聖者なんていない 二章(作:SAYさん)



後日、麻衣に、さらにトドメが刺された。

俺の調教もじつはネタが尽きててね。マンネリはよくないし。そう言われて、
目隠しをされて車に乗せられ、どこかのマンションの一室に連れていかれた。

(フフフ・・・ご主人様も意外と悩んでたんだ。調教ネタって・・・そこまで
凝ることないのに・・・)

そこは、会員制の秘密SMクラブだった。

中年の女性が、ベテランの女王様として、SM趣味の相談に訪れるカップルに
手ほどきをしているという話だった。

「はやく裸になれよ。麻衣」

「はい・・・ありがとうございます。ご主人様」

自分から服を脱いで、全裸になると、女王に腕をつかまれ、壁の拘束台に、両
手を上に上げた格好で、手首、足首に枷をはめられ拘束された。それから女王
様に、いい匂いのするローションを肢体に塗られた。

「ア・・アア・・気持ちいいです・・・」

麻衣の全身に塗られたローションは、催淫効果のある麻薬、アンフェタミンが
混ぜられた特別な調教用のローションであった。

じつは、麻衣はご主人様には、すでにセックス用の玩具としての牝犬という意
味では、すでに飽きられていた。

どんなに高級な美味しい料理でも、何度も食べれば、いつかは飽きられて、食
べ切る前に捨てられるようになるものである。

そこでじつは、SM売春婦の斡旋をしている、やくざとつながりもある女王に、
ゆすりネタのビデオや写真のコピーと一緒に、200万円というお金で売られ
てしまったのだ。

女王は、熟練したテクニックを用い、指で麻衣の陰部のクリトリスをねぶった。

「アア!  そこは、許してください・・・」

麻衣の言葉とは、肢体は反対の反応を示した。

ローションを塗られて、ヌラヌラと淫らに光る麻衣の肢体は、すぐさま、もど
かしそうに揺れはじめ、足を開いて拘束されているため丸見えの、麻衣の股間
の性器からは、すぐに快感を示すいやらしい愛液が溢れ出てきた。

両手、両足を拘束され、台の上で光る裸身を悶えさせ、陰部に愛液を溢れさせ
て濡らし、淫らな声で鳴いている麻衣は、まさに、セックスの玩具そのもので
あった。

「アア・・・アア・・・ご主人様ぁ・・入れてください・・・」

巧みに陰部を嬲ることをやめない女王が言った。

「すっかり欲しくなったようね。こんなにすぐ欲しくされるなんて、いい牝犬
だわ」

「ご主人様ぁ・・・麻衣に入れて・・・お願いです・・・」

ソファーに座って、退屈そうにタバコを吸っていたご主人様が言った。

「まだダメだな。麻衣はダメな奴隷だから」

「アアン・・ごめんなさい・・・でも、もう我慢できません・・・」

その時、ご主人様の口から、麻衣にとっては信じられない言葉が漏れた。

「誰か呼んでやっちゃってくださいよ。回してもいいから」

(そ・・・そんな・・・これでも一応、恋人だと思ってたのに・・・)

「そろそろいい具合ね」

女王はそう答えると、室内にあった電話に手をかけ、

「ちょっと、こっちにきて、いい子がいるから」

と、誰かを呼んだ。

すぐに、部屋のドアが空き、人相の悪い痩せた中年の男と、体格のいい若い男
が二人、入ってきた。

手足の拘束を解かれると、床に下ろされた。

そして、ご主人様の目の前で、麻衣は、二人の男に犯された。

中年の男が床に寝そべり、その上に女性上位の体位で跨がせられると、麻薬の
入ったローションのせいでクラクラするほど濡れて、入れて欲しかった陰部に
ペニスを突っ込まれた。

「ァ!・・・アアー!」

挿入され、たまらずに大きな声をあげた。

「エッヘッへ、今まで経験したことがない狂っちまうくらいの快楽を教えてや
るぜ」

若い方の男は後ろから抱きついて、麻衣の首すじを舐めたり、胸を揉んだり、
愛撫責めで麻衣を追いつめていった。

さらに信じられない言葉が、ご主人様の口から漏れた。

「麻衣は、お尻も調教してあるから、後ろも犯してくれよ」

背後から若い男が、無防備なお尻の穴に、ペニスをねじこんだ。

「アア! お尻はイヤァ! オカシクナッチャウ」

麻衣は、お尻を犯されてしまうと、排泄器官を嬲られる嫌悪感と、被虐の興奮
がないまぜになり、わずかに残った自制心すら崩壊してしまうのだった。
麻薬で高められた快楽が、麻衣の全身を貫いた。前後から責められ、麻衣は悶
え狂った。

しかし、心のどこかで、ご主人様が恨めしかった。

(ヒ・・・ヒドイ・・・ご主人様・・・)

ヨガリ狂う麻衣の瞳から、いつのまにか涙が流れ落ちていた。

下から中年の男が満足そうに言った。

「この女、感じ過ぎて随喜の涙を流してるぜ」

ソファーに座っていた、ご主人様が立ち上がり、ズボンを下ろすと、ペニスを
麻衣の口元に突き付けた。

「口が休んでるぞ、麻衣。しゃぶれ」

麻衣は、ペニスを口にくわえ、しゃぶった。

「そうだ。根元までくわえて、おいしそうにしゃぶれ」

お尻の穴を、しつこく犯している若い男が言った。

「あちこちを突かれて、さぞ嬉しいだろうな」

それからは、男たちが飽きるまで、かわるがわる前後好きな方を犯された。

麻薬入りローションで性感を高められた麻衣は、まるでセックス用の人形のよ
うに、犯されるたびに悶え狂い、何度もイッた。

その強烈な快楽の記憶は、麻衣にとって、一生忘れられない衝撃となった。お
かげで、それから何年も経った日でも、夜、部屋で一人寝ているときに思い出
すと、淫らにオナニーをしてしまうのだった。