性奴隷・ユキ(3)(模作・SAYさん)


あれからすぐ、私の出演したAVビデオは、シーメールが出演するビデオで
知られるマニア向けのレーベルから2本の作品に分けられて販売されてし
まった。けっこう売れたらしい。でも、私は内心全然喜べなかった。そのうち
昔の友達が見かけて私だと気づいて、親から突然電話がかかってくるので
はないかと、ずっとビクビクしていた。バレたら即刻、縁を切られると思った。
それにやっぱり、恥ずかしくてイヤだった。

売れてしまったせいで、それからも、緒方や優子の元に撮影の注文があり、
三ヶ月くらいたった日、私はまた連中に無理やり、今度は都内の外れにある
空き家に連れていかれた。

最初の撮影は、中年の男が相手だった。私は、メイクキャップされた後、優子
に命令されて服を脱いで全裸になり、渡された下着を身につけた。そして
カカトの高いハイヒールを履かされた。

撮影がはじまると、相手の男は、立っていた私に後ろから抱きついて、ブラ
ジャーの上から乳房を揉みしだき、首筋を舐めはじめた。

「あふっ、くすぐったい…」
私は、二回目の撮影ということもあって、なんとか乗り切れそうな気がして
いた。
「気持ちいいだろ」
男は、私の肢体を舐め回し、愛撫した。
「ぁ…あぁ!」
快感が背筋を走った。私は声を上げはじめ、悶えはじめた。

ブラとパンティを脱がされると、男が縄をとりだし、後ろ手に縛られ乳房の
上下に縄をかけられ縛り上げられた。背後から両手で乳房をもまれ、乳首を
握りつぶされた。
「あぁ!」
私は感じてビクンッと震えた。乳房を激しく揉みしだかれ首すじや耳の裏を
舐められると、鋭い快感の波が何度も背筋を走った。

「…感じちゃぅ…やめて…」
「感じなさい、ユキの恥ずかしい姿を、見せておくれ」
「そんな…あぁっ…」
男の指が肛門を触ったかと思うと、アナルに指をスルッと入れられて
しまった。
「ほら、もう、こんなに感じてる」
指でアナルの奥をかきまわされ、イヤイヤをして切なそうにお尻を振った。
指でお尻をいじめられ、もう一方の手で胸をもまれ、敏感な乳首をいじられる
と、体が燃え上がり、いじめられる快感に興奮させられてしまった。男は相当
なテクニックの持主だった。急に男がパッと手を離した。私はフラフラになっ
て床に膝を突いてしまった。

男は私を抱き起こしてベッドに仰向けに寝かせた。舌を私の口に入れてきた。
「あぁ…ング…あ」
口の中を舐め回され、ツバを飲み込まされた。

首筋を舐め回されながら、
「かわいいユキ、いやらしいシーメールのユキ、これからゆっくり、おまえを
調教してやるからな」
とささやかれた。

「はい…ご主人様…」
男のテクニックに酔わされながら、私は心のなかで恥ずかしい期待を感じて
答えてしまった。それから、男のモノを舐めさせられた。たっぷり舐めさせら
れて欲しくされた。男は私に命令し、ベッドの上に膝をついてお尻を突き出さ
せた。指でさんざん泣かされた後、アナルにペニスを突っ込まれて、私は感じ
た。もうそういう体にされていた。後ろから入れられながら、うっとり目を閉
じてお尻をくねらせ、男の興奮を煽るいやらしい声で鳴いた。

何度も何度も突かれ、急に男のものが膨らみ、精液が体の中に注ぎこまれるの
を感じた。
「ああ!…ユキもイク!…イッちゃう!……あぁ……アァ!」
私は叫んだ。男は感極まった声をあげ、私の体の上に倒れかかった。

キスをされ、舌を入れられた。
「どうだった?ユキ」
私は自分からいやらしく舌を絡めて男の唾をすくいとり飲み込んだ。
「ング…ハァハァ…ご主人様の…とっても…おいしかった…」
私は奴隷のようにいった。

