ナルシスの転落 22・短大生の二日目(作:宮城耕一さん)
夜の撮影の開始が遅かったので、普通のモデルの写真を十カットくらい撮っ
て、軽い縛りも同じくらい撮って、その日のお仕事は終わった。迎えにきたの
は村井だった。村井は後ろ手錠をしてあたしを部屋に戻し、手錠をはずしてく
れた。彼はすぐに出て行かないで、今日はつらかっただろうとか言ってあたし
に近づいてきた。狭くて逃げ場がない。あたしは後ずさりしてベッドに追い込
まれ、イヤーと叫んで拒んだけれど、村井にのしかかられた。彼はあたしの首
筋をなめながら短大の制服の前ボタンを開け、リボンを取ってブラウスを開い
た。あたしはイヤ、ヤメテ、アンタナンカキライヨ、サワライデと叫んで彼の
肩や背中をたたいたりしたけれど、ブラジャーからつかみ出された乳首をかま
れ、オッパイをもまれ、スカートをたくしあげられてパンティの隙間から女の
道具に指を入れられると、体に火がついて燃え出してきて、あたし、今からレ
イプされるんだわと思った途端に力が抜けてしまった。それを見て村井は制服
を脱がせ、ブラウスとブラジャーをはぎとり、もう一度上半身を愛撫し、女の
道具の中で指を動かし続けた。すっかりおとなしくなりあえぎ出すと、彼はポ
ケットから縄を出して後ろ手に縛り上げ、オッパイの上下にも縄を渡して絞り
上げた。ひっくり返されてヒールとパンストをパンティごと脱がされ、スカー
トを取られた。あたしは女になって処女を村井に奪われるのだわ。あのマンシ
ョンであたしの体を初めて奪ったのも村井、女に性転換されてあたしの女を奪
うのも村井なんだわと思った。どっちみちあたしは恋愛できず、客を取らされ
る娼婦なんだわ。ちょっぴり涙が出たけど、ずんずん体が燃えてきて、イキタ
イって思った。アヌスでなく、女のところに突き刺してちょうだい! でも村
井の男のものが突き刺したのは竜ヤクザと同じで、アヌスだった。でも、アヌ
スで二回か三回、あたしはイッタ。村井の精液があたしのはらわたの中にしみ
こんでいった。村井は果てた後にあたしの口の中に舌を差し入れ、あたしの口
を吸った。縄をほどかれながら良かったよと言われた。あたしは無言だった。
あたし、村井を愛しているのかしら。
村井は服を着て出て行って、きっちり三つの鍵をかけてあたしを監禁した。
あたしは起き上がって散乱している撮影衣装を集め、きちんと畳んでベッドの
柵にかけておいた。パンティとブラジャーをして足が冷たいのでヒールをはい
て、化粧台の前の椅子に座って煙草を吸った。今日の後半の撮影はセクシャル
なものはほんのちょっぴりで、相手役のヤクザはもっぱらあたしを縛るだけで
さわりもしなかった。あたし、シーメイルお別れ撮影会以来、初めてアヌスだ
けど、性交したんだ。村井さんと。本当の名前でなくても良かった。村井さん
に愛されたんだって、なんだか深い満足感をおぼえていた。それからお化粧を
落としてピアスはしたままにして、スリップほしいなと思いながらベッドに入
った。
目が覚めて思ったことは、お客取らされるまで、お口やアヌスの本番はある
んだ、けれど男の体は女のように何回もイクことは出来ない不幸な体。ヤクザ
もあたしの中に出すのは一日に一回か二回しか出せないから、高校生だった時
のように、ズボっとはめて写真撮ったら終了がほとんどで、あの人、かわいそ
うだわ。あたし、女にされてよかったわって思った。そして、昨日のお化粧、
物足りなかったわ。シーメイルでお客を取るようになって、ガーターにピンヒ
ールといういかにも娼婦という衣装のせいもあるけど、あたし、どんどんお化
粧が濃くなっていったわ。今日は昨日よりは濃いめの化粧にしようと決めて、
なんだかさわやかな気分でベッドから起きた。
さわやかなのは村井さんに愛されたからなんだ。でも、ここではまたひげや
ギラギラ、細面とかが同じようにアヌスに突っ込んでくる可能性あるわ。あた
し、心をめちゃめちゃにされるのかもしれないわ。けど、なるようになるのよ
。ここに後一年もいるはずがないわ。考えるのはよそう。あたし、監禁されて
