ナルシスの転落 12・写真集(作:宮城耕一さん)
部屋で新しいガーターストッキングを渡された。網のストッキングだった。
ひどく鞭打たれても休ませてくれなかった。泣いて目茶苦茶になった化粧を直
すと、四階に連れて行かれた。中に入ると、何と女が三人いた。中年を過ぎた
有閑マダムらしい。三人は私を椅子に座らせ股を大きく広げさせ、あそこをし
げしげ見て、いろいろ触ったり調べたりした。屈辱感を感じた。
「写真よりべっぴんやないの。美少年が美少女に変身中ってところね」
三人はそれぞれ写真集を持っていた。それと私を見比べている。私の写真集
なのだ。強烈なショックに頭がクラクラした。絶望感が私を黒く染めた。女が
私に写真集を見せた。次から次へとページをめくった。いじわるな顔で。初め
に撮られた写真と二回目に女の格好をされて撮られた写真が順に並べてグラビ
ア印刷されていた。
「あんたの写真集、高いのよ。何しろ外国で秘密に印刷したそうだから。もう
随分お客を取ったのでしょう? 百人? そんなわけないよね。千人くらいか
な? 自分でも何人かわからないくらい買われてるんでしょ」
女は思い切り膝をつねりあげた。私は悲鳴を上げた。女たちは順番にあそこ
をもてあそびしゃぶったりし始めた。
「もうだめになってるわ。完全にだわ。後は手術だけね」
また言われた。手術はもうじきなのだ。外国に連れて行かれるのかしら。飛
行機はだめだから、漁船か怪しげな貨物船の船倉に監禁されて。女たちはヒー
ルのストラップのフックをはずし、ヒールを脱がせた。
「まあ、いやらしい。もう立派な娼婦ね。紫のペディキュアなんかして」
次にストッキングをはぎ取った。さっきの外人の鞭でつけらた傷や青あざを
見て、立たせて後ろを向かせ、かわいそうにと言ってくれると一瞬思ったが、
その瞬間両方のお尻に爪を立てられた。私はギャグの中からギャっと叫んだ。
前の二人も私の足を一本ずつつかまえて、傷や青あざに爪を立てた。
「あんたはマゾに調教されてるのでしょ。私たちも親切に調教して上げてるの
よ」
「でも、商売も楽じゃないね」
「商売じゃないわよ。この子ら、売らされるばかりでお金ももらえない奴隷だ
からね。客にこうしてもてあそばれ、残酷な目にあうのが宿命なのよ。天の定
めよ」
赤い服の女が左腕の内側を思いっきりつねった。また悲鳴を上げた。それが
合図であるかのように女たちはスリップ姿になった。ピンクにベージュに黒だ
。縄をほどいてブラジャーをはぎとった。後はボール・ギャグだけだ。ところ
がそれは外さず、前手錠をかけて天井からチェーンを下ろして両手を引き上げ
た。爪先立ちの状態で手錠が手首に食い込んだ。女たちは私の体中、つねった
りねぶったり爪を立てたりして、チェーンを少し下ろして腰を後ろに突き出さ
せ、アヌスを開いて指を入れたりした。
「いつもここで男のものを受け入れてんのね」
「よくもこんな小さな穴に入るのね」
「大昔からホモはここにアレ入れてるじゃない」
「でも、つまらないわね。最初につかまえた時に教えてくれたら、外人の美少
年を徹底的にもてあそぶことが出来たのに。一カ月でも独占したいわ。次の外
人の男の子の入荷予定、ないのかしら」
「スケベエね。外人の美少年をここの人たちがつかまえるのは、たいてい今回
だけだわよ」
「マレッタはたまたま一人で日本に旅行に来ていて、ここの人が見つけて上手
にさらったんだって」
「警察も新聞もどこもいなくなったこと知らないのね」
「でも国の両親は大使館に捜索願は出してるのじゃない?」
「日本人の女の子も時々外国で行方不明になってるじゃない。みんな娼婦にさ
れるのよ」
「そんなこと分かりきったことだわ。それよりせっかくお金を払ったんだから
、マレッタの体で楽しみましょうよ」
私は下ろされて前手錠のまま、ベッドに追い上げられた。三人はスリップの
まま私の体の上に乗り、あちこちまさぐりだした。つねったり爪を立てたりす
るくらいで鞭打ちとか浣腸とか、つらい目に合わなくてすむのだ。安心したが
、つまらなかった。女たちは私の体を愛撫ししゃぶり、私は少しずつ燃え始め
てきた。ピンクがギャグをはずし、パンティを脱いで、私の頭をまたいだ。
「おなめ!」
私は女の秘部をまじまじ見た。初めて見た。私はもうじきこのような秘部を
あそこのかわりに身につけるのだ。とりあえず割れ目を舌でなめあげた。ピン
クはいっそう秘部を私の口に押しつけ手錠されている両腕を押さえつけた。私
は懸命になめはじめ、割れ目の中に舌を差し入れ、上のクリトリスを舐め回し
た。
「いいわ!」
ピンクが叫んだ。
「早く変わってね」
誰かが言った。私はクリトリスを集中的に舌で刺激した。持ち上げる頭が重
い。とりあえずピンクをいかせねばならない。ピンクは腰を振り出した。私は
それを追いかけながら舌を使った。とにかく私には初めての女性を体験してい
るのだ。たとえ中年を過ぎていても。最後につきあった女子学生を思い出した。
三回のデートで駄目になった。顔は思い出しても、名前はわからない。初めて
私の体を強引に触ってきた大人の女の顔を思い出した。私の舌は早くなってい
た。
「イク! イクワ!」
ピンクが倒れてそのおなかが私の顔を覆ってしまった。息をするのも困難だ。
「変わってよう」
次にベージュがのしかかり、スリップをずらせてオッパイをなめさせ、乳首
をかませた。言われるままに両方のオッパイをねぶり、乳首をかんだ。女はこ
うされると喜ぶのか。でもすでにオッパイはいつもこうされて私は興奮してい
るのだ。何を今さらそんなことを納得しているのだ。ベージュはパンティを脱
いで放り投げ、秘部を押しつけてきた。私は女をイカセル要領が少しはわかっ
たので、ほとんどの舌をクリトリスに集中した。上に伸ばされた両腕を猛烈に
押さえつけられているので、腕が痛かった。手首の手錠はきつく絞まったまま
だ。懸命の舌の奮闘でベージュもイッタ。最後は黒だった。舌が疲れていて舌
の根元が痛んできて、イカセルのに時間がかかった。しかし、その方がイキヨ
ウはすさまじかった。
女たちは満足して服に着替え、私を元の通り後ろ手に縛り、ギャグと首輪を
して、首輪の鎖を天井のチェーンに結びつけ、私を爪先立ちの状態にした。そ
してベージュがピアスをはずしてバッグに入れ、黒がハイヒールを袋に入れ、
ピンクがガーターベルトと網のガーターストッキング、ヘヤーバンドを自分の
バッグに入れた。私のものを盗むのだ。私は「うう!うう!」と抗議の声を上
げた。黒は笑いながら、「記念にもらっておくわね。また新しいのをもらえる
わよ」
女たちは私の数少ないものまではぎ取って満足して出て行った。私の体は生
煮えの状態で、爪先で立っているのもつらかった。早く、ここの誰でもいい、
来てくれて、私を犯してほしかった。はっとした。そのためにここの男たちは
客を取った後、私たちを抱き、満足させているのだ。そうして私たちは従順に
なっていき、セックス奴隷の身になじんでいくというシステムなのだ。
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