「はいカット!おつかれ」
AVのディレクターの声が飛んだ。

私のキャッチフレーズは、最初の撮影での優子の思惑通り、「アナルでしか
感じれない美人シーメール」というものになってしまった。おかげでそれか
ら、どの男優にもアナルを徹底的に責められ調教されてしまった。そのせいで
撮影中に、私は本当にまったく立たなくなってしまい、ついには、完全に女に
されて永久に不能になった、というレッテルを貼られてしまった。

数日後、病院で医者に相談したら、一時的な精神的ショックによるものだと
診断され、そのうち直れば勃起するから心配するなと言ってくれて、私はホッ
とした。病院には今でも定期的に通院し、女性ホルモンの注射や性病の検査を
してもらっている。

じつは…。撮影の二日前、私には他にもっとショックなことがあった。彼の
ことだ。かなり貯金が貯まった私は、彼がずっと新しい車を欲しがっていたの
で、貯金の半分近くを卸して彼に車を買ってあげた。ところが、ニ週間後、
街で彼の車を見かけたら、助手席に他の女性が乗っていた。次の日、彼に問い
詰めると、じつは昔の彼女と最近寄りをもどしたと告白されて、すごい
ショックだった。

…でも、私は永久に彼の求めるふつうの女にはなれない。不完全な女の代用品
だ。私の方が適当な時期に身を引くことが、彼にとってもいいことなんだ、
そう思って、泣く泣く彼を諦めることにした。いろいろ楽しかった倉庫のバイ
トもその日に辞めることにした。といっても緒方の紹介で、ある意味私を保護
するために、そこで手伝わされていただけで、最初からいてもいなくてもいい
存在だったけど。

彼は車の代金はローンで返すと約束してくれたが、私は内心もうどうでも良
かった。当人は決してそうは思ってないけど、今まで、私をずっと守ってくれ
た、そして時には導きもしてくれた存在なのだから、そのお礼に別にあんな
ことをしてもらったお金がもどってこなくてもいいと思った。そして、アパー
トに帰ってから、枕に顔を押し当てて声を殺して泣いた。泣きつかれて寝てし
まった。結局、三ヶ月きりの交際だった…。

病院からの帰り、私は優子にずっと通わされているヨガの教室にいった。私の
体を柔らかく女性的にするために通わされてるのでした。練習の後、先生に、
インドの宗教には両性具有の神がいるという話を聞かされた。性の快楽を司る
とかなんとか、難しすぎて私にはよくわからなかったけど、気晴らしにはなっ
た。私はなんだか、ふてくされていた。

帰りにシブヤの街を散歩した。平日なのに、私と同じ歳くらいのカップルが、
何組もシブヤの街をデートしていた。うらやましかった。私はむりやり体を
改造されて女にされ、調教されて女にされた。私はやっぱりごくふつうの恋愛
の対象としては、とっても不完全だと思った。どこにも、私の相手なんて、
いないじゃん…。

なんだか悲しくなった。落ち込んで一人で映画館に入った。映画を見ている
とき、私のような平日に一人で来たらしい男の人を、近くに見つけた。急に
猛烈に淫らに誘惑してみたくなった。けど…やめた。アパートに帰り、テレビ
を見て過ごした。バラエティー番組の狂騒ぶりが、なんだか空々しく感じた。
ただお風呂に入って、髪を洗って、乾かして、顔に美容液を塗って、歯を磨い
て、寝た。

失恋してから、ヘコんで悶々とした毎日を送っていたら、優子に無理やり呼び
出された。青山の素敵なレストランで食事をおごられた。食事の後、暇なら
風俗で働いてみないかと誘われた。私のような体の人間がいっぱいいるお店が
あるらしい、お客さんといろいろなセックスができるといわれた時には、体が
すこし熱くなってしまった。でも、他にはどういった働き場所があるのと、
優子に聞き返した。私がすっかりアナルセックス中毒になっていると思い込ん
でる憎ったらしい優子は、ちょっと驚いた顔をした。

それならと、優子は珍しく代案を出してきた。今までの優子だったら、事前に
話も無しで今ごろはとっくにその風俗店に拉致されていただろうと思うと、私
はすごく不思議だった。もしかしたら、彼との破局を知って気づかってくれて
るのかとも思った。でも、考えてみれば、男と別れたから即!風俗を紹介なん
て、私はそれに気づくと内心かなりムッとした。優子は、新宿二丁目のバーで
ホステスとして働かないかと言い出した。でも私はお酒がメチャメチャ弱い、
それでその案も無しになった。

