オフィス・ラブ [Part-6](作:慶子さん)


『変形』

 どれくらいの時間が経過したのでしょう。心地良さに私は眠ってしまってい
ました。遠くから聞こえるモーターの鈍い音で目が覚めました。閉じられてい
た日焼け機の上半分が開き、差し込む光の眩しさに目が開けられませんでした。
完全に日焼け機は開き終わり、モーターの音も止まりました。光を避けるよう
に手を目の前に上げようとしましたが、手はうまく動かせませんでした。

「少し、体に馴染むまで、時間がかかりますよ。」 

頭の方から弘行君の声が聞こえました。

「手や体がうまく動かせないんだけど...。 えっ、何この声?!」 
「ああ、声帯も少し縮んでますから、声のトーンも少し高くなるんです。それ
 と、ゴメンナサイ。翼さんは初めてでしたね。体を型に密着させているので、
 自由が利かないんです。今、型から出してあげますから。」

そう言うと、弘行君は私の手足を揉むようにして型に密着した私の体を外し始
めました。

「さあ、もう良いですよ。起き上がる事が出来ますヨ。」

弘行君の言葉に促されて、私は両手を持ち上げてみました。今度はさっきと違
い、普通に上がりました。私は両手を胸の両側について、上体を起こしました。

「えっ?!」 

胸、いいえ、「バスト」が有ります! それも奇麗なバストです。乳首もツン
と上を向いた、形の良いバストです。両手をバストの所まで持ち上げて触ろう
として、ふと気付いて弘行君を見ました。

「どうぞ僕になんか遠慮しないで触って下さい。それは貴女の体なんですから」 

弘行君は苦笑気味に言いました。

 そっと乳房に触れると、それはまるで本物の女性の乳房のようでした。軽く
持ち上げるとその重みを感じましたが、私が知っている女性の乳房よりは軽く
感じました。何度も乳房を持ち上げている私を見て弘行君が言いました。

「その重量感だけは本物の女性の様には行きません。女性は乳腺や脂肪で満た
 されていますが、僕や翼さんの場合は筋肉が変形しただけですから、重量感
 は微妙に違ってしまうんです。」 
「なるほど...。」

何て間の抜けた返事でしょう。すぐにそれに気付いて乳房から手を離し、窮屈
な日焼け機の中に居る事を思い出して体の向きを変えて、日焼け機の端に腰掛
けました。 

「あれ?! 脚が届かない...。」 
「そうです、身長も少し小柄になっています。」 

あれ?!弘行君の視線が変です。何か私を見ないように視線を泳がせています。 

「あっ!」 

目の前の乳房に注意を奪われていたのと、男の体と違ってバストに視界を遮ら
れていたので気付かなかったのですが、私の下半身はどうなっているのでしょ
う? 無意識に触れようと手を動かそうとして、横に弘行君が居るのを思い出
して、動かしかけた手を元の位置に戻しました。 

「翼さん、僕も目のやり場に困りますから、このバスローブを着て下さい。」 

手渡されたバスローブに腕を通し、立ち上がって前を合わせてベルトを軽く縛
りました。

「やれやれ。じゃぁこちらへ。」 

弘行君はさっさと部屋を出て行きます。慌てて就いて行こうと思いましたが、
まだ体のバランスが悪くて、思うように歩けませんでした。ゆっくりと一歩ず
つ確かめるように歩を進めてドアを抜けました。廊下の先のドアの前で弘行君
がこちらを見て待っていました。

「さあ、この部屋に姉の下着や服が揃っています。翼さんの体のサイズは姉と
 同じですからどれでもピッタリの筈です。お好きなものを着て下さい。」 
「玲子さんの下着や洋服を私が勝手に着ても良いんですか?」 
「もちろん! 姉も了解済みです。」 
「.......。」 
「さぁ、どうぞ!」 

弘行君に背中を押されるように部屋に入りました。 

 その部屋には壁一杯のクローゼットが有り、整理ダンスとドレッサーが有り
ました。他にキャスター付きのパイプハンガーも2本有り、そこにもブラウス
やスカート、ジャケット等が掛かっていました。