いて、手錠や縄でいつも縛られている身で、どこにも自由がないセックス奴隷
なんだわ。肉奴隷、縄奴隷、縄娼婦マレッタ。
昨日のマニキュアやペディキュアを落として、足に塗った桃色を手の爪に塗
り、足の爪には明るい赤色を塗った。ファウンデーションは昨日より少し濃い
めのを選び、青のアイシャドウは太いめに塗った。マスカラもして髪をブラッ
シングして耳元にヘヤピンして、化粧台にあった群青色の幅の広いヘヤーバン
ドをした。出来上がったあたしを見てこれでいいか心配になり、一応ブラウス
とスカートをしてリボンを結んで制服を着て、うまくいけたか、鏡から遠ざか
ったり、横を向いたりして確かめた。たいていお化粧やり直しって言われない
わ。
制服とブラウスのボタンをはずされ、ピンクのブラジャーが見えている状態
で、いつものように縄がけされて撮影が始まった。オッパイをつかみ出された
写真の後、縄をほどかれて制服とスカートを脱がされ、上半身を一本の縄で縛
った後に、もう一本で首縄されてオッパイを絞り出され、おへそのまわりを絞
られてパンストをずり下げられ、さらに股間をパンテイごしに縛られた。椅子
に座って股間部を突き出すようにされ、パンティをずらされて縄があそこに食
い込んできた。あたし、じかに股縄されて感じ始めた。両足開かされて縛られ
て、ヤクザがオッパイをしゃぶったりもんだりしはじめ、燃えはじめてきた。
股縄はシーメイルの時にあたしを侮辱するために、小さくなってしまった男の
ものを露出するように縛られたことがあっただけ。あの泥棒女三人に。撮影会
でもされたわ。
いい加減に感じはじめてきたところで、「ストップ」。また縄を全部ほどか
れた。今度はヒールだけにならされた。ブラウスとパンストを脱がされちゃっ
た。
「マレッタ、それ取っちゃえ、おまえ、邪魔だろ」
「それって、これですか」
「パンティに決まってるだろ、馬鹿、ハイヒール、邪魔になるのか、なんねえ
だろ」
あたしはパンティを脱いだ。ドアが開いて人相の悪い新人が現れ、青いシー
トを敷きはじめた。また浣腸かと思った。ヤクザが「後ろ手に組め」と言った
ので、後ろ手に組んだ。ヤクザは後ろ手に縛って胸縄をして両脇で縄止めした
。さっきのように首縄をしてオッパイを絞り上げ、おへその回りも絞り上げ、
縄にこぶを作ってこぶが女の道具にかぶさるように股縄をかけた。今度はじか
にオマ○コにこぶが食い込み、動くとクリトリスを摩擦した。耐えられないわ
、とっても。あたしはしゃがみこみはじめた。ヤクザが両脇を抱えて青のシー
トに連れて行って座らせた。引き返して縄をもう一本持ってきて、両足をそろ
えさせられた。足首と膝の下と太股に縄をかけて縛り上げた。あたし、座って
いられなくてのけぞった。浣腸じゃないわ。あたし、何されるの。もうヒール
しかないから、ただの女よ。短大生でなくなったんだわ。
ヤクザはパンツ一枚になって赤くて長いものを持って近寄ってきた。大きな
ロウソクだ。S・M写真集で見ただけよ。されたことないわ。ヤクザは二本の
ロウソクにライターで火をつけ、あたしの体にまたがった。アツイ、アッと叫
んだ。ポタポタ、オッパイめがけて落ちてくる。こんなにたくさん縛られてい
るのでろくに逃げることができない。アツイ、アツイと思っているうちに、あ
たしの体も熱くなってきた。ロウソクは瞬間アツイだけ。でも、体のあちこち
に瞬間的に熱いものを垂らされると、耐えきれなくなってきた。あたし、もだ
えはじめ、必死に縛られた足や体を動かして、オッパイへの攻撃をかわそうと
して、なんとか裏返った。ヤクザは今度は集中的にお尻にロウソクを垂らし、
必死にお尻を振ったら、てのひらを開かされてそこにロウソクを垂らされた。
初めは悶えていたけど、今はヤメテ、イヤ、コンナノイヤ、イジメナイデと叫
んで、涙を流していた。
誰かがあたしを抱き起こして、他の誰かがあたしの舌を引っ張りだした。そ
こにも真っ赤なロウがしたたり、あたしの舌を焼いた。
「ストップ」
