メーカー・機種 | 購入年度 | CPU | OS | メモリ | 活躍 | |
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(化学工学用計算尺) | 1972 | − | − | 0? | 大学2年次に購入させられる(約 7,000円)。昔は有効数字が3桁で十分だったんですね。化学工学用で、裏側には原子量・分子量や圧力換算用などの目盛りが刻んであり、一種のデータベース! | |
(手回し計算機) | (学生実験で使用) | − | − | 0? | 学生実験で、計算はすべてこれ。4年生になって研究室に入ったら、四則計算のできる大型の計算機が1台ありました。左写真は短大の菅原正人氏所有のものをお借りして撮影。 | |
SANYO CZ-2(関数電卓) | 1976 | ? | ? | ? | 修士時代、関数電卓が売り出され、価格も急激に低下。買い時に迷いつつ、アルバイトで購入(27,000円くらいだったかな)。 | |
SHARP PC-1245(ポケコン;プリンタ/マイクロカセットコーダーを追加) | 1984 | CMOS 8ビット | (BASIC専用) | システムROM 24kB | 高分子中の染料の拡散や光退色速度を計算・解析するプログラムや、色度の換算プログラムなどを作成。3次元虫ピングラフの原型も。 | |
手元に写真が残っていません.お持ちの方は譲って下さい (^^;) | SHARP MZ-80 | (義兄に拝借して試用) | ? | ? | ? | 1行しか表示しないポケコンから、多数の行やグラフィック(モノクロ!)を表示できる画面に戸惑った覚えあり。実験データ処理プログラムなどを作成。 |
EPSON PC-286V | 1988 | 286 10MHz | MS-DOS | 640kB | 初代・我が家のパソコン(ソフト・デスクその他で、約 500,000円!)。カラーを使えるのがうれしく、卒研生とプログラミングを楽しみました。現在はDSCのデータ採取用と、学生の実験データ保存用に活用。 | |
EPSON PC-486MU | 1994 | 486SX 33MHz | Windows3.1 | 9.6MB | 二代目(写真右)。“マルチメディア”と“Windows”という語に誘惑されて購入(諸々で、約 500,000円)。現在は研究室の学生用として、ホームページ量産に一役。 | |
NEC PC-9821Nb7/C8 | 1996 | Pentium 75MHz | Windows95 | 16MB | 我が家の三代目。インターネットを始める必要に迫られて購入(通販で約 270,000円)。持ち歩いて講義・演習や通信に大活躍。 |
【パソコン通信における関連発言例】
●パソコン遍歴についてのNIFTY-Serve/FCHEM/MES_5 での発言例
03334/03343 KYA01062 シェーマ RE:「普遍」雑感(長文) ( 5) 94/10/22 11:36 03330へのコメント ○○○○さん、こんにちは。長文のRES(#03330)を有難うございました。 ○○さんのコンピュータ歴を楽しく読ませてもらい、パソコン利用の考え方も興味 深く拝読しました。 計算機というところから始めると、私の場合は学生実験では化学工学用の計算尺と 手回し計算機、卒研で研究室で唯一の卓上式の四則演算だけの計算機(ん十万円)を 使わせてもらい、修士の頃にバイトで関数電卓(発光ダイオード式!;2?,000円。 今なら 3,000円くらい?)を買い、集中講義でFORTRANを少し習ったけど、自 由課題で組んだプログラム(マークシート式)は大型計算機に蹴られてチョン。 勤めてから、まずポケコンでシャープのCE−125S、大手の建設会社に勤めて いる義理の兄が買って埃をかぶっていたMZ−80を借りてBASICを始め、実験 データ処理に使用。 98VXが出た頃、ある機器の付属のパソコンが88だったのを無理矢理98にし てもらい、機器本体よりも98にのめり込み、286Vを自宅にお迎えし、最近 Windows機に乗り換えたところです(286Vが壊れたので)。 