「下着はそちらの整理ダンスに、アウターは壁のクローゼットに有ります。化
 粧道具も自由に使って下さい。」 
「ホントに?」 
「実は、僕が女性に変形する時も基本的にサイズは姉と同じにするんです。そ
 うすると姉のものを共用出来ますから...。」 
「じゃぁ、ここは玲子さん個人の部屋というより衣装部屋みたいなものなのね」 
「そうです、だからどうぞ御遠慮無く。」 
「判ったワ。」 
「じゃぁ、僕は姉の方を見て来ますから、ゆっくりと支度をして下さい。」 

そう言い残して弘行君は部屋を出て行きました。


『身支度』

 身支度をしなければいけないのは判っているのですが、その前に気になって
いる事を確認しなければなりません。ドレッサーの前に立ち、左右の鏡を開く
と、 

「まさか!」 

鏡の中の私の顔は、玲子さんの顔でした!! 

「これが私?!」 

そっと両手で頬や瞼、唇に触れてみましたが確かに私の顔です。信じられない
私の男顔が玲子さんの顔に変わるなんて!!もう一つ確認しなければ、とバス
ローブのベルトを緩めます。ゆっくりとバスローブの前を開いて鏡に写すと。

「無い!!」 

私の下腹部に有ったはずのペニスは跡形も無く消え失せていました。そこには
濃い茂みが有るだけで何も有りません。バスローブをその場に脱ぎ捨てて、恐
る恐るその茂みの奥に手を延ばしました。

「有る!!」 

そこには、確かに割れ目が有りました! 勇気を振り絞ってさらに指で探ると、
ちゃんと膣が形成されています。一体どうなっているんだろう.....。私
には、何が何だか理解できませんでした。でも、さっき私が弘行君が変形した
女性の体を抱いた時には....、ああっ、ややこしい!!とにかく、さっき
私が男として抱いた女性は弘行君だった訳で、その時にもちゃんと膣は有った
訳だから、私がこうなっても不思議は無いのか....。ますます頭が混乱し
そうです。ウエストのくびれ、形の良いバスト、強く張ったヒップ、何から何
まで、どう見ても本物の女性です。それに顔は玲子さんの顔です。自分で見て
いる筈なのに、どうしても信じることが出来ません。

 しばらくの間、鏡の中の玲子さんの裸体を見詰めていました。いや、玲子さ
んの裸体じゃ無い、これは私の裸体なんだ。やっとそう思えるようになって来
ました。何と無く、そう思えるようになると、気分もウキウキして来ました。

「自分の体なんだ....。 凄く奇麗な体なんだ....。」 

冷静に自分の体を見ても、とても奇麗な体でした。一瞬オナニーをする姿を
想像して、勃起してしまいました。 エッ!? どこかで勃起しています! 
感覚的には勃起している感覚なのですが、体形的には何の変化も現れません。
これが「変形」ということなのでしょうか? 物理的な男性であることは変わ
らずに、外形の体形だけが女性になっている。また、少し頭が混乱しそうでし
た。と、同時にペニスからカウパー氏腺液が滲みだしたのか、あそこが濡れて
来たのが判りました。

「恥ずかしい...。」 

機能的にも女性と同じだなんて、ホントに凄い! ドレッサーのティッシュ
で軽く始末をしてから鏡に背を向けて気持ちを切り替えました。ちゃんと女の
子の体なのですから、ちゃんと着飾らなくては!

