BINAP
祝・2001年度ノーベル化学賞


C44H32P2
2,2'-bis(diphenylphosphino)-1,1'-binaphthyl


※2001年度のノーベル化学賞が,“触媒による不斉合成(Catalytic asymmetric synthesis)”の業績により,野依良治名古屋大学教授,William S. Knowles氏(米モンサント社元研究員),K. Barry Sharpless米スクリプス研究所教授の3氏に授与された。上のBINAPは野依教授らが合成に成功して触媒に用いた分子の例で,モデルはその立体構造の一例に過ぎない。不斉合成ではBINAPの錯体が用いられ,例えば, (S)-BINAP-Rh(I) 触媒を用いてほぼ純粋な (R)-シトロネラールエナミンが得られ,これを鍵反応として食料香味成分の(-)-メントール〈ハッカ香味,(+)-メントールは不快臭〉が工業的に生産されるようになった。
◎茅幸二ほか,「岩波講座・現代化学への入門18 化学と社会」,p.56,岩波書店(2001)
メントール
BINAP分子(待受用)

ノーベル化学賞/不斉触媒合成(PC版)
同上・iGoogle変換版
戻る