》 こうした経験から、原理、法則を理解する上で、コンピュータを用いたシミュレー 》ションは、使い方を間違えなければ、非常に有効な手段だと思います。8年ほど前に シミュレーションはパソコン利用のいい例ですね。スプレッドシートを使うといろ いろなシミュレーションができ、スプレッドシート(最初は敬遠していたのですが、 コンピュータ演習を担当することになって覚えました)という道具の面白さを感じま す。 》る訳です。この誤解がかなりあるように思います。コンピュータで行うことは原理、 》法則に基づいた予測なのですが、ここの認識があるかないかが大きな問題点だと思い ゴムのエントロピー弾性を説明するのに、「マックスウェルの悪魔」(都筑卓司, 講談社ブルーバックス)で、糸を何回も床に落としてその広がりを物差しで図って分 布を求めるというのが出ているのですが、これなんか手間を考えたらパソコン向きで、 大分前の学生にプログラムを作ってもらいました。100回程度実行すれば、毎回若 干違うけれど同じ分布図が得られ、自然現象に確率が絡むことを教えることができま す。グラフィックを使える強みの例でもあります。 》算ではないか、実物を見せ、体験させることが大切なのではないかとの批判を受けま この辺も実践者の工夫が必要なのでしょうね。私はあちこちの学会でプログラムの 宣伝をすると、パソコンを使う前と後で学習効果がどうであったかをよく質問されま す。時々アンケートもとるのですが、次々に違うプログラムを用いるのとその開発に 時間をとられ、集計するところまで行きません。今は遮二無二やってます。 》 そこで、私は思うのですが、コンピュータと実際の実験は住み分けられるべきと思 》います。それぞれ、よい点と悪い点があるのですから、メリットを活かし、デメリッ 大賛成です。どちらを(あるいは両方)使うにしても教える側の工夫は必要なので すから。パソコン教育のメリットを活かすのに、いいソフトが無いこと、機器の使用 方法を教えるのが面倒なこと(利用が進めば解決されるでしょう)、授業の進度が遅 れること、などの障害がありますね。あと、通信をどう利用していくかも大事だと感 じています。 パソコン導入はハードメーカー主導で、教育の妨げになるという批判もありますが、 あるものは使っていった方がいいと思います(使いたい人が)。日本は教育に使われ るお金が少ない(短大も)といわれますが、珍しく導入されたせっかくの高い道具 (すぐ陳腐化するのが難点)ですから。私自身も使える実験機器が無くてパソコンに はまってしまったようなところがあります。 パソコンについて同じようなご苦労をされてきたように感じました。
03391/03391 KYA01062 シェーマ RE^3>化学とコンピュータ ( 5) 94/10/28 15:04 03375へのコメント ○○さん、こんにちは。どうも鼎談の様相を呈してきましたね (^^;)。 》 何年か前に、全日本教育工学研究協議会で高校化学での理論の学習においてこのよ 》うなソフトがあれば、といいう検討を報告したことがあります。 パソコン教育の問題点にソフトウェア不足があると思います。どのようなソフトウェ アが必要とされているかは大事な問題だと思います。協議会で話題になったことを教 えて頂けたらみなさんの参考になると思います。 市販品は帯に短し、たすきに長し、という評判をよく聞きます。作る側は現場のニ ーズを知らないし、現場の人間は大抵プログラムを作れないという矛盾です。 CD−ROMが話題になっているのに(家のも使えるようにしたのに)、欲しいと 思うものはあまりありません(話題のゲームくらい今度東京で見てこようかなとは思 ってますが)。ソフトを作る手間に比べて評価が低いところが、ソフトウェア作成も 大事な仕事になっているアメリカあたりと違うように感じています。 》作ろうと思って挫折したものに、分子間力を考慮した実在気体のシミュレーターがあ 修士で拡散をやったので、大変興味があります。1個1個の運動を管理(例えば弾性 衝突も跳ね返る方向を考えるだけで頭が痛くなります)するだけでも大変ですから、 分子間力を入れたら計算が大変ですね。途中まででも公開して頂けたらと思います。 アルゴリズムもいろいろ工夫されたことと思いますので(もっともBASIC以外だ と私にはチンプンカンプンだし、BASICでは遅すぎてシミュレーションにならな いでしょうね (^_^;。