口ひげの声が聞こえた。舌のロウをはがされ、何人か回りに集まってきて体
中のロウをはがし、縄を全部ほどいた。口ひげがインターホンで連絡していた
。やっと落ち着いて邪魔で意味ないかもしれないけれど、パンティを探しては
き、パンストも探してもとの短大生の姿に帰った。ひげが来て、シートについ
ているロウをはがして掃き、掃除機で赤いロウを吸い込んでシートを巻き上げ
て出て行った。あたし、お化粧直さなくっちゃ。
六十男が夕食と缶ビールを持ってきた。あたし、今日は照明のおとなしい男
から煙草をもらって一本吸った。みんなも煙草を一本吸ってから食事にかかっ
た。
「ロウソク、そんなにつらいかな」と照明の細目が言った。
「一つ二つだったら瞬間的にアツイと感じるだけでそれほどでもないんだけど
。でも、あちこちにポタポタ落とされると、そのアツイ点があちこちに移動し
てたまらなくなっていくんです。ポタポタの時間短かったら、あたし、あそこ
までいかなかったと思うわ。裏返しになってもやられて、舌も引き出されてや
られて、あたし、狂いそうでした」
「この後はもっと苦しいからな。もっともさんざん経験しているから、それほ
どでもないだろうけれど」
「後は鞭打ちと吊るしかな」
「それしかないもんな」
「調教期間中、毎日一時間吊られました。お客取る時、半分くらいのお客さん
は、まずあたしを天井についているチェーンで吊るしておいてから、自分の服
を脱いで、吊られたままのあたしをたっぷり楽しんでから下ろして、あたしを
本格的に責めるというのが多かったです」
「慣れてんだ」
「でも、逆さ吊りはとってもこたえます」
「あれ、長くやったら死ぬかもしんねえからな。逆さはあるけど短いから安心
しな」
「あのう、昨日の話の続きなんですけど、やぼったい女、センスのない女は調
教しても効果がないんでしょう。どんな女が向いているんです」
「一つは答えが出ているだろ。センスのいい、感覚の鋭い女。おまえ、そのタ
イプでもあるよな。感受性鋭いんだろ。それとやっぱりおまえのタイプなんだ
が、どこまでも受け身で与えられた感覚に酔いしれる女だ。マレッタのような
女はすぐにマゾにしこめる。あっという間にだよ。もう一つは知性とかプライ
ドとかあって、キャリアウーマンって感じの女。こういうばりばりやってる女
ほど気を張ってるから、その分誰かに徹底的に支配されたい転落さされたいっ
て願望を抱いているもんさ。そういう女はさらわれた時、いろいろ
暴れたりするけど、吊るしとか鞭打ちとか浣腸とか、徹底的にプライドをぶち
壊すような調教されたら、ある日突然体が変わって感じはじめ、転落していく
んだよ」
「そういうキャリアウーマンもさらわれて娼婦にされるんですか」
「いや、そういう女は個人的な注文で一時的にさらわれて調教され、注文主の
愛人にされたり、S・Mクラブの常時出品女にされて、会のある時だけ客を取
らされるのが大体のケースさ。他の日はキャリアウーマンしてるさ」
「そんな人もいるんですね。あたしはもう普通の社会に戻ることはないとあき
らめてますけど。結局、そういう女性含めて、調教される女は、みんなあそこ
と顔の入った写真撮られるんでしょ」
「みんなそうだ」
「その写真、ネットにも流されるんでしょ」
「ああ、特に流すわけじゃないけど、写真は焼増しされたり秘密出版の写真集
にされたりするから、誰でもネットに流せるんだ。マレッタの写真も手に入れ
た客が勝手にスキャナしてばらまいてるよ。おまえがさらわれた時のからシー
メイルの写真まで、ネットにアップされてるとは思わなかったのかい」
「いつだったか、あたし、ネットではずかしい写真ばらまかれているはずって
ことに気がつきました。ネットでも縛られているんだって。外に出たりしたら
、それを見ている男がすぐにあたしを見つけて、捕まって犯されるんだわと思
いました」
「いや、一般の人間はどこのホームページに行けばやばい画像が見られるのか
、案外に知らないものだよ。やっぱりSMの愛好者とかポルノに狂ってる連中
が嗅ぎ当てて見つけ、画像をダウンロードしてパソコンに保存したり、自分の
