とらのあな本店がオーディオ試聴室と化す前代未聞のイベント、SoundGirl試聴会に行ってきました('▽')
講師はオーディオアクセサリー誌でもお馴染みの岩井喬氏。
予約無しの突貫でしたが、空席があったので「同一ソースによる4システム比較試聴」という貴重な場面に遭遇できました('▽')
詳細はこの辺りからw
*試聴ソース
AQUAPLUSのPure及びSuaraソロアルバム、川井憲次ベスト(SACD)
けいおん!唯、澪のキャラCD。OP、ED
たかはし智秋a.k.a.三浦あずさ、奥華子、水樹奈々、モンスターハンターetc.
*システム
KENWOOD K-1000シリーズ
SONY SYSTEM501
tangent HiFi200+Clarity4
LUXMAN NeoClassico
*アクセサリ
アコースティックリヴァイブ
サエクコマース
とらのあな本店6F(普段は使われていない)のフロアに、4つのシステムが壁沿いに2組づつ、
向かい合いに設置されている部屋はさながらオーディオショウのブース。
というかそのものですw言われなければとらのあなとは思えないロケーション(笑)
しかしこの部屋の壁は見た感じ鉄板。天井も真っ平ら。
なのでものすごい残響音です(^-^;)
各システムの後ろにアコリバのルームチューニング板が惜しみなく配され、
音調に相当苦労した跡が見て取れました(^-^;)
ラックは全てクアドラスパイア、良く見れば、機器の脚にはアコリバの水晶インシュレーターが配されています。
サエクのケーブルは全て、無数に配されたアコリバのケーブルインシュレーターで空中径路を辿っており、
tangentのCDPに至ってはアコリバの空気浮遊式のオーディオボードの上に置いてある…。
この価格帯の機器にそんなアクセサリー群を使ったら確実にオーバークオリティです値段的にw
いや当然かなりの音質改善効果はあると思いますが、機器そのものが数台買えてしまうよ…w
と、会場に入るなり軽いジャブを食らわされてクラクラしていると、
フリータイムの「CD/SACD比較試聴」が始まったのでSONYの501システムの前へ。
試聴に使われたのは川井憲次ベスト(ハイブリッド)とAQUAPLUSのPure、Suara 2nd.3rd.の各アルバム。
最初にCD層で鳴らして、次に同じトラックのSACD層をかけるという比較試聴企画。
(Suaraの2ndはSACD単層ディスクなので、CD版と入替試聴)
まず川井氏の曲はパーカッションと合唱というアコースティックなもの。
CDからSACDに切り替わった最初の音からしてもう両者が全然違うものである事が明白にw
CD層は音がまとまって飛び込んでくる迫力があって、SACDは残響成分が拡がるのと、
打楽器のアタック鮮明。
それはSuaraのボーカル曲でも言える事で、こちらのCD層も同じく、音が塊として力強く前に出てくる感じ。
対してSACD層は、ボーカルがより鮮明になって、目の前に本当に歌手本人が現出するくらいリアル(゚д゚)
こちらもSACDの方は各楽器が明確に分離して音の奥行きが増してます。
故に「音圧感」というものからは後退している事も事実。
どちらの音が好みかによって、それぞれの良し悪しは決定されるものかと(^-^)
それが終わると、椅子を移動させて「4システム比較試聴」の時間です('▽')
共通試聴ディスクは岩井氏リファレンスのSuaraのアルバム(^-^)
*KENWOOD K-1000
CDプレイヤー、アンプ(レシーバー)、スピーカーの3ピースコンポ。
まず「けいおん!」から澪のキャラCD。
澪がベーシストのため、ベースがドライブしまくる物凄いカッコイイ曲でした。
ドンシャリな安っぽい音とは無縁の上品な音の聴けるシステムという印象。
そして岩井氏が何かとても見覚えのあるジャケットを取り出しましたよ…ってアイマスのMA07じゃないかwwww
本を作るときにKENWOODのショールームに持ち込んだ試聴ディスクがコレだったとか。
(絵師さんのリクエストらしいです)
大音量で聴くたかはし智秋(三浦あずさ)さんの「隣に…」にはもう言葉もありません。ただ黙って感動するのみ。
合唱、オケ、伸びるハイトーンボイス。破綻無く綺麗に再生されてました。
*SONY SYSTEM501
ソニーが久々に出したミニコンポ。今回唯一のSACD対応システムです。
フルデジタルアンプだとかそういう事を差し置いても、音像クッキリの非常に分解能に優れた「現代的」な音のする箱でした。
使用したのは「けいおん!」の唯のキャラCD。Suaraはここで本領発揮のSACD層('▽')
ここで何と、今回ケーブルを提供しているサエクコマースの社長が登場(゚д゚)
ケーブルによる音質の差などについて説明。
…踏み込んだら帰れない禁断の領域へようこそ(笑)という事ですね。何て恐ろしいイベントなんだこれはw
*Tangent HiFi200+Clarity4
今回唯一の海外製品。英国で発祥しデンマーク王国に受け継がれたタンジェント。
230Vで駆動するEU仕様のため、付属の昇圧トランスが床に転がってました。
これ、4システムの中で一番自分好みの音でした。解像度が高いのに高域のエッジがきつくなくて聴きやすいという。
中低域も常識的な厚みがあって良('▽')
ここで、他のフロアでイベントが始まり、音楽が聞き取れないくらいの大きな音が飛び込んできて焦る岩井氏(笑)
「こちらも負けずにライブで」とディスクトレイに載せたのが「けいおん!」の「ふわふわ時間」。
音量をめっさ上げて鳴らしまくり(笑)気持ち良かったですw
モンハンのサントラのオーケストラも分厚く鳴って痛快無比!('▽')
ここで登場するのが、輸入代理店ポーカロラインのこれまた社長さん(゚д゚)
このシステムの特色。なぜ230V仕様のままリリースしたのか等の解説。
更に、今回様々なアクセサリー機器を提供しているアコースティックリヴァイブの社長さんから、
インシュレーターなど設置環境の重要性の解説。
そして畳み掛けるように、(名前は忘れてしまいましたが)レコード会社の社長兼エンジニアの方が登場(゚д゚)
録音現場からの音質改善対策についての解説がありました。
とにかく機器を不要振動から逃がせ!という事でFA?
