ニューハーフヘルスB


数日間が過ぎていた。経過も順調で脇の下の縫いあわせていた糸を今日は取り
除いたのである。

穂が病院を出ると女の子が待っていた。

「私のことを覚えている?」
「忘れやしないよ。僕をこんな身体にした張本人だろ」
「そうじゃなくて・・・私の名前」
「・・・・・」
「やっぱり覚えてないんだぁ。もし覚えていたら許してあげようかと思ったの
  に、残念ね」
「・・・・・」
「岬優子。私の名前」
「そうだったかな」
「あなたにとって名前なんてどうでもよかったのよね。単なるネギを背負った
  カモだったんだものね」
「・・・・・」

「まぁ・・どうでもいいわ。穂さん」
「っで、なんの用なんだ?」
「女になった穂さんに感想を聞きたくて、あっ、どうせなら名前も変えない?」
「なにを言ってるんだ?」
「そうだ・・穂だから美穂にしましょ。美しくなった穂。いいわこれ」
「あのなぁ・・・・・」
「あはは、満更、嫌でもなさそうじゃない」

優子の一言一言が穂の心の奥底を刺激しているのである。

「君は僕をからかいに来たのか?」
「そんなぁ、美穂のお手伝いをしようと思って来たのよ」
「・・・・」
早速、優子は穂を美穂と呼び出したのである。
「そう、穂が美穂になるお手伝い」

「頭がおかしいんじゃないか?」
そう言って穂が優子の横を通り抜けると、後ろから優子が言った。
「わかってないようね。美穂に選択の余地は無いのよ。笑」

無視して歩調を早めた穂の前に大きな男が二人立ちはだかっていたのである。




穂は青山にある美容院に居た。肩まであった長い髪はボブカットに整えられて
いた。すっかりメイキャップも終わると以前の穂の面影はどこにも残っていな
かった。

「どう?美穂」
「・・・・・」

岬優子に感想を尋ねられて穂は何も答えられなかったのである。昔、見たテレ
ビで視聴者がその道のプロ達によって美しく変身させられるのを見たことがあ
るが、まさにその状態であった。眉も剃られ奇麗にメイキャップされた穂は優
子の言うとおり美穂へと変身させられたのである。女は化粧で化けると言うが
男も化粧で化けることを証明していた。

「自分でも驚いているようね。笑」
「もういいだろぅ?帰らしてくれよ」
「なに言ってるの、ここまでは美穂になる為の準備段階よ」
「いったいなにをする気なんだ?」

「優子さん、隣の部屋に準備が出来ています」
「ありがとう」

この店の店長らしい人が優子に話し掛けたのである。

「美穂さん、隣の部屋にいらして」
穂はまな板の鯉であった。言われるままに優子の後に続いた。

隣の部屋はスタジオであった。
「美穂んの記念すべき日を記録に残しておきましょう」
「・・・・・・」
「そこに腰掛けて下さい」
穂はカメラマンの指示にしたがった。

「いいね」
「・・・・・」
「もっと笑って・・・・うん、リラックス」

穂は女の子のよくする笑みを作ろうとしたが顔は引きつるばかりであった。

「OK」

やっと開放されたと思い穂が立ち上がるとそのままと止められてしまった。

「男俳優はまだか?」
カメラマンが言うやいなやドアが開いて男がひとり入って来た。
「おぉ、待っていたところだ。早く準備してくれないか」
「はい」

男は身長が180センチはあるだろうか長身である。体重も80`以上はある
であろう。俳優と言うよりプロレスラーのようなマッチョマンであった。キャ
シャな穂とは対照的である。

「同時にビデオも回すからいいかな?」
「はい」

プロレスラーのようなマッチョが応えた。

「本番、スタート!!」

男は穂に近づくといきなり平手で顔を叩いたのである。スタジオに音が響いた。
演技ではなかった。

「きゃ」
女のような悲鳴が穂の口から漏れた。いつのまにか女としての気持ちを植え付
けられていたのである。スタジオの中にいた人々の口から苦笑が漏れた。
それに気付いた穂は男性の口調を取り戻そうとしたのだが二発目の平手により
それも阻止されてしまった。