ホームページにはりつけたりしてるよ。一回、やばい画像がアップされたらあ
っという間に世界中にばらまかれていくもんだよ。マレッタのえげつない写真
はとっくに世界中にばらまかれた後だよ。いや、今も無限にばらまかれてるん
だよ」
「世界中に、そうですね、本当に世界中になんですね、マゾ娼婦の焼き印つき
で」
「マレッタ、短大はさっきので卒業だ。前のようにどぎつい化粧にガーターに
戻れ。化粧が終わったら吊るし部屋に移動だ」
「はい、わかりました」
あたしはもう一本煙草を吸って、化粧台に向かった。たいてい、明日からお
客を取らされるんだわ。でも夕方からだろう。予約客が一巡したら、この人た
ちが裏ビデオを撮るんだろう。涙で化粧が崩れていたので直した。アイシャド
ウをとって、アイブロウとアイラインをきつく描いた。アイシャドウは赤いの
を目蓋の上にべったり塗り、眉毛の下には少し薄いめに塗った。ビューラーで
睫毛を曲げてマスカラをつけ、前にしたように銀の粉をつけようと思ったけど
、撮影には効果がないわと思ってやめた。それでやめてもなんだから、金の粉
を目尻のあたりにアイシャドウした。化粧を変えたら、娼婦らしい顔になった
。これが本当のあたしなんだわ。用意されていたのは大きな編み目の赤のガー
ターストッキングと同じ色のフリルの多いガーターベルト、銀色のサンダルピ
ンヒール、足首にストラップを巻くタイプだった。パンティはなかった。あた
し、ティパックとは縁がないんだわ。この後は、前のようにいつもノーパンな
のよ。
ごく普通の吊りから始まった。後ろ手に胸縄でというもの。次に右の膝に縄
がかけられ、右膝を直角に上げられて、カメラマンが正面からと、オマ○コと
顔が写るように下に回ってあたしを撮った。ついで左の膝にも縄がかけられて
引き上げられた。椅子に浅く腰をかけさせられ、大股開きの格好だ。この人た
ち、あたしのシーメイルお別れ撮影会にもいたんだわ。照明したり、撮ったり
、縛ったり、犯したりしてたんだわ。常連客以外に初めて見る顔が何人かいた
という記憶が残っているわ。
あたしは床に下ろされた。チェーンが一端はずされ、首縄されてオッパイ絞
り上げられておへその回りをきつく絞られ、その状態で引き上げられた。同じ
三パターン撮られた。ここで調教される女たちはみんな、一日か二日、あるい
は三日、こういう写真を撮られているんだわ。あたしは三日目。その後、裏ビ
デオを二本か三本、全員撮られているんだ。また床に下ろされて二本目の縄の
残りでこぶを作られ、股縄された。ジーンと体がしびれてきた。吊られて同じ
ように撮られ、下ろされてボール・ギャグされた。あたし、羞恥心が無くなっ
てしまっているわ。それだけ普通の女から転落したってことだわ。あ、あたし
、本当は十八の七月の初めまで男の子だったんだわ。いつさらわれたのかも忘
れてしまっているわ。
まっすぐ吊り上げられて、ヤクザが鞭を手にしたのをみた。イヤだ。ギャー
! ギャー! ギャー! あたしは叫びはじめた。シーメイルの撮影会以来だ
わ。とってもこたえた。あたしはギャー、ギャーとしか叫ばなかった。「ウウ
! ウウ!」としか叫べなかったけれど。性転換されたのがいつだったのか、
もうわからない。まだ十八だったのか、十九になってからなのか、あたし、ど
んどん馬鹿になって、娼婦にしかなれなくなってしまったんだわ。体がドッと
熱くなった。左膝を縛られて上げられ、また鞭打ちがはじまった。あたしは痛
みに叫びながらも悶え、ギャグからはひっきりなしによだれが垂れた。でも、
涙が出ない。あたしは被虐に酔いしれていた。下ろされて股縄をはずされた。
髪の毛の根元を縄で縛られ両腕と両膝足首にそれぞれ縄がかけられ、引き上げ
られはじめた。ヤクザが服を脱いでいる。アヌス本番だ。両足が床を離れ、ゆ
っくり仰向けの水平にされ、両足が極限まで開かされた。髪の根元を縛られて
吊り上げられているので、首が強制的に持ち上げられている。全裸のヤクザが