*LUXMAN NeoClassico
最後のシステムは最新型真空管アンプ!
これは今まで聴いてきたどのシステムとも異質な、全く別世界の音でした。
何をかけても暖色系の音がする「耳疲れの全くしない」音の柔らかさが身上。
かといってナローレンジという訳でもなく、21世紀に通用する洗練さも兼ね備えています。
ここでラックスマンの開発の方が登場。製品の開発コンセプト等を説明してくれました。
…というか本気で普通にオーディオ展示会だわこれ(笑)
それにしてもここまで現場の方のナマの声が聴ける機会なんて滅多にないですよ、なんという破格なイベント(*´Д`*)
オーディオは機器の素性と各種調整でいかようにも化ける「買ってからが始まり」の世界なので、
このイベントでその修羅の門をくぐる猛者が増える…といいなぁ(笑)
にしてもあまりの本格的な内容にビビリました。
メーカー全面バックアップとかどんな同人誌だよと(笑)
tangentは本当に欲しくなって困りましたw
オーディオ専門店でも滅多にやらない比較試聴という貴重な機会が得られた今回の企画、
是非是非今後も継続的に開催して欲しいですね〜。
*おマケ
…曲が気に入ったのでつい…(*´Д`*)
R.シュトラウス 楽劇「サロメ」(1幕4場)(1905)
指揮:ヤツェク・カスプシク
ポーランド国立歌劇場管弦楽団
演出:マルティン・オクタヴァ
サロメ:エイラーナ・ラッパライネン(s)
ヨハナーン:ミコワイ・ザラシンスキ(br)
ヘロデ王:パヴェウ・ヴンダー(tr)
ヘロディアス:アンナ・ルバンスカ(ms)
ナラボート:エドゥムンタス・セイリウス(tr)
ヘロディアスの小姓:マグダレナ・イジク(ms)
会場:群馬音楽センター
ポーランド国立歌劇場の高崎公演に行ってまいりました。
実際、演奏会形式ではない「本物」のオペラを見るのは初めてで
ワクテカ
ワクワクしながら会場へ。
というか、
最初に見るオペラが、あまりに不道徳な内容から初演当時各地で上演禁止となった作品ですかいww
という訳で、オスカー・ワイルドのぶち切れた原作に、限りなく無調に近い激しくきらびやかな音楽。
官能と狂気の世界に圧倒されてきましたヽ(´Д`;)ノ
@
大まかなあらすじ:
紀元前30年、エルサレム。母親の再婚相手のヘロデ王から”いやらしい目”で見られる事に辟易していたサロメは、
王の宴会から脱出した際、投獄されている預言者ヨハナーン(モデルは洗礼者ヨハネ)を見て欲情し誘惑を試みる。
しかしヨハナーンはサロメとその母親(夫の弟(ヘロデ王)と不倫の挙げ句駆け落ちして結婚)を弾劾するばかりで、
登場する男たちの中で唯一サロメの誘惑を振り切る。
諦めきれずにヨハナーンのいる古井戸の上でサロメが身をくねっていると、探しにやってきたヘロデ王に見つかる。
ヘロデ王は宴会の場をその古井戸の前に移して、サロメに粘着。
サロメは全く相手にしなかったが、古井戸からヨハナーンの声が聞こえてくると一転、
ヘロデ王の望む「踊り」(ぶっちゃけストリップです・・・)を舞ってもいいが、代わりに好きな褒美をよこせ、と要求。
王がその要求を飲むと、七つのヴェールを纏い狂気にみちた舞を踊り、その対価として「預言者の首」を所望する。
最初は「預言者の首をはねたら災いが起こる」と頑なに拒否する王だったがサロメのあまりの迫力に押され、
ついにヨハナーンを斬首する。
ようやくヨハナーンを手に入れたサロメは恍惚と狂気に支配され、生首を愛撫しながら絶頂して果てる。
その狂気に怖じ気づいた王は、兵士に命令してサロメを殺してしまう。
@
もうね・・・:
兄嫁を寝取る弟王、美少年(メゾソプラノが演じる)と恋仲の兵士隊長、血まみれの法衣を纏い死姦にふける少女、
舞台に転がる生首・・・なるほど上演禁止になるはずですわヽ(´Д`;)ノ
@
舞台の感想など:
とにかくサロメ役のエイラーナ・ラッパライネンの迫力に圧倒されたというのが正直なところ。
声もすごいし演