ナルシスの転落 19・あたし、女子高校生(作:宮城耕一さん)


 ギラギラが手錠をはずして出て行った。見たこともない男たちに、あそこの
毛がちょろちょろ生えかけている割れ目とオッパイ丸出しのガーターとヒール
姿であたしは立っていた。
「おい、こっちに来てこれに着替えろ」
 口ひげの男がさっとビニールの包みを投げた。あたしは近寄って中身を赤い
布の上にぶちまけた。なんと冬物のセーラー服と学生用の靴と通学カバン、白
のソックスと白のブラジャー、白のパンティだ。
「これ、あたし、着るんですか?」
「早く着て用意しろ」
 あたしは男たちに背を向けてガーターベルトをはずし、ストッキングを脱ぎ
、ヒールを脱いだ。白のパンティはいかにも女子高校生がはいていそうなキテ
ィちゃんの模様のついたものだった。あたし、パンティ、はきたかったけど、
こんなんじゃいやだわ。高校生チックなブラジャーをして紺の襞スカートをは
いてセーラー服をかぶり、腕を通して脇のジッパーを下げた。リボンをきれい
に広げて結ぶのは苦労したけど、何とかできた。ソックスを上からきれいに折
り畳んでくるぶしのところまで下げた。学生用の靴をはき終わって、あたしは
後ろを振り向いた。
「おい、ピアスをそこの化粧台の上に置いて来い」
 口ひげが監督のようだった。化粧台の前に椅子とたくさんの化粧品があり、
横にはトイレがあった。あたしは深い緑色の学生鞄を持たされた。真っ白な壁
の前にたった。三機の照明が点灯された。まぶしくて熱かった。カメラマンが
五メートル前に来た。あたしは両手で鞄をスカートの前に持ってにっこり微笑
めと言われた。にっこり微笑んだ。シャッターが二回、三回と切られた。
「おまえ、それでにっこりか、アホか」
 あたしはにっこりを繰り返した。その時、性転換されてからお尻に注射され
ていないことをまた思い出した。あたしのオッパイは小さくなるんだろうか。
 口ひげが近づいてきた。
「おまえ、他のこと考えてるんだろ」
 パシッと音がして左の頬をたたかれた。
「すみません、ごめんなさい、一生懸命やりますから、許してください」
「おまえは処女だろ。男に抱かれていない体だ。今おまえは処女の女子高校生
だ。世の中のことを何も知らず、恋を夢見る高校生だ。そのつもりでポーズを
取れ。いいな」
「わかりました」
 あたしは少し上を見上げ、空想した。あたしは女子高校生、恋を夢見る高校
生、美しい女子高校生のあたし。カメラマンが左に移動したり、右に移動した
り、斜め下に移動したりしてシャッターを切り続けた。
「ご苦労さん、やれば出来るじゃないか。次は鞄を左手で下げて横を向いて微
笑め」
 いろいろなポーズで写真を撮られた。フィルムも何本目かになっていた。あ
たしは赤い布にじかに横座りにされて写真を撮られた。右足を延ばして左足を
L字型にされた。次にその形で足をもっと広げさせられてスカートを少しまく
られた。ついでもっとめくりあげられた。きっと中のパンティも写されている
のだわ。あたしはにこにこの表情のままだった。パンティを取られて右足の太
股にからめられた。その状態で割れ目が見えているのを撮られた。やっぱり。
そして左手でオマ○コを自分で広げさせられてにっこり微笑み、記念写真を撮
られた。
「休憩!」
 口ひげの声で照明が落とされ、あたしはトイレに駆け込んだ。トイレから出
ると、口ひげがインターホンで「休憩します。食事をお願いします」と言って
いた。案外、上品なんだわ、監督さんと思った。あたしは男たちとは離れて部
屋の隅っこで夕食の弁当を食べた。彼らは缶ビールを飲み、煙草をスパスパ吸
っていた。
 さらわれてたいてい一年半たったのだろう。村井のマンションでビールを飲
んでから全然飲んでいなかった。ジュースやコーラやコーヒー紅茶、そういう
飲み物すらあたしから奪われたんだわ。ビールが飲みたい。煙草も吸ってみた
