第4章 夢の出来事


コピーを終え、会議室から私が戻ると席で成海が待っていました。
「麻衣は私の友達だよね。」私が肯くとつづけて
「いつもいろいろ教えてあげてるわよね」また私は肯く
「言い換えれば私は麻衣の恩人だよね」ちょっと飛躍している気もするが
「一体なにが言いたいのぉ?」少しいらいらして聞いてみると
斉藤さんとのデートを望んでいるようで、私にセッティングを頼みたいようです。
彼とは話もしたくないので躊躇していると、「お願いね!」っと行ってしまった。

山のように溜まっていた伝票の整理を終えると、突然、電話のベルが鳴りました。
「もしもし、斉藤ですが・・・麻衣子?」また私を呼び捨てにしてるし
「さっきはどうもありがとう!」
なにがありがたいんだか?コピーのこと?おまえの為にやったんじゃないわ。
それが私の仕事なんです!っと心で思いながら
「どういたしまして」と答えた。
「今夜、時間取れないかな?」これってデートの誘い?1年前にあんなことをしておいて
どういうと神経をしてるんだか、と考えている内に成海との約束を思い出したのです。
「私も電話しようと思っていました。今日、お時間取れます?」
「じゃ、7時に会社の側のミルキーハウスで待ってるよ」
「わかりました、ミルキーですね。成海に伝えておきます。」
「・・・・、成海さん??」電話の向うで唖然としている彼の姿が目に浮かびました。
「はい、よろしくお願いします」と言うと電話を切り、すぐに成海に連絡を入れたのです。




その日の夜、私は変な夢を見てしまいました。大学時代の夢だったのですが妙なのです。
場所はゼミの部屋だったと思います。黒板の前で斎藤さんが訳のわからない理論を解説し
ているのです。私はと言うと彼の姿をボーっと眺めながら夕食の献立を考えているではな
いですか。説明が一段落すると先生は私に次の解説をするように指名したのです。私はチ
ンプンカンプンで呆然としてしまいました。

すると突然場面が変わってどこかの台所でした。私は嬉しそうに料理を作っているではな
いですか。鍋には肉じゃががおいしそうに出来上がっています。すると後ろから足音が近
づいてきます。振り返ると斎藤さんがそこにいました。
「おっ、今日は僕の好きな肉じゃがだ!もう出来たのかなぁ?」と手を出してきました。
私はその手をたたいて「まだよ!」出来るまでこれを食べて待っててと言うと両腕で彼の
首に抱きつき、彼の唇にキスをしたのです。すると彼はブラジャーの下に両手を進入させ
たかと思うと両乳首を摘みだしました。すぐに私のアソコは愛液でねっとりしてきてしま
いました。腰が自分の意志に反してクネクネ動きだすのです。すると彼の手は私の気持ち
を察したかのように今度はパンティーの中に進入して来ました。
指が私のクリトリスに触れる度に声が漏れてしまいます。愛液は止めどもなく溢れ出て立
っているのがやっとの状態です。すると彼は私の後ろに周りどこから取り出したのか赤い
紐で私の腕を後腕で縛ってしまったのです。いつのまにか私は全裸にされています。
そして目隠しをされ窓際まで連れて行かれると、彼は勢いよくカーテンを明けたのです。
眩しい光が私を包みました。きっと外からは丸見えのはず。




そこで私は目を覚ましたのです。

とてもリアルな夢でした。全身が気だるくてしかたありません時計を見ると会社に出掛け
る時間ではないですか
「いけない!遅刻する。」私は着替えると急いでお化粧をして成海から貰った香水をつけ
玄関を足早に出たのです。予断ですが香水は私が始めて出社した日に成海から頂いたもの
です。甘い匂いがして私は非常に気に入っています。

会社にはどうにか遅刻せずに着くことができましたが仕事は手に付きません。
あの夢の感触が私を包んで刺激しつづけているのです。気を許すと夢の内容が思い出され
体がほてってしまい濡れてきてしまうのです。現実と夢の間を行き来した長い一日が終わ
ろうとした時です。成海が私の側にきてミルキーハウスに会社が引けたらすぐ来るように
言いました。昨日のことを聞きたがった私は二つ返事で承諾したのです。


ミルキーハウスに着くと彼女はすでに来ていて私を発見すると手を振って合図しました。
私が席に着くと彼女は店員さんに私の分のビールを注文すると早速話はじめたのです。
「今日はバイトがあるので要件をダイレクトに話すわね」と成海は話はじめました。
「バイトしてるの?」と私が聞くと派遣の給料ではやって行けないので美紀と一緒に
夜のバイトをしているとのことでした。水商売かと尋ねると似たようなものかなぁ?っと
はぐらかされてしまいました。

「なぜ、言ってくれなかったの?、斎藤さんから聞いたわよ」と成海は話だしました。。
「同棲までしていたんでしょ?」(??????)
なんのことかわからずにキョトンとした顔をしていると成海は続けて話てきたのです
「麻衣と斎藤さんのことよ!」とイライラしているようだ。。
「彼は今でも麻衣のことを好きなのよ」(彼にそう言われても私は・・と思っていると)
「反省しているんだから」(あんな事すれば普通の人なら反省するわよ・・・・)
「自分がもう少し麻衣のことを信んじる事ができていればって」(なに?それ・・・)
「たとえ麻衣が先生に体を捧げたことが事実でも今は許すって」(なんだ?それ)
「麻衣も週刊誌に暴露されて焼けになってたと思うんだけど、見せてもらったわ」
「なにか勘違いしてない?成海」やっと話に割り込むことが出来たのですが、
「なにが勘違いよ。女は男に甘える時も必要よ」(?????)
「彼は自分が悪かったと謙虚に許してくれてるんだから、あやまっちゃいなさい」

話が見えなくて唖然とするしかなかった・・
その時、成海がたのんでおいたビールと食べ物が運ばれて来たため話は中断したのですが
店員さんの去った後、テーブルの上には肉じゃがが置かれていました。

「これ二人の思い出でしょ?麻衣が同棲時代に斎藤さんの為に作っていた肉じゃがよ」
(えっ?夢と同じだわ)
「彼の為に一生懸命に覚えて作ったのよね。斎藤さんが懐かしそうに話してくれたのよ」

私は頭が混乱してきた。今日の夢はほんとうのことだったのだろうか?
だとすると私の記憶はなんなの?
私の記憶では彼を好きになったことは無かったし、ましては同棲なんて!
私の成績だって優秀だったはず。・・・・・
そうだ、会社訪問をするのに大学から取り寄せた成績証明がまだ残っていたはず。
そう思うと早く確認したくなり席を立ってしまったのです。
「麻衣!」と後ろから成海の声だけが追いかけてきました。




家に帰って成績証明書を探し当て封印のされた封筒を開いてみて私は愕然としました。
成績優秀どころか卒業するのがやっとの成績ではないですか。
これはどういうこと?私の記憶はなんなの?

斎藤さんの言うことが真実だとするとすべてが納得できるような気がしてきたのです。
会社訪問で門前払されたこと、面接官との会話意味の無い会話、
斎藤さんの質問にまったく答えられなかったこと、
最近、男性の視線を感じて少し快感を覚えること。

もしかして私は・・・・ほんとうの私は夢の私なの?