 整理ダンスの一番上の引き出しを恐る恐る引き出しました。そこには私の大
好きなブラがショーツをセットになって、奇麗に畳んで並べられていました。
パステルカラーや原色のもの、黒やシンプルな白など、かなりの色が有りまし
た。デザインもフルカップ、3/4カップ、ハーフカップのものと取り揃えら
れていました。2段目の引き出しにはスリップ、キャミソール、フレアパンテ
ィーというようなランジェリーが、3段目にはガードルやボディースーツのよ
うなファンデーションが、4段目にはガーターベルトやストッキング、タイツ、
パンティーストッキング等が並べられていました。一番下の引き出しには、女
性の必需品であるサニタリーショーツが入っていましたが、私には必要無さそ
うです。

 奇麗なランジェリーを見ている内に、気分が高まって来て、どれを着けよう
か迷ってしまいました。どれも奇麗で可愛くて、どれも着けてみたいのですが、
そうも行きません。それで、一旦ランジェリーから離れて、壁のクローゼット
を開けてみることにしました。アウターを先に決めて、それからアウターに合
わせて下着を選ぼうと思ったからです。

 クローゼットの扉を開くと、スーツやドレスといったフォーマルなものと、
ワンピース、ブラウス、スカート、パンツといったカジュアルなものまで、一
通りのアウターが並んでいました。クローゼットの床には数種類のウィッグも
有りました。ストレート・ロング、ウェービーレイアー、ボブ、など様々な長
さのウィッグが揃っていました。

「どうしよう.....。迷っちゃう....。」 

折角玲子さんの「顔」を借りたのだから、やはりフォーマルなスーツに決めま
した。どうしても私のイメージの中には、職場でのキリっとした玲子さんのイ
メージが強いので、そのイメージで行くことにしました。ノーカラーのパープ
ルのジャケットにミニスカート、ブラウスはシースルーのホワイトに決めまし
た。それらをハンガーごとクローゼットから取り出し、パイプハンガーの掛け
ました。 

 さあ、アウターが決まったので、いよいよランジェリーです。スーツはパー
プルですが、ブラウスがホワイトなので、シンプルに下着も白にする事にしま
した。サテン地の3/4カップにレースが繊細に飾られたブラとショーツのセ
ット、スリップもお揃いの光沢の有るサテン地のミニスリップ、こちらはウエ
ストから下がジョーゼットの切り替えになっていて素敵です。ストッキングは
やはりガーターベルトで吊るタイプにしました。ガーターベルトは同じ白のサ
テンにブラと同じレースで飾られたもの、ストッキングは上端がスパンデック
スレースになったシーム入り。これで決まりです!

 ショーツを手に取り、脚を通します。ゆっくりとウエストまで引き上げます。
パチン、とウエストで手を離します。 

「やはりショーツは女性の体形に合わせて作られているんだ。」 

新鮮な驚きでした。男性の体形だとヒップが貧弱だし、女性には存在しない男
性器も有りますから、どうしても奇麗なシルエットにはなってくれません。そ
れが、今はヒップをピッタリと張り付くように包み込み、前も余分なものは無
く、奇麗な秘丘の膨らみが有るだけです。ショーツがこんなに気持ちの良いも
のだと改めて気付きました。

 次にブラですが、必要も無いのに着け方を研究したのが役に立ちそうです。
上体を少し前屈みにしてカップを乳房に合わせます。そのまま後ろのホックを
留めて、腋やアンダーバストの脂肪(?)を集めてカップに馴染ませます。ヌ
ードでも形の良かったバストがワンサイズ豊かになった感じです。ドレッサー
の前に行って自分の姿を見たかったのですが、少し我慢しました。ガーターベ
ルトをウエストに巻き付け、伝線させないように気を付けてストッキングを留
めます。今迄はストッキングもナイロン素材の伸縮性の無いものだと長さが足
りずに悲しい思いをしたのですが、今日はピッタリのサイズです。両足にスト
ッキングを履いたら、シームが曲がっていないかチェックです。最後にスリッ
プを頭から被ってバストの位置を合わせて出来上がりです。 

