◆ 市販分子科学計算ソフトウェアの比較 ◆

※以下は研究室で所有しているChem3D (ver.4.0,CambridgeSoft社),HyperChem (ver.4.5,Hypercube社),Alchemy 2000 (ver.2.05,Tripos社),WinMOPAC (ver.2.0,富士通)の4種について,主に化学関連Webページ作成のための分子モデルを作成する目的で用いる場合について比較検討したものである。
 操作性などは個人の好みや慣れもあるので,以下は初学者が使う場合の参考意見にしか過ぎない。組み立てる分子によって適したソフトウェアがあり,場合に応じて使い分けたり併用するなどした方が能率的であることも少なくないため,代表的な分子データの互換性についても紹介している。
 高価なソフトウェアもあって複数そろえることは難しいと思われることから,今後もデータを追加するのでソフト選定の際の参考資料にしていただきたい。なお,各ソフトともバージョンアップによって必ずしも以下の比較が当てはまらなくなっている面もあることに注意する必要がある。

4種類の分子科学計算ソフトウェアの比較

→ 4ソフトによるサンプル分子データのChime形式表示例(fenitrothionを例に)

ソフトウェア名 データ互換性
(MOL,PDB,MOP)
Chimeでの表示可否 分子組み立ての難易
Chem3D HyperChem Alchemy 2000 WinMOPAC MOL PDB MOP 初期座標
Chem3D
 (ver.4.0)

(mop,pdb)
×
(mol)

(mol,pdb)

(mop)
◎(ChemDrawの併用または分子式入力)
HyperChem
 (ver.4.5)

(mol,pdb,mop)

(mol,pdb)

(mop)
*
※拡張子zmt→mop
◎(マウスのラフ描画で組み立て)
Alchemy 2000
 (ver.2.05)

(mol)
×
(pdb)

(mol,pdb)
○(2D Sketcherの併用)
WinMOPAC
 (ver.2.0)

(mop)

(mop)

※拡張子dat→mop
△(環状テンプレート多数)

* mopなどファイル形式を変えて保存し,他のソフトウェアで読み込んでmol形式にするか,変換ソフトウェアのBabel(杉野圭司さんによる解説参照)や本間作成のN88BASIC版プログラムなどを用いて変換すれば表示可能.

【参考】Chimeで表示可能な分子データ形式

MIMEタイプ 説明 拡張子
chemical/x-gaussian-cube Gaussian Cube cub,cube
chemical/x-mdl-tgf MDL Sketch tgf,skc
application/x-rasmol RASMol Script scr
chemical/x-jcamp-dx JCAMP-DX jdx,dx
chemical/x-csml CSML csm,csml
application/x-spt RASMol Script spt
chemical/x-mopac-input MOPAC Input mop
chemical/x-gaussian-input Gaussian Input gau
chemical/x-xyz XMol XYZ xyz
chemical/x-pdb Brookhaven PDB pdb,emb,embl
chemical/x-mdl-rxnfile MDL RXN rxn
chemical/x-mdl-molfile MDL MOL mol


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