それでもBASICは可読性が高いので、アルゴリズムの相互 利用が楽だという利点もあります。著作権法上は少し問題ですが)。 計算が大変だとファクターを減らしてやってしまいます(これが、聞こえのいい言 葉で言うと「抽出」)。それでも半分に仕切った箱の片方に数個の気体分子入れて運 動を始めさせると決して元の状態には戻らないということくらいはシミュレートでき ます。そして分子という目に見えない大きさのものをスケールアップして視覚化でき る(生徒が持っている知識で類推してもらい、各人がイメージを形成する手助けをす る)というのだけでも大きいと思います。 「バークレー物理学コース5 統計物理(上)」(久保亮五監訳,丸善,1975) に、4個(および40個)の粒子の運動(古典的)を「高速度電子計算機」で計算し た場面の抜粋が出ていますが、以前は大型計算機でしかできなかったことが、個人が 卓上でできるようになったのは大変なことです。 講談社ブルーバックス「パソコンで遊ぶ物理シミュレーション」にもいくつか面白 いBASICプログラムが出ていたので、入力して遊んでみました。このプログラム 群開発も多数の方の協力で可能になったようです。 》の予想を描けばいいわけですが、実在気体と理想気体の違いを示すためには、粒子の 》大きさが無視できなければどうなるのか、粒子間に引力が働けばどうなるのか、反発 》力ではどうなるのかを示すことが必要と思ったからです。しかも、生徒に何を計算し ○○さんの化学教育に対する執念を感じさせられ、私のやっていることはやっぱり漫 画だなと反省しています。 》 そこで、化学で使用するシミュレーションソフトでは、何を考慮し、どのような計 》算を行っているのかが、使っている先生や生徒がわかることが必要ではないでしょう 確かに作った側は自分ではわかっているので、その辺の説明をおろそかにしてしまう 危険性がありますね。またシミュレーションと言っても、○○さんがやられようとし ているように厳密に理論を援用してやる場合と、見かけの結果だけ現象をトレースす る場合(例えばテレビでもよく出てくるフロンのオゾン層破壊のアニメ)、今までの 理論を無視して(あるいはまだ理論が確立していない現象を)全く新しい発想でアリ ゴリズムを組んで実際の現象との類似性を見いだして新規な理論を形成していく(い い例かどうかわかりませんが人工生命や、少し前に話題になった沸騰現象など)場合 の、少なくとも3つがあると考えています。 科学は自然が教師ですから、実験や理論でもそこからは逸脱できません。人間が理 解する上で編みだした「整合性」の世界(そしてそれはすごい世界です)だと思うの ですが、シミュレーションなどもその世界のすごさを知ってもらう上での道具として どんどん利用できたらと考えています。 それにしても、繰り返しになりますが、教育現場での良質なソフトウェア不足(と 所在情報の流通の悪さ)は何とかならないものでしょうか。
●分子ソフトウェアについてのNIFTY-Serve/FCHEM/MES_5 での発言例
05511/05511 KYA01062 シェーマ 分子ソフト利用(長文) ( 5) 95/11/04 12:42 『コンピュータ計測』の話題が盛り上がっているところ、少し論点はずれますが、 以前分子プログラムの利用について書き込むとの予告をしていて果たしていませ んので、書かせてもらいます。 XXXXXXXXXX さんが書き込まれた(#05455)、 | そうそう、最近したことはFreeWheel(綴り間違っていたらごめんなさい)でメ |タンやトルエン、酢酸の分子モデルをつくり、ステレオ図(例の絵が2つ書かれて |いるもの、ランダムドットのではありません)にかえて、印刷して生徒に配り、 |その見方を訓練しました。分子モデルで見せるのも手ですが、生徒の家には分子 |モデルがありませんので、こうやって印刷したものを持って帰らせて、いつでも |見られるようにした訳です。これ、けっこう評判よかったですよ。 とも関連するのですが、私も化学が苦手な女子短大生に、身近な100位の分子 の球棒モデルの塗り絵をしてもらっています(何回かここでも書きましたが)。 