 やっとドレッサーの前に立って、全身を写してみました。形の良いバストか
らウエストへのくびれ、そして豊かに張ったヒップとストッキングに包まれた
脚。ああ、もう最高の気分です。あれ程憧れたボディー、これが私なんだ.。
体内のどこかにあるペニスが怒張しているのを感じます。でも横を向いても外
見的な私の体にはどこにも変化は現れません。少しだけ変な気分です。さあ、
もう少し。ブラウスをハンガーから外して袖に手を通します。サラサラとした
生地の感触も大好きです。ゆっくりとボタンを留めて行きます。次にスカート
のファスナーとホックを外して脚を通し引き上げます。スリップのジョーゼッ
トの生地がスカートと一緒に上がって来て邪魔をします。スカートの裾からス
リップの裾を下に引いて整えます。ウエストのホックを留めて後ろ手にファス
ナーを引き上げます。いつもなら、無理にお腹を引っ込めて、ホックを留めな
ければいけないのに、今日は余裕です!! もう一度ドレッサーでチェックし
ます。何て素敵なスタイルなんでしょう! 自分で自分の体に悪戯したい衝動
が体の奥底で蠢いているのが判ります。でも、我慢です。

 ドレッサーの前に腰を下ろして、メークに取りかかります。素顔でも奇麗な
玲子さんの顔を厚化粧する必要はありません。ナチュラルメークで十分です。
化粧水で肌に潤いを与えて、肌の色に近い液体ファンデーションを薄く延ばし
ます。パウダーファンデーションも同系色のものを選びます。眉は調える程度
に輪郭と眉尻だけ書きます。シャドーは明るいブルー系の色を上瞼に少しだけ
入れ、決して濃くはしません。ルージュは濃いめの赤で輪郭を描いて、ピンク
系で内側を塗ります。最後にパールのリップで輝きを出して出来上がりです。
いつもなら一時間はしっかり掛かるメークも20分程で終わりました。やはり
土台の違いが全てだと改めて思いました。 

 ウィッグは玲子さんに近いウェービーレイアーを選びました。パンプスは5
cmの黒のシンプルなヒールを選びました。ジャケットを着て、髪を整えて身支
度が出来ました。鏡の中には私の大好きな玲子さんにそっくりな私がこちらを
見て微笑んでいました。


『もう一人の私』

ドアをノックする音がして、 

「準備は出来ましたか? ドアを開けますよ。」 

という、弘行君の声が聞こえました。 

「ええ、丁度支度出来たところよ。」 

私は明るい声で答えました。ドアが開いて弘行君が入って来ました。 

「凄い、姉さんそっくりじゃないですか!」 
「そうかしら...。」 
「これじゃぁ身内の僕が見ても区別が付きませんよ!!」 
「ウフッ、嬉しいわ!」 
「なかなか、良い女っぷりじゃないか...。」 

ドアの所から別人の声がしました。 

「あっ!? .....。」 

そこには、先程までの、変形する前の私が立っていました。 

「だっ、誰なの?」 
「この家には僕と翼さんと姉さんしか居ないんですよ。あれは姉さんです。」 
「えっ、玲子さんの変形って、その事だったの?!」 
「そうだよ役どころを交換して楽しむってのも面白いんじゃ無いかと思ってね」 
「でも、ちょっと趣味悪いんじゃ無いですか?」 
「何だ、翼は気に入らないのか?」 
「いえ、そういう訳じゃぁ....。」 
「じゃぁ、どういう訳なんだ?」 
「....、うまく言えないけど、いつも私は玲子さんに抱かれてたでしょ?
 それが突然男の姿になられても..。それに、その姿が私自身だなんて」 
「良いじゃないか。俺だって同じだよ。俺が抱くのは、本来の俺の姿の翼なん
 だから。」 
「何か、頭が混乱しそうだわ....。」 
「じゃぁ、抱くときに少し工夫をしてやるよ。楽しみにしてな。」 
「工夫って?!」 
「まぁそれは後のお楽しみだ。」 

玲子さんは一体何をしようとしているのか、想像も出来ませんでした。でも、
本来の私の姿をした玲子さんに、本来の玲子さんの姿をした私が抱かれるなん
て。ほんとに頭が混乱して来ました。 