私は少し怖くなった、優子のことだ、適当な働き口がなければ私を外国に売り
飛ばしかねない。それで私は慌てて考えて言った。
「お店の販売員のお仕事とか無いですか?」
却下された。

帰りに送っていくからと車に乗せられた。樋浦の他にもう一人知らない中年の
男が乗っていた。私は後ろの座席に男と優子に挟まれる形で乗せられた。

走り出してから優子がいった。
「ところで、ユキ、最近ご無沙汰でたまってるんじゃない?」
私は言葉を失った。優子がそういう態度に出た時は、必ず何かひどいことを
されるサインだった。心臓がドキドキした。

「答えなさい!どうなの?」
私は必死に動揺を隠して、正直に答えた。
「はい…すこし…」

「チンチンが役立たずになっちまったから、余計、悶々としてるんじゃな
いのか?」
運転席の樋浦が前を見たままいった。私は後ろから殴ってやろうかと思った
が、我慢した。でも樋浦の言った通り、私のペニスはずっと不能のままだっ
た。いくら快感を与えても全然立たなくなっていた。
「……」

「帰ってから爆発しないように、少ししぼりとってあげるわね」
優子がいつものいじわるな顔をしていった。私は心臓の鼓動がさらに速くなる
のを感じた。

すぐに横の中年の男が振りかえっていった。
「ストッキングとパンティーを脱ぎなさい」
「え?ここでですか?」

「言う通りになさい、ユキ」
反対側から聞き慣れた優子の叱責が飛んだ。
「はい…」
私は言われた通り、腰を浮かしてスカートの下のストッキングとパンティー
を脱いだ。丸めると男が受け取ってカバンにしまった。スカートの下が丸裸
になった。

「座席に上がりなさい」
「はい…」
私は座席に上がって、正座するような格好で座った。

「お尻を上げなさい」
優子に言われて、正座したままお尻を少し持ち上げた姿勢にされた。男が
カバンからイチジク浣腸をとりだした。車の中で男に浣腸された。一本を入れ
終わると、抜かれてまた浣腸され、つづけて何本も浣腸された。
「座りなさい」
と言われ、ゴロゴロしはじめたおなかを抱えて苦しそうに座席に座り直した。

「私が許すまでちゃんと我慢するんだ。いいね」
男に命令された。
「もし途中で漏らしたりしたら、車から降りて一人でそのまま帰って
もらうわよ」
優子がいった。
「は…はい」
私は額に汗がにじむのを感じた。

痛いおなかを、うつむいて唇を噛み締めてひたすら我慢した。5分ほど走って
大きな公園が見えると、やっと男がいってくれた。
「あそこで停めてくれ」
公園につき、男がドアをあけて降り、私にいった。
「一人でトイレにいってきなさい、ご褒美をあげるから、必ず汚さずに戻って
くるんだよ」

公園に苦しいおなかを抱えて入ると、散歩する人やベンチに座っている人の
視線がすごく気になってしまった。離れた場所に見つけたトイレまで歩く間、
私は何度も漏らしそうになり、人前で座り込みそうになるのを懸命に我慢
した。全身が汗だくになった。大勢の人に見られるのが恥ずかしくて、体が
熱くなってきて、しだいに興奮するような感覚を感じはじめてしまった。

やっと女性トイレに飛び込んだ。幸いにもトイレは空いていて、開いている
個室に駆け込みドアを閉め、便器にまたがると同時に恥ずかしいくらい大きな
音がして、お尻から怒涛のように噴出した。

噴出しながら私は感じてしまった。
「あぁ…あぁぁ…」
たびかさなる調教で、私は浣腸の快楽を覚えこまされていた。浣腸されて我慢
する姿を他人に見られたことでも、私は興奮させられていた。お尻で感じてし
まいながら、私は自分の性器を触って強く握り締めてみた。でもグッタリと
弱々しいペニスはやっぱりピクリともしなかった。

ようやく止まり、私はしばらく座ったまま肩で息をした。ふと私の頭に思いが
よぎった。
「このまま、逃げてしまおうか…」
私はしばらく思い迷ってから、結局その考えを捨てました。あの連中から逃げ
たって、私にはもう、どこにも行くあてなんてない。それが理由でした。

