の時間よりもかなり遅れて待ち合わせの部屋へと入りました。部屋にはいるとそこにはただならぬ雰囲気があり、空いた椅子へと向かう私は、一歩一歩底なし沼へと沈んでいくような思いで席に着きました。そして次の瞬間驚いたことに、「よろしくお願いします」と私は言っていました。最初こんな思いでいた私ですが、参加して本当に良かったと思います。みんなセリフから各々の役の気持ちを考え一生懸命演じようとしていました。そして私も妹エミの気持ちになっていく。そうすると自然と体も動き出す・・・・・・・・・・という具合には全然行かなくて、かっこ悪い自分が一杯でてきました。けれどそんな自分を客観的に見ることができたことはとても良かったです。そして何より生きていることを実感できました。
本番まで一ヶ月、それに勉強の合間をぬっての練習は大変でしたが、みんなと練習できたことをとてもうれしく思っています。僕は高知に来てから三年になります。今まで様々な人たちと出会い、生活する中でお互いに泣いたり笑ったりしてきました。けれど出会った人すべてと仲良くなっていったわけではありません。どんな人でも価値観や考え方・話す内容の違いをとても感じたりすると接し方に距離をとってしまいがちになると思います。
また、つまらない噂や悪口をそのままうのみにしてレッテルをはり、先入観を持ってしまうことがあると思うんです。人に対するそんな小さなわだかまりから差別や蔑視を生むのではないでしょうか。今回の劇はそんな差別に苦しむ人たちの気持ちを表現し演じた劇だったと思います。物事をあまり深く考えない人が時として相手の存在を否定したりする事がありますが、その人にとっては大したことではないと思っているのかもしれません。けれど否定され、同じ人間として認めてもらえなかった人の心はどれだけ傷ついてしまうのでしょうか。そして苦しむのでしょうか。だからこそお互いにふれ合って、知り合い、もっと話し合うこと。過去にとらわれず、認めあっていくことの必要性をこの劇は伝えたかったんだと思います。本当にこんなすばらしい経験ができたことが今では僕の誇りにさえなっています。ありがとうです。
一カ月間、生きた心地がせんかったあ。
仕事中にセリフも出てくるし、夢の中にも…。大変だったけど、やればできるもんやってことを実感させてもろうた。やってよかった!!
緒婚は、助け合っていくことやね。
去年は、ぱせりの会にとって良い年だったと思います。ヒューマン劇場「結婚」にぱせりの会のメンバーたちが初めて演劇に挑戦したのも一つだし・・・・・・・
ぱせりの会のメンバーが増えたのも一つです。
私がぱせりの会のメンバーが演劇の練習をしているところを見に行った時のことです。ある人がなんどもなんども監督に注意をうけて練習しているのを見て、なんだかかわいそうに思いました。ところが本番の演劇を見に行ってびっくりしました。かわいそうに思えるほど注意をうけていた人がみんなの中でいちばん光って見えました。みんなもそれぞれ上手に演技できたこと、それからやればできるんだと思う気持ちを私に思わせてくれたことは、とてもうれしかったです。
『結婚』この言葉に皆さんはどんな思いを抱かれますか?
私はこの二文字に希望(夢)をかけたことがあります。今は結婚という言葉に夢や希望をかけるなどと言う気持ちはうすれています。でも結婚という言葉をそれへの想いとともにいつまでも大切にしていきたいと思います。