◆ おじさんのにおい??/ノネナール ◆
1999/06のテレビや新聞で,“おじさんのにおい”の元がわかったという話題.中高年の人に特有のノネナールがその正体とか.皮脂中の若い人には少ない脂肪酸である9-ヘキサデセン酸が酸化分解されてできるというメカニズムも解明されたそうです.なお,不飽和脂肪酸の空気酸化では,一般に二重結合の隣のα位の活性メチレン基に過酸化物が生成することが知られています.
研究を行った化粧品メーカーでは新しい子会社(
ビューティーテクノロジー
;
加齢臭とは
)を設立し,そのにおい成分の発生を抑制するボディシャンプーやローションなど6商品の製品化を進めて,「ケアガーデン(Caregarden)」という名称で販売を開始しました(→
ニュースリリース
).
ノネナール(nonenal)は以下のように炭素数が9で二重結合を一つもつアルデヒドですが,二重結合を持たないノナナール(nonanal)はレモン,ライムなどの精油中に含まれていてフローラル様の脂肪臭を持ち,炭素数が6で二重結合を一つもつ
cis
-3-ヘキサナール(
cis
-3-hexanal)は青葉アルデヒド(leaf aldehyde)ともよばれクローバー・ブナ・クリなどの生葉や茶葉・タラの芽などに含まれるにおい成分例です.
このように少し構造が違うだけでにおいが微妙に変わるのところが嗅覚の興味深いところです.
※その他の関連話題
汗を吸収して無臭化するとした“汗消臭肌着” →
商品情報
衣料新素材:汗を消臭する繊維を開発 帝人(毎日,2003/03/11)
trans
-9-ヘキサデセン酸
→
酸化分解
ノネナール(2-nonenal)
C
9
H
16
O;分子量=140.22
cis
-9-ヘキサデセン酸(パルミトオレイン酸)
[参考(ノネナールについて)]
不飽和脂肪酸加熟分解産物の抗変異原性
[参考(においについて)]
香りの分子事典
(
解説編
)
[参考]
男臭さ:原因物質はアンドロステノン ライオンが特定(毎日新聞,2004/11/18)
→
今週の分子/アンドロステノン
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