◆アルツハイマー病治療薬/アリセプト ◆
アルツハイマー病治療薬(Jmol版;リバスチグミン,トラミプロセートなども掲載)

 1999/09/25の朝日新聞に,『痴ほう治療薬 来年発売へ/中央薬事審「アリセプト」承認へ』のニュース.成分名は塩酸ドネペジル(donepezil hydrochloride)で,アルツハイマー型の認知症の進行を抑える効果があります.ただしこの薬は根本的な治療薬ではなく,アセチルコリンエステラーゼ阻害作用によって効果を示すもので,継続的に経口投与する必要があるとのこと.国内には数十万人のアルツハイマー型認知症患者がいるとされることから大きな期待が寄せられています.
 製造元のニュースリリースでは,1999/10/12に正式に製造承認を取得したとあります.



ドネペジル(donepezil,塩酸ドネペジルが商品名アリセプト;Aricept)
C24H29NO3;分子量=379.49
※光学活性体を用いてもラセミ体に戻るため(ラットでの試験),ラセミ体で利用(杉本八郎,化学と教育,2006年3号,p.131)



ドネペジルとアセチルコリンエステラーゼの相互作用(PDBデータ1eveから作成 → PDBデータのLigand結合部位
左:1eveの二次構造と全リガンド,中:ドネペジル近傍,右:親油ポテンシャル表示したドネペジルとそのSITEおよび触媒的な3残基
※参考:北泰行・平岡哲夫 編,「創薬化学 −有機合成からのアプローチ−」,口絵1およびpp.201-202,東京化学同人(2004)



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