「さぁ、あっちの部屋へ行って楽しもうか!」 
「はい.....。」 

今は、玲子さんに従うより他は無さそうです。 


『初めてのプレイ』

元のベッドルームに戻ると、天井から鎖が下がっているのが見えました。 

「なっ、何をするんですか?」 
「まぁ、そう驚くなって。大した事じゃ無いよ。イマジネーションを広げるだ
 けさ。」 
「イマジネーション?!」 
「ガタガタ言って無いで、こっちへ来いよ。」 

恐る恐る玲子さんの傍へ行くと、玲子さんはポケットから取りだした短いロー
プで私の手首を縛り始めました。 

「玲子さん!!」 
「心配しなくても、自由を奪う程度に縛るだけさ。」 

確かに食い込む程にはきつく無いのですが、それでも不安が心に広がります。 

「さてと。」 

玲子さんは天井から下がった鎖の先のフックに私の縛った手首を掛けて、滑車
の反対側のチェーンを引いて私を引き上げました。

「玲子さん、少し痛い....。」 
「まぁ、少しは痛みも無いと、現実味が無いからな。」 
「でも...。」 
「さあ、次だ。」 

玲子さんは次に布を取り出し、私に目隠しをしてしまいました。 

「あっ、玲子さん?!」 
「俺の顔を見ると頭が混乱するんだろ?だから見なくても済むようにするのさ」 
「あっ、でも......!」 

見えなくなった途端に、今度はボールギャグで口を塞がれてしまいました。目
隠しって、凄い恐怖です。次に何をされるのか、全く判らないなんて! 耳に
全神経を集中します。玲子さんの足音でどの辺りに居るのかは判りますが、何
を持っているのか、何をしようとしているのか、勝手に想像してしまい、尚更
恐怖がつのります。 

突然それは襲って来ました。玲子さんの手が後ろからスカートの中へ侵入して
来ました。 

「ウグッ!」 

声を出そうとしても猿轡で声になりません! スカートが捲り上げられ、ショ
ーツとガーターベルトが玲子さんには見えているはずです。玲子さんの手が淫
らな触り方で私のヒップを撫で回します。ショーツの上から円を描くように、
時に握り込むようにヒップの膨らみを掴みます。その度に私は叫び声を上げよ
うとして、呻く事しか出来ません。

ふいに玲子さんの手が離れ、ヒップが解放されました。と、思った途端、平手
打ちがヒップに飛びました。 

「バシッ!」 
「ウッ!」 

玲子さんは黙ったまま、私のヒップを打ち続けます。痛い、という感覚から熱
いという感覚に変わり、ジンジンする痛みの感覚へと変化して行きます。何度
叩かれたのか判らなくなった頃、再び玲子さんは私のヒップを撫で回し始めま
した。敏感になった私のヒップはそれだけでもジンジンと感じました。目隠し
された目からは涙の筋が流れていました。

 玲子さんはヒップに飽きたのか、ストッキングに包まれた太ももや、ショー
ツとストッキングの間に露出された素肌のももに愛撫を移しました。ヒップの
ジンジンした感覚と、玲子さんの手から与えられる愛撫の快感が入り交じって
私の背骨を駆け上がります。無意識に体をよじり、快感の波に逆らおうとして
しまいます。 

 何も言葉を発しない玲子さんはひどく不気味に感じました。ウエストから胸
へ、ブラウスの上から体を撫でられるのは、快感でもあり、同時に恐怖でもあ
りました。ブラのカップの上から私のバストが鷲掴みにされます。

「ヒィッ!」 

と言おうとしたのですが、くぐもった呻きにしかなりませんでした。ホントの
女性なら、強くバストを鷲掴みにされたら痛くて堪らないのでしょうが、バス
トを形作っていても組織が異なり筋肉だけで出来ているので、女性ほどの痛み
は感じませんでした。玲子さんはブラウスの裾をスカートから引き出し、ブラ
ウスの中へと手を滑り込ませました。押し上げるようにバストを揉み上げます。
強く、弱く、優しく、激しく。こんな感覚は経験した事がありません。 