トイレから出ると、あとで考えれば当り前のことでしたが、樋浦が立って
タバコを吸いながら私を待っていました。逃げれられないように、出口でしっ
かり監視していたのです。

「終わったか、なら、これからお楽しみだな」
樋浦はタバコを投げ捨てながらいった。私にはなんのことか分からなかった。

車にもどると、すぐ出発しました。

出発してすぐに男がいった。
「座席に上がりなさい」
私は、また浣腸されるのかと、内心失望を感じながら、ふたたび座席に
あがった。男に腕をつかまれ後ろ手に手錠をされた。そして男がスカートを
まくった。いきなりバイブレーターをアナルに突っ込まれた。

「あぁ!」
私はアナルの奥までバイブをグイグイ強く押し込まれた。とうとう根元まで
アナルに咥えこまされてしまった。
「あぁん…あぁぁ…」
まったく予想していなかった私は、思わずいやらしい声を出してしまった。
男は私の恥ずかしい反応を確かめると、すぐに上下させはじめた。腰を引いて
逃げようとしたけど狭い車内に逃げ場はなく、私はたまらずヒイヒイ声を
あげた。すぐにカーステレオのボリュームが上げられ、声はかき消された。

「ああ…・こんな場所で…」
ひさしぶりに体の中をかきまわされる感覚に体がどうしようもなく燃えて
きた。男は女体を知り尽くしたプロの責め師らしく、私の反応を見極めては
小刻みに角度を変えたりスピードを変えたりされ、私はたまらずに感じてお尻
をくねらせた。唾液が口から垂れた。

「ちゃんと我慢できたご褒美よ、たっぷり味わいなさい」
優子が涼しそうな顔をしていった。
「あぁん…ひどい…あん」

「しっかり濡らしてるじゃない」
優子に触られて、アナルとバイブの隙間から体液が滴り落ちていることに気づ
いた。私はアナルを責められて感じると、いつもこすれて粘膜が痛まないよう
体内から潤滑油のようなものがたくさん出てしまう。私が感じると出す愛液
だと冷やかされていたことを思い出し、たまらなく恥ずかしかった。

いったんバイブを引き抜かれて、私はやっと息をついて狂いかけた自分を落ち
着かせた。男が深呼吸してバイブを持った腕を揉んだ。気がつくと私の口から
唾液がたれてドレスに染みをつくっていた。私はやっと終わったと思った。

でも、それは違った。男の休憩が終わると、すぐにまたアナルにバイブを押し
込まれて、激しく出し入れされた。とたんに体が燃え出した。いつのまにか
バイブの味を覚えこまされてしまった私のお尻が、バイブを奥に求めて勝手に
上下に動き出してしまい止めることができなくなった。体から汗が噴き出し、
汗まみれになった。体の中をこすられる感覚が気持ちよくて我慢できなくされ
ていた。車の中で私はとうとう狂わされた。お尻を止めるとバイブを激しく
出し入れされたまらなくされ、私は恥ずかしさに悶えながら自分で動いて
バイブを貪らされた。走る車の中で汗びっしょりに濡れて、止まらなくされた
お尻をさんざんもて遊ばれた。

優子のことば通り、私の体からたっぷりしぼりとると、男はやっとバイブを
引き抜いた。引き抜かれる時、体がビクンと震えた。
「座りなさい」

「ユキ、すっかりバイブが気にいったみたいね」
汗だくになった私の濡れた髪を撫でながら、優子がいった。
「本当にアナルでよく感じるんだねぇ、ユキちゃんは」
責め師の男が感心したようにいった。

「ハァ…ハァ…ハァ…はい…ハァ…」
私はまた調教された。

「風俗で働くこと、考えておいて」
アパートに着くと、優子はそう言い残して去っていった。

アパートに帰って、お風呂に入って汗でドロドロになった体を洗い、髪を乾か
してパジャマに着替え、部屋に戻ると、テレビをつけて前に座り、私は両膝に
アゴを乗せてボンヤリした。

