コンピュータを使いこなすにはどうしたらいいかを考えてみましょう。
初めてコンピュータを使いたいと思った方は、どうやって学んでいったら良いのでしょうか。最初は、こんなことを学ぶ必要があります。
これらの手続きは大したことのないように見えますが、コンピュータの本質を含んでいます。
まず、
「コンピュータというものは、一般的に急に電気を切ると壊れることがある。」
「ソフトウェアは、製作者が想定していない止め方をすると壊れることがある。」
という経験則があって、それからこれらの方法を真っ先に理解する必要がある ことが導かれるのです。
コンピュータの使い方を学ぶというのは、このような経験則を学ぶことが大切です。コンピュータを使っているうちに経験則が増え、それらを適当に組み合わせることによって、まったく初めてのソフトウェアでも、ちょっと説明書を読めば使えるようになります。逆にそのように利用していかないと、短時間に技術革新が行われるコンピュータの世界では、せっかく覚えたはずの知識?が、無意味なことになることが多いのです。
コンピュータに詳しい人は、大体次のような手順で新しいソフトウェアの使い方を学ぼうとします。
一見簡単そうですが、必要となる操作の方法を見つけるには、どうしてもかぎとなる言葉(キーワード)を見つけ出して、それを元に検索する必要があります。この、キーワードを見つける技術がなかなか覚えにくい点です。ソフトウェアについているヘルプ(説明文)が使いづらいのは、このことが関係している場合が多いのです。
以上の点を踏まえて、どうやって学んでいくか考えてみましょう。
「作業ノート」コンピュータ利用の経験則は、どこにも書いてありません。それは、あなた自身が自ら作り出した方がはるかに価値があるからです。最初に述べたような経験則は非常に一般的なもので無条件で覚える価値のあるものですが、そうでない経験則もコンピュータの使い方を学んでいく間にたくさん生まれてきます。そのような他の人が作った経験則を覚えても、経験則を導いたときの状況が欠けているために意外と役に立たないものです。では、経験則はどうやって探していくのでしょうか。その助けとなるのが、作業ノートです。一日にコンピュータで何をしたか、どのようにしたか、どのへんで困ったか、どうやって解決できたかを丁寧に記述していきます。最初は丁寧に記述していきましょう。なれたら要点だけでもかまいません。これを書いておくと、二次的な効果として、コンピュータが動かなくなったときに助かることがあります。たまに読み返して、経験則としてまとめられるものがあるかどうかを考えてみましょう。
ある程度、記述がたまっていくころには、ワープロソフトも使えるようになるでしょうから、作業ノートをコンピュータに入力しましょう。更に進んで、インターネットでホームページ等を作成するときに使うHTMLという言語を使ってこのノートを書き換えて見ましょう。これを行うと、キーワードの関連付けが簡単に行えるようになります。この作業を進めていきますと、独自の解説書(ヘルプツール)が作成でき、コンピュータの便利さが実感できると思います。
この作業に費用は必要でしょうか。必要なのは、ノート代とHTMLの簡単な参考書ぐらいです。ワープロソフトは、実はなんでも良くて、
Windows なら「メモ帳」で十分です。
コンピュータを使えるようになりたい方は、キーワードノートをつけると良いと思います。普通の常識とはちょっと違う使い方だなと思ったら、その言葉をキーワードとして記録して、その意味を自分なりに書いていくのです。本当の意味と多少違っていても気にしなくてかまいません。なぜなら、それはあなたのノートですから。本当の意味が分かった時点で直せばいいわけです。
これも慣れたら、コンピュータに入力して、「作業ノート」と同様にHTML言語で書き直しましょう。コンピュータを使うと修正がきわめて楽なことが実感できると思います。
実は、HTMLという言語は、もともとこのような文章やデータを効率良く閲覧できるように作られたもので、こうしたノートを作成するために使うと、非常に役に立つものなのです。HTMLで書いた文書は、適当なフォルダの下に置きますと、インターネットエクスプローラ等のインターネットのWebページを見る為のブラウザというソフトウェアを利用して、あなた自身のノートとして利用できるのです。こうした 機能が標準ではなっかった昔は、このようなことをするのは非常に難しかったはずです。これが、技術の進歩ということですね。
HTMLでは、絵のようなイメージデータも扱えますので、コンピュータの使い方がますます広がるわけです。そう、それをするためには、
「どのように画像をコンピュータに取り込むか」、
「どのような形式で画像を保存するか」、
「どのようにすればブラウザから閲覧できるか」
を調べる必要があります。このような事が思い描ければ、すでにコンピュータを使いこなしているのです。
ほんの10年前に画像や音声をコンピュータで扱おうとすると、法外な費用が必要でした。それが、現在ではコンピュータさえあれば、だれでも簡単に扱えるようになりました。その機能がコンピュータを学ぶのにも十分利用できるわけです。
コンピュータを学ぶのにワープロソフト、表計算ソフトを使えるようになろうと教室に通うことが普通だと思いますが、一つのソフトウェアに固定して理解しようとすると、どんどん新しくなって困ってしまいます。さらに、今はやっているソフトウェアが将来も続く保証などどこにもありません。どうやったらはやくソフトウェアの使い方を覚えられるかの工夫があるとないとでは、コンピュータを使うことの意味が大きく変わってしまうでしょう。そうした点から、今まで述べたような事を実践してみてはいかがでしょうか。
これは、小学校、中学校のような学校で子供たちにどのようにコンピュータを教えるかという問いの一つの回答になるのではないでしょうか。高校等で今はやっているワープロソフトの使い方を教えるというのは就職の為という目的で理にかなっています。しかしこれを初等教育に導入するのはどうでしょうか。
筆者は、初等教育でこそ、
「新しいソフトウェアの使い方を素早く覚えられ、役立てるようにする能力を身につける。」
を教える必要があるのではないかと思います。
例えば、このようにしてはいかがでしょうか。
欧米諸国を参考にする必要がありますが、タイプの打ち方もある年齢になったら是非身につけさせたいものです。自己流では、目が悪くなったりするなど、体に悪い可能性があります。これは、学校の中で正しく教えた方が理にかなっています。
「メモ帳」は、単純なツールですが、基本的な機能はそろっています。しかも基本的なソフトウェアのおまけですから無料です。HTMLまでたどり着けば、ソフトウェアを作るという方向や、画像や音声を取り入れて利用する方向など、さらにつっこんだ利用方法が無限に広がるはずです。インターネットの説明はその後でも十分まにあうでしょう。もうそのころには、自分の情報を他の人と共有したいという要求が生まれ、ネットワークの必要性が簡単に理解できるよ うになるはずです。そして、ネットワークの延長にインターネットがあるのです。
コンピュータを使って、どんどんいろいろな事に挑戦してみましょう。