い。彼らはあたしを無視してしゃべり笑っている。何を話しているのか、理解
できなかった。少なくとも女として、今日、お客を取るのではないことはわか
った。もしかしてお客を取るのは大分先で、しばらく写真のモデルの仕事をさ
せられるのだわ。フェラ嬢のお仕事している時に、お客の誰かが言ってくれた
、「君はモデルになれるよ」って。フェラのお客の印象は薄くて顔も思い出せ
ないわ。最後の三カットまでは本当のモデルだった。最後にパンチラ、割れ目
、オマ○コ開きだったわ。これからどう撮影されるのかわからないけど、ヌー
ドにされ、たいてい縛られる。早く縛ってほしい。縄がほしいの。
「マレッタ、椅子を持ってきてセーラー服の上からオッパイもめ、再開だ」
 あたしは椅子を赤い布の真ん中に運んで両足を左に流すようにして座り、両
手で服の上からオッパイをもみはじめた。照明がついた。スタートが早すぎた
。あたし、がっついていた。丸見えではずかしいわ。オッパイをもみ続けた。
体が少しずつ燃えはじめてきた。カメラマンがカメラを構えている。あたしを
見ている口ひげ、カメラ、照明の三人、何もしていない男の顔を見回しながら
、あたしは男たちの前ではずかしいことをしているのだわ、いや、はずかしい
ことを強制されているのだわ。体に火がつき、あそこが濡れはじめているのが
わかる。シャッターの音がしはじめた。あたしは顔を上に上げ、右に振り、左
に振り、口が半開きになり、顔が赤くなっているように思えた。あたしは勝手
にリボンをほどきセーラー服の左脇のジッパーを開き、ブラジャーの上からオ
ッパイをもんだ。胸をおおっている布のホックをはずして前からブラジャーに
右手を突っ込んで左のオッパイをじかにもんだ。興奮していた。セーラー服が
邪魔になった。勝手に脱ぎ捨て、ブラジャーからオッパイをつかみだして乳首
を握り潰し、オッパイを持ち上げて自分でしゃぶり、乳首を噛もうとしたけど
、口が届かなかった。シャッター音が耳にこだましていた。撮影などどうでも
よかった。
「休憩! マレッタ休め。乗ってきたじゃないか。ビール飲むか」
「はい、お願いします」
 あたしはオッパイをブラジャーにおさめセーラー服を着直した。必死にリボ
ンをきれいに結び直した。面倒だわ、リボンって。男たちは缶ビールを飲み、
煙草に火をつけた。カメラマンはフィルムを取り出して二台のカメラにフィル
ムを装填していた。一年半ぶりのビールはおいしかった。ぐびぐび飲んでむせ
た。口ひげは、「どうだ、うまいか。マレッタは煙草を吸うのか」と尋ねた。
「いえ、まだ吸ったことありません。未成年ですから」
「幾つだい?」
「十九です」
「そうか、じゃいらんな」
「いえ、一度吸ってみたいって思っていたんです。お願いします。吸わせてく
ださい」
 口ひげは煙草を一本くれ、火をつけてくれた。あたしはすうっと吸い込んだ
。猛烈にむせた。男たちが笑った。
「マレッタ、こっちへ来いよ」
 あたしは男たちのところに椅子を持って行って、一緒に煙草を吸いビールを
飲んだ。
「おまえ、乗ってんな」
「ええ、だんだん乗ってきました」
「おまえはいいモデルだ」
「ありがとうございます」
「おまえは素直な子だな」
「はい、小さい時からよく言われました」
「気は強い方か」
「いえ、そのう、あんまりそうじゃないんです」
「マレッタ、迫られた時はどうしていたんだい」
「そのう、あのう、体がしびれたようになって、迫られた途端にです。それで
、後ずさりするように腰が引けてしまって、それで」
「どうしたんだい」
「それで、たいてい捕まって、さわられたり、そのほかなんとかされて」
「なんとかってなんだい? それでうまく逃げられたことはあるのかい」
「そのう、あたし、一度もないんです。いつももてあそばれてきたんです」
「もてあそばれるのはいやかい」
