以下は,1998年春の横浜国立大学入試問題の一部です。
問1 水分子は酸素原子と水素原子が結合した非常に安定な化合物である。また,分子内の電荷のかたよりが大きく,分子間の引力が大きい。ここで,(a)酸素原子と水素原子が水分子を形成している結合を何と呼ぶか。(b)固体や液体の状態における水分子どうしの結合を何と呼ぶか。
《 中 略 》
問5 水分子の酸素原子は水素原子との結合に関与していない電子対を持つ。この電子対を何と呼ぶか。
問6 水分子のように電荷のかたよりがある分子を極性分子と呼ぶ。二種類の元素でできている水以外の極性分子の例を一つ分子式で示せ。
問7 電荷のかたよりがないか,あるいは分子内で電荷のかたよりがあっても正電荷と負電荷の重心が一致している分子を無極性分子と呼ぶ。無極性分子の例を,(a)二種類の元素からなる正四面体形分子,(b)二種類の元素からなる直線形分子のそれぞれについて一つずつ分子式で示せ。
《 以下略 》
【引用】 『化学の大学入試問題を考える(10)』,化学と工業,52(6),756(1999)
アンモニア(ammmonia) |
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メタン(methane) |
二酸化炭素(carbon dioxide) |
【参考】極性分子になるかどうかは,分子の形状と構成原子の電気陰性度の差が重要!
また,問1の結合の種類については分子と分子の結合(1)を,問5の“結合に関与していない電子対”については,分子の形と性質(3)を参考にしてください。