「風俗か…」

私は、ボンヤリ、今日勧められた新しいお仕事のことを考えていた。

もしこのまま風俗店で働くことになったら、いろんなお客とセックスをさせら
れて私は一体どうなるんだろう。優子たちといるときは、サディストたちの
欲望のまま言いなりにされ、強引に性欲をかきたてられ、与えられる快楽に溺
れる変態の奴隷になることが、自分の宿命なんだととっくにあきらめていた。
でも、どんなに調教され快感を流しこまれ狂わされても、その時間を終えれ
ば、すぐに元の本当の自分に帰る、そう心に決めていた。この決心だけが、
私にとってはひどく冷淡で残酷になってしまったこの世界での、私の心の拠り
所だった。そのおかげで、男たちの前では私はいくらでもアナルセックス中毒
の淫乱なシーメールになれた。

でも思えばこれも、別れてしまった彼のおかげだ。優子たちに連れ出され、百
戦錬磨の男たちに嵐のように強姦され狂わされたあと、私は彼にたっぷりと
抱いてもらって、ようやく壊れかけていた自分をとりもどすことができた。

でも、もう…その彼はいない…。別れた後、二回目の撮影で不能になり、この
ままだと自分がどうにかなってしまうかも知れないと、私は内心ずっと不安を
感じていた。車の中で浣腸されバイブで狂わされてしまったショックも心の
どこかに残って疼いている気がした。

ふと自分のペニスを触ってみた。グンナリした性器はいくらしごいて死んだ
ように反応しなかった。私はため息をつき、こんどは手を伸ばして、自分の
アナルを触ってみた。こんどは触れたとたん、いきなり鋭い快感が背筋を
貫き、体がブルッと震えた。
「ああ…」
太ももを擦りあわせ、しばらく余韻に浸ってしまうくらい凄い快感だった。

「こんなに感じやすいアナルを、いろんなお客に遊ばれたら、私はそのうち
本当におかしくなってしまうかも知れないな…」
不安を振り払おうと頭を振り、ゴロンッと寝転び、天井をボーッと見つめた。

「あーあ」

ふいに言葉が口をついて出てきた。
「彼になってくれる男の人…どこかにいないかな」

「こんな私を理解してれて、やさしく抱いてくれる人……いないかなあ」
言ってとても寂しくなった。目に熱いものがこみ上げてきて、両手で顔を覆っ
た。流れた涙を両手で拭いた。

(私って…いったい…なんなんだろう…)

なぜだか知らないけれど、ふいに頭の中に、ヨガの先生に見せられたインド
の神様の絵が浮かんだ。面白い神様だと思った。絵も面白かったと思った。

「りょ・ー・せ・い・ぐ・ゆ・う・?」

両性具有の、快楽を司るおかしな神様。私は神様からはとても遠い存在だけれ
ど、でも、私は、その神様にすこし似てるかも、と思った。泣いたせいか、
なんだか気が晴れてきた。

それから、疲れがドッ出て、テレビをつけたまま、グッスリ眠ってしまった。


数日後、私は、緒方と優子に車に乗せられて都内某所にある風俗店に連れて
いかれ、結局そこで働かされることになった。

「世の中、働かざる者食うべからずだ、ユキ、わかってるな」
緒方に即決されてしまったのでした。
「ユキ、家で暇してたって、またたまるだけよ」
優子にそう言われて脅されもした。

でも、フゥ…、正直に私はその頃、一人ぼっちで暇を持て余していて、
寂しくて退屈だったから、それが一番の理由でした。


…こうして、いっぱい、いろんな、たくさんの出来事があって

今、私は、都内の某ヘルスで働いています。

私と同じような体の人たちが働いているヘルスです。働き出してみると、思っ
ていたほど怖いところではなかったので、内心とてもホッとしています。
毎日、いろんなお客さんがやって来ます。サラリーマンさん、自営業の人、
学生さん、フリーター、無職の人、ヤクザっぽい人、社長さん、お役所の人、
おじいさん。私は、いろんなお客さんのペニスを舐めてしゃぶってあげて、
アナルや口でイカせてあげてます。演技で感じるときもあるけれど、好きに
なったお客さんには、たいてい本気で感じてしまいます。

でも、まだ、私が本気で愛したいと思ってる、新しいプライベートの彼は
いません。


精一杯の愛をこめて。
ユキより。