「そのう、そうでもないから困るんです。あたし、初めての時は怖かったけれ
ど、やっぱり感じてしまって。二回目の時にはもう抵抗力そんなになくて、さ
わられはじめたらすぐ感じるようになってしまったんです」
「初めて迫られたのは幾つくらいのことなんだ」
「中学に入ってすぐでした。学校の帰りに見たことのないおばさんが呼び止め
て、あんたきれいな顔をしてるね、茶色の髪も目の色も素敵、ちょっとお話し
ましょうって、公園のベンチに座らされて、帰り道、公園の横の道なんです」
「それで」
「公園の端っこのベンチに連れて行かれて、そこ、誰からも見られないところ
で、おばさん、あたしの手をさわって、すべすべししていていい肌ね、手を撫
でて首を撫でて頭を押し下げられて後ろの首を撫でて、なめられだしたんです
。途端にジーンときて頭がぼーっとなって力が抜けてふにゃふにゃになってし
まいました。それから耳をしゃぶられてとっても興奮して」
「最後までいった」
「いえ、手や首をなめられた後、キスされて終わりでした」
「後、どんな気持ちした」
「腰抜けたようで、悶々として」
「その中年女とはそれっきりかい」
「いえ、後五、六回。半年したら突然現れてまた連れ込まれてキスで終わりで
した。それ以上はなかったです」
 カメラが聞いてきた。
「マレッタ、男に迫られたのはいつだい」
「中学です」
「やられたのか」
「あの、あたし、電車通学だったので痴漢されました」
「何回くらい」
「おぼえてません。何十回って感じです。されながら、なんであたしだけ痴漢
されるのって思っていました」
「いったことあるの」
「いえ、中学も高校も比較的乗っている時間短かったから」
「高校生の時も痴漢の餌食だったんだな」
「あたし、ずっと餌食でした」
 男たちが大笑いした。
「高校卒業してからイッタことあるんだろう」
「はい、一度イッテしまいました。急行で駅から駅まで二十分か三十分あって
、あたし、右手で必死に吊り輪を握り、必死にこらえていたけど声が出そうで
、はずかしくて、とうとうイッテしまいました」
「イッタ後、気持ち良かったかい」
「はい、イク瞬間は気が抜けたようで。でも駅のトイレに駆け込んで下着捨て
ちゃいました。あたし、けがされたんだって」
「けがされたって、その時初めて思ったの」
「いえ、初めていたずらされた時からです」
「じゃ、おまえ、いつもいろんなやつにけがされてたんだ。そうなりゃ宿命、
天の定めってもんだ」
「はい、いつかもそれが天の定めって言われて観念しました」
 照明が口をはさんだ。
「マレッタは素直と言えば素直だが、こりゃ、あけすけだ。そんなに自分の弱
みをペラペラ喋るもんじゃないよ。馬鹿だよ。おまえ、人間は善人ばかりと思
ってんのか」
「悪人もいると思っています」
「ホントか、コイツ。まあいいや、きりないや。マレッタはおまえに対して犯
罪が行われても体が反応するんだ。体が燃えれば悪人が善人に見えちゃう。生
まれつきのマゾだ。俺たちゃ好き放題やれるってことだ。だけど俺たちゃプロ
だ。プロは雇われてるってことだ。契約した通りのスケジュールでいくから、
おまえ、しばらく本番ないからな。カメラの前でオナルか、部屋に帰って一人
でせいぜいオナルことだな」
 上半身裸からスタートした。勝手にオナレ、スカートは取るなよと言われた
。
 椅子に座ってあたし、オッパイもんだりしたけど、ある程度までしかイカナ
イので、パンティ脱いでオマ○コを指で触ろうとした。男が飛んできて、ポイ
しちゃったパンティを左足からはかせ、左の太股にからめさせ、左足を大きく
広げさせて椅子に乗せ、スカートをまくりあげた。「再開!」という声がした。
 あたし、左手でオッパイを右手の指でオマ○コの周囲をくるくるさすり、ク
リトリスを集中的に撫で回した。燃えてきた。左手は右のオッパイも左のオッ