 やがて、私の前に廻った玲子さんはブラウスのボタンを外し始めました。一
旦離れた玲子さんが私の体に触れる度に体がピクンと反応してしまいます。
まだ、全てを任せる気にはなれていません。

 少し背が低くなった私と、少し背が高くなった玲子さんなので、チェーンで
引き上げられて少し爪先立ちしている私の顔の正面に玲子さんの顔があるはず
です。玲子さんはスリップの裾もスカートから引き出し、バストの上まで捲り
上げます。ブラに包まれたバストが玲子さんの眼前に露になります。背中に手
を廻してブラのホックを外そうとします。私は無意識に体をよじってそれに抵
抗しようとします。抵抗らしい抵抗にならず、ホックはすぐに外され、カップ
が外された途端、ブルンとバストが揺れました。玲子さんは舌の先で乳首を刺
激し始めました。ジンジンとした刺激が伝わって来ます。私の息遣いが少しず
つ荒くなって行きます。手をバストに残したまま、玲子さんの唇が私の首筋や
耳、瞼へと移動して来ました。 

「!!」 

玲子さんが下腹部を密着させて来たとき、私の下腹部に当たる硬くなった昂ぶ
りを感じました。玲子さんも私同様、外見だけでも男性器が有るんだ! これ
までのディルドでは無く、血の通った男性器が玲子さんに! そう考えるだけ
で、それに貫かれる快感を想像してしまいました。

 私のバストを玩んでいた玲子さんの手が不意に下へ降りて、遂に私の秘丘へ
と延びました。両手を私のウエストの背中に廻してスカートのファスナーを下
げ、ホックを外してスカートを足下へ落としました。もう私の下腹部を被うも
のはパンティーの薄布一枚になってしまいました。玲子さんの手は私の秘丘を
包み込むように全体を覆い、ゆっくりと揉み上げるように動きました。快感に
体のどこかで勃起している私のペニスを感じます。もう随分先走りの粘液も流
しています。玲子さんの手が更にパンティー越しに私のヴァギナに延びて、指
で膣を探るような動きになりました。

「アッ、濡れてる.....。」 

もう、パンティー越しにでも濡れているのがはっきりと判る筈です。恥ずかし
い、と思う反面、早く玲子さんのペニスで貫かれたい、もう準備は出来てるの
よ、という思いが同時に起こりました。

「もう、準備は十分なようだな。」 

やっと玲子さんの口から言葉が出ました。

「じらさないで!」 

と言いたかったのですが、くぐもった呻き声が漏れただけでした。

「言葉は喋れるようにしてやろう。」 

やっと、ボールギャグを取ってもらいました。 

「お願い、焦らさないで!!」 

私は祈るようにお願いしました。ニヤリと玲子さんは笑うと、体を少し離して、
着ているシャツを脱ぎ始めました。私より遥かに引き締まった筋肉質の(に見
える)体です。すぐにスラックスのベルトを緩めて脱ぎ去りました。何と、玲
子さんは下着を着けていなかったのです! 引き締まった下腹部に硬く昂ぶっ
たペニスが聳えていました。 

 全裸になった玲子さんは私に近寄り、パンティーに手を掛けると一気に引き
下ろしました。本当は見えませんでしたが、パンティーのクロッチと私のヴァ
ギナの間に糸を引いていたことでしょう。抜き取ったパンティーのクロッチ部
分を見ながら玲子さんは、

「ホントにお前は好きなんだな。さあ、正直に抱いて下さい、俺のペニスが欲
 しい、って言葉に出していってみろ!」 
「おっ、お願いです。私を抱いて下さい。あなたのペニスが欲しいんです。」 

心からの本心でした。私のヴァギナから溢れ出た粘液はももの内側を伝って流
れていました。玲子さんは私の両膝を抱える上げると、いよいよ聳え立つペニ
スを私のヴァギナの入り口に当てました。 

(続く)