あたしにいどみかかるのが見えた。上に吊られている腕も膝も足首もいたくて
仕方がなかった。ヤクザはあたしのオマ○コをしゃぶり、クリトリスを舌で転
がした。イク! あたしはクニリングスで初めてイッタ。二回、三回とイカさ
れた。アヌスにズボッとヤクザのものが突っ込まれ、ピストン運動で、あたし
、一回、イッタ。ヤクザが声を上げてあたしをよごした。
撮影が終わった。照明が落とされてから、あたしはゆっくり床に下ろされた
。服を着たヤクザは、「マレッタ、アヌスいい味しているよ」と言いながら縄
をときはじめ、照明も寄ってきて縄をほどいてギャグをはずした。体中、きつ
い縄の痕だらけだった。ひげが夜食と缶ビールを持って現れ、撮影室に行った
。あたしたちも移動した。
まずトイレに駆け込んでオシッコをした。出てくると夜食とビールを並べて
煙草を吸っていた。短大生の制服は片づけられてしまっているので、ブラジャ
ーすらつけるものがなかった。仕方ないのでガーターとヒール、パンティ無し
という「正装」でヤクザに煙草を一本もらって吸った。
「煙草、慣れたかい」と、ヤクザが言った。
「ええ、慣れました」
「どれくらい吸うんだい」
「起きて撮影まで二本か三本。部屋に帰って一本か二本。まだ最初の一箱終わ
っていません」
缶ビールがあけられ、みんな飲み始めた。あたしも飲んだ。ビールもたいて
い裏ビデオの撮影まで飲めないんだなと思った。
「つらかったかい」とヤクザが聞いた。
「鞭打ち、つらかったけど、今日よりもすごい鞭打ちするお客さんが二、三人
いるので、それに比べたらましです」
「どれくらいやられるんだ」と口ひげが聞いた。
「白人のお客が一番きつくて、たいていあちこち出血して、ガーターストッキ
ング、破れちゃいます」
「他のきついお客の時も出血するくらいなのかい」
「いえ、そのお客さんだけです。きついお客さんの鞭で、ストッキング、たま
に破れますけど」
「白人は残酷かい」と照明の細目が聞いた。
「あたしは一人しか知らないから。でも中国人のお客が一人いて、五回か六回
買われたけど、いつもオッパイに長い針を打ち込まれて。あれもひどいです」
「ひどいばっかりかい」
「鞭もそうですけど、不思議なことにある程度したら体が燃えだすんですねえ
」
「黒人とかアラブ系とかは」
「経験ないです。黒人は女にやさしいって聞いたことありますけど、黒人が女
に鞭を振る
うのは想像しにくいわ」
「そりゃ、人によりけりだ。白人や黒人は手先が器用でないから、女を皮のボ
ンデージにするのがほとんどだ。黒人で浣腸とかアヌスが大好物の奴もいるよ
」
「アラブ系とかアジア人とかアフリカ人とかはどうなんですか」
「みんな知らんな」と照明の眼鏡が言った。みんな知らないし、噂でも聞いて
いないなとこたえた。
「アラブ系はその白人のようにキツイと思うよ」
「ふーん」
あたしにはわからない。外国に売られない限り、ほとんどのお客は日本人だ
。
「マレッタ、ご苦労さん。写真はこれで終わりだ。しばらくしたらビデオだ。
そのとき、
また一緒に仕事しよう」
「みなさん、ありがとうございました」
みんな出て行った。あたしはトイレに入ってもう一度オシッコをした。どう
して、ありがとうございましたって言ったんだろ。エロ写真を撮られたのに。
あたし、ほんとに馬鹿なんだわ。出ると、細面が待っていた。縄を持っている
。
「縛るの」
「ああ、後ろ手に組めよ」
あたしは後ろ手縛りに胸縄をされギャグをかまされて部屋に戻された。細面
は縄をとかずにあたしを後ろから押してベッドに倒した。服のままのしかかり
、オッパイをなめたりもんだりして、器用にズボンをずらしてアヌスを犯した
。あたし、初めはイヤってギャグの中から叫んでいたけど、すぐにあきらめて
快感に身をゆだねることにした。細面のクニリングスで一回イッタ。すっごく
イッテ、獣のようにあたし、吠えていた。その後、アヌスでもイッタ。細面が
あたしをけがすのを感じた。
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