パイもぎゅうぎゅうつかみ、右の指は必死にクリちゃんをこすりあげた。あた
しは首をのけぞらせ声をあげて首を右に左に振り、髪がバッサバッサと音を立
てるのを聞いた。シャッター音がまざっていた。「イク」と言ってのけぞり、
椅子から背後にひっくり返ってしまった。
「良かったか」 口ひげが言った。
「はい、久しぶりです」
「そうか、元通りセーラー服を着て。パンティもだぞ。もう少し撮って今日は
終了だ」
「はい」
 セーラー服のリボンを元通りきれいに結んで、全裸の撮影は今日はないなと
思った。後は縛りだ、ぞくぞくする。けど夕食から大分時間がたっているから
、明日もあたしは女子高校生だ。赤い布の真ん中に横座りに座らされ、短い縄
で両手を前縛りにされ、両足もそろえて縛られた。シャッター音がしはじめた
。今まで何もしていなかった男がサングラスをかけてあたしの後ろに回り込み
、背後からオッパイをつかんでもみはじめた。
「イヤ、ヤメテ!」
 あたしは思わず叫んで逃れようともがきはじめた。サングラスはセーラー服
の上からもみしだいてうなじをしゃぶりだした。
「ヤメテ、モウヤメテ、イヤー」
 あたしはギャグされないでこんな状況でなぶられるのがおぞましい気がした
。サングラスはあたしの耳をなめまわし、セーラー服の下から両手を入れてブ
ラジャーごしにオッパイをもんだ。あたしは自分でもびっくりしながら、「イ
ヤ、ヤメテ」を連発していた。あたしはレイプされる高校生。左脇のジッパー
を引き開けられ、セーラー服がめくりあげられた。スカートがまくられ、パン
ティの布ごしにクリトリスを触られた。サングラスの指がパンティの股間のと
ころからあたしの中に入り、シュポシュポやられた。あたしはうつ伏せにされ
、スカートを背中にめくりあげられ、パンティをずり下げられた。腰を抱き起
こされて女の道具をむき出しにされ、アヌスに指を出し入れされ、オマ○コを
指で広げられた。カシャカシャが激しく鳴り、指を突っ込まれ、中でくねくね
動かされた。
「よーし」
 あたしは、はーはーしていた。サングラスはジャケッツを脱ぎ、あたしのパ
ンティを引き上げた。あたしは肩で息をしていた。不完全燃焼だ。サングラス
が長い縄で後ろ手に縛った。何枚か撮られると赤い布で猿ぐつわをされた。両
足は縛られたままだ。ついでジッパーを開けられ、セーラー服の前を上にずり
上げて、オッパイの上までたくしあげ、ブラジャーを露出させた。両方のオッ
パイが縄の間からつかみ出された。何枚か撮られてサングラスが全裸になった
。竜の入れ墨が背中から腰まで彫られてあり、腕の上腕部まで入れ墨がされて
あった。あたしのエロ写真の相手役なのだ。けれどこのヤクザのものがあたし
の中に入れられるのは、客を取らされるようになってからだろうと思った。
 フェラチオしやすいように椅子に座らされ、足の縄をほどかれた。パンティ
が抜かれ、左足にはかされて太股にからまされた。椅子に浅く座らされて、オ
マ○コ全開の状態で足を広げて縛られた。竜ヤクザのものが突きつけられ、あ
たしはしゃぶりはじめた。ヤクザに凌辱される女子高校生があたし。チ○ポに
は小さな真珠が入れられてあるようで、あんなのがあたしの中に入ったら、あ
たし狂っちゃうわ。カメラはいろいろな方向からあたしたちを撮った。ヤクザ
のものはどんどん硬くなり、パッと引き抜かれて、精液をあたしの顔に放った
。口にも少し入ってごくりと飲み込んだ。
「終わりまーす」
 口ひげが言った。
「ご苦労さん、お疲れさまでした」
 みんなが言い合っていた。口ひげがインターホンに向かって、「本日分、終
わりました」と言った。あたしの顔の精液は誰も取ってくれない。ヤクザが服
を着終わってから、顔と髪、首に飛び散った精液をティッシュでぬぐってくれ
、縄をほどいてくれた。「マレッタ、うまいじゃないか。これからも頼むよ」
「よろしくお願いします」と言いながら、パンティをはき、オッパイをブラジ