Free Wheel など、新しいものには手を出していませんが、塗り絵以外にもい くつかの分子関連ソフトを、演習等で併用している状況を少し紹介します。 なお最近の化学関連公開ソフト(通信で入手可能なもの)については、マサさ んが、「化学」1995年3月号と、「化学とソフトウェア」1995年3号(前者の増補 情報)に書かれています。 【CAMD-I plus】(N88版,フリーソフト/FCAI, DL_6, #567) ファンクションキーで分子の回転(角度入力)・置換基変更等ができ、球棒モ デルの原子球を、空白またはモノクロ印刷でも区別可能な模様付け(既定値を変 更するにはプログラムの改変が必要)で出力できます。水素結合を点線で表示可 能です。塗り絵用原稿はこれで作成。ステレオ図ではないので、少し平板に見え るかも知れません。 データ形式は中野先生開発の MODRAST と同じで、同ソフトがあれば、リアル な空間充填モデルと球棒モデルの表示が可能です。 【高分子の組み立て;MOLS】(N88版,講談社サイエンティフィク で販売[\12,000 ?]) 作者は笹田義夫先生。タンパク質分子やDNAも組み立てられるほか、複数の 分子を距離・角度を調節しながら組み合わせて1つの分子ファイルにすることが できるので、大きさを比較したり、水素結合を付加させたり、化学反応経路説明 用の原稿を作成するのに便利です。演習用でなく、教材作成用として活用。 ステレオ図を表示したり、立体的な図をアニメ風に回転したりできるようにな っているのですが、少しプログラムを改変して、空白球棒モデルや上の plus と 同じ模様付けで出力できるようにして利用しています(非公開)。plus との分 子データ相互変換プログラムも作りました(FCHEM, DL_5, #218)。 【MOLFIG】(MS-DOS 版はフリーソフト/FCHEM, DL_5, #82) 作者は岸本敏始さん。マウス(別途マウスドライバ必要)で分子のステレオ図 の回転・拡大縮小等ができ、それも画面のマウスの位置の違いで回転軸等が変わ るので、慣れると手の上で分子を弄んでいるような感覚で扱えます。 原子の削除を、マウスドラッグによる範囲指定ででき、結合角・距離変更等も ほとんどマウスでできます。いくつかの分子データフォーマットに対応している のも魅力。 【分子構造最適化;MFO】(化学ソフトウェア学会頒布[手数料 \3,000]) 群馬大学工学部の中田先生が開発。分子力場計算で、原子数100までの分子 の最適化・コンホメーションエネルギー計算が可能。各原子の結合様式(炭素な ら sp, sp2, sp3, aromatic 等)を入力するようになっているので、その意味で もいい演習用教材になります。分子データは MMHS, MODRAST(MOLDA4), MOMOCON に対応。 plus で各人に立体配座の異なる同一分子を作成させ(例えば酢酸分子のカル ボキシル基とメチル基とねじれ角を少しずつ変える)、エネルギー計算させ、ね じれ角とエネルギーの関係を持ち寄ってグラフにすると、分子の安定な立体構造 の説明が可能です。 プログラムは FORTRAN で書かれていて、私には改変できませんので、いくつ かのバッチプログラムを作り、順次手順を示しながら作業を進められるようにし 、計算結果の原子座標を plus 用の分子データにする部分も N88 で作成しまし た。 ソフトは化学ソフトウェア学会から入手し、作者の中田先生から、演習に必要 な本数のコピーを許可して戴いて、利用が可能になりました。 MFO 等を組み込んだ統合的な分子ソフト MMHS-ex がサイエンスハウス社から 市販[\58,000]。 以上の他、自分では HyperChem(以前、こういうソフトこそ高校生や学生に使 わせたいと書き込みました)を使っているのですが、1台でしか使えませんので 、演習には無理です。要は、フリーソフトウェアでないと演習には使えないこと 、学生が使えるようにいろいろ苦労してきたので、なかなか新しいのを取り入れ る余裕がないと言うところでしょうか。コンピュータ室のパソコンが Windows か Mac に切り替わる頃に、また苦労しないとなりません(苦労の量は減るでし ょうけれど)。