唖然としている穂のシャツを男は掴と紙の服を切り裂くような仕草でいとも容
易く毟りとってしまったのだ。

膨らんだ胸がカメラの前に曝された。穂は両手で乳房を隠していた。

「やめて下さい・・・」
穂は力ない声を発するのがやっとであった。しかし、男はなにも聞こえないか
のように穂の髪を鷲掴みにして隣のベットまで引きずっていったのである。

ベットに仰向けにされた穂の上に男が覆いかぶさった。払い除けようとする穂
であったが男の身体はピクリとも動かなかった。逆にその手を取られ頭の上に
万歳をさせられる格好となってしまった。

そうなると身動きが出来なかったのである。男は穂の首筋に自分の唇を近づけ
て来た。穂の全身に寒気が走った。嫌がる穂の表情を喜ぶように男はキッスを
して弄ぶのである。

「やめろぅ!変態!!」
一瞬、男の動きが止まったかのように思ったが、そうではなかった。唇は穂の
乳首に移動したのであった。こんどは音を立てて乳首を吸い出したのである。

すっかり女性のメイクをさせられた穂の我慢する顔は男に犯されている女その
ものであった。

いつしか不自然な体制で逃れることに力を使い切ってしまった穂は男のなされ
るままになっていたのである。

「観念したようね」
「そろそろ本番に入りましょうか」
「そうね」

二人の男が穂に近づくと、彼のズボンとパンツを一瞬のうちに剥ぎ取ってしま
ったのである。

四つん這いにさせられた穂のアナルに冷たい物を感じていた。誰かがクリーム
を塗ったのである。その事に気がついた時には異物が挿入されていたのであっ
た。

「うぅっ・・・」

後ろから男のゴツイ手が穂のバストを弄っていた。

「どう?感じる?美穂??」
優子がじっと痛みに堪える穂の顔を覗き込んで笑いながら尋ねた。

「答えなさいよ」
そう言うと優子は穂の乳首をクリクリと摘んだ。

「あぁぁ」
「あらあら・・・ペニスが勃起してるわよ」
「うぅぅ」
「感じているのね。笑」

男のペニスが穂のを突き刺していた。

「そんなに勃起したら恥ずかしいでしょ?」
「まだ、女性ホルモンが効いていないみたいね」
「数ヶ月もすれば勃起もしなくなるわ。我慢してね」

優子は穂に向かってひとりでしゃべり続けていた。

「そろそろ、これを使いますか?」
「うん?そうね。女のオルガニズムを体感させてあげて」

男は自分のペニスを抜き去ると奇妙な格好をした器具を取り出したのである。
冷たい感覚が穂を再び襲った。


30分も続いただろうか。四つん這いにさせられていた穂の両腕の力はすっか
り消え去っていた。自分の体重を支えることは出来なくなっておりベットにう
つぶせになっていた。それでもお尻は天井に向けて突き出しているのである。
男は穂のアナルに突き刺した器具を片手で軽く動かしているだけであった。

それでも穂の尻は器具に合せてなにかを求めるように動き続けていた。

「どう?気持ちいい?」
「おねがいです。止めて下さい」
穂が優子に懇願していた。
「感じるの?」
「・・・・はい。」
穂はすっかり従順になっていた。

「あぁぁ・・・」
「女になったオルガニズムはどう?」
「・・・・・・」
「どうなの?美穂!」
「はい・・・あっ」

アナルに挿入された器具は前立腺を刺激するものであった。これは女性が感じ
るオルガニズムを男性にあたえるもので絶頂を迎えても絶えることなくオルガ
ニズムを継続させてしまうのである。30分もの絶頂状態が穂の男性としての
自我を完全に崩壊させられていた。

穂が気が付いた時、スタジオには誰もいなかった。途方に暮れていると女性物
の下着と衣服が椅子に置かれていることに穂は気が付いた。仕方なくその衣類
を身につけたのである。

「あら、美穂。自分で着たのね」
「・・・・・」
「とても似合っているわよ。笑」
「そのぉ・・」
「いいのよ。疲れたでしょ?送って行くわ」




「それじゃ。また、明日」

アパートの前で車を降りて優子と別れた。そう、明日があの日から一週間目な
のであった。重い足取りでアパートの階段を上り自分の部屋のドアを開けた。

着ていた女性物の衣服と下着を脱ぎ捨てシャワーを浴びた。穂のアナルには依
然として違和感が残ったままなのである。メイクを落とし素顔に戻ると男性だ
った頃の穂の顔があった。