ャーに押し込んで、セーラー服を着直した。
 ひょろひょろが現れて、夜食と缶ビールを持ってきた。あたしはサンドイッ
チをぱくつきながら、この部屋を出る時は、またガーターにヒール、後ろ手錠
で出るんだろうなあと思った。口ひげが、お嬢さん、煙草が吸いたいそうだか
ら支給してやってくれやと言った。ひょろひょろが明日から支給するように言
っておきますと答えた。
 監督やカメラや照明、相手役が出て行った。あたしはセーラー服のまま、後
ろ手錠をされて最後に撮影室を出た。吊るし部屋にも調教室にも誰もいなかっ
た。部屋に帰されて手錠をはずされた。ひょろひょろは写真は昼からだからな
、煙草の差し入れは言っておくよと言い残して出て行った。鍵の音が三回した
。
 あたしは化粧を落とす必要はなかったけど、化粧台の椅子に座り、セーラー
服姿のあたしを見た。へえっと思った。セーラー服を着たら、こんな感じにな
るのか。鏡に遠ざかってみたり、横向きに写したりした。外国から留学に来て
いる女子高校生に見えるなと思った。もうベッドに横になったらいいのに、そ
の気になれなかった。
 あたしは今日、少し満足した。少しの間だけ縛られて猿ぐつわされた。口に
食い込んだ布の猿ぐつわは舌で押し出そうとしても、口を動かしてはずそうと
しても、はずれなかった。縄と言い手錠と言い猿ぐつわと言い、昔から人間は
人間をつかまえて奴隷にしてきたんだわ。
 あたしは鏡の前で浅く腰をかけて、さっきのカットのようにスカートをまく
りあげ、パンティを左の太股にからませて、全開を鏡に映した。とってもいや
らしい高校生だわ。セーラー服の前の布のホックを取って、左手でブラジャー
の下の右のオッパイをもみ、右の指でオナニーをはじめた。あたしはあたしの
顔とセーラー服と女の道具を見て、体に火がつき、この日、二回目の「イク」
を迎えた。
 あたしは高校生のパンティをはいたまま毛布にくるまって寝た。さらわれて
からパジャマやネグリジェの支給はなかった。ここで身につけていたのはガー
ターベルトにガーターストッキング、ピンヒール、客を取るようになってから
ブラジャー。みんな寝る時、脱ぐ物ばかり。あたしは起きてパンティが汚れて
いないか調べた。やっぱり底にシミ。水に濡らして石鹸をつけ、もみ洗いした
。お昼までしか乾かす時間がないから、できるだけパンティが濡れないように
洗った。ブラジャーして襞スカートをはき、セーラー服を着ようと思ってたけ
ど、汚したらと思ってやめた。全部撮影用だ。ベッドの上に置いておいて、結
局、昼食まで全裸でいることにした。
 朝食を取りながら、昨日、昼食の後、大分してから撮影が始まったんだわ。
それまで暇だわ。何をしようかと思った。でも、あたし、やっぱり変だわ。調
教中も客を取らされるようになっても、フェラのお仕事している時でも、調教
もお客もみんな昼からで、午前中は遅く起きるからそれほど時間がないといっ
ても、これまでずっと暇だったんだわ。あたし、なんで今頃になって暇だって
感じだしたのかしら。煙草を吸いたいと思い始めたのはそれと関係あるのかし
ら。朝食終わったら、さあオナニましょうって気分にはなれっこないわ。
 ドアの差し入れ口が開いて、灰皿と煙草一箱、マイルドセブン、ライターが
支給された。百円ライターだ。これで時間つぶせるわ。化粧台に灰皿を置いて
煙草に火をつけた。あたし、なんでこんなの吸いたいと思ったのかしら。でも
ぼんやりして落ち着いていられる。朝はいつもお化粧にいろいろ挑戦していて
、それで時間が気にならなかったのだわ。今の撮影にはお化粧はいらないけど
。煙を鏡のあたしに吹きかけた。まあいいか、昼食後にお化粧を落とせばいい
んだ。顔だけにしておこう。でも、どうせあのブラジャーとパンティは今日か
明日にはお別れなんだから、身につけておこう。