前回に続いて,MOLDA開発者の広島大学・吉田弘先生と一緒にした仕事から,世界初のウェアラブル・ケミストリーを標榜したiモルダに収録した分子を紹介。
いつでもどこでもインターネットを利用できるiモードが1999年にデビューし,2001年にプログラムをダウンロードして利用できるiアプリも登場したのを受けて,プログラマー吉田先生がチャレンジ精神を発揮してできたのが2001年5月公開のiモルダである。私の方は使い勝手の意見を述べたり,表示する分子データを作成したりしただけだが,プログラムサイズや使える関数の制限が厳しかった当初の条件下で困難を克服して下さり,ネットに送り出すことができた。前回の振動データ集同様,こちらも最近の携帯に合わせた機能向上やデータ追加登録が難しくなってしまい,本当に心残りである。
公開したデータは薬物分子が中心で,以下はドラッグの問題でよく取り上げられるMDMAである(連載67も参照)。右はその携帯での表示のイメージになる(合成画像;実際は球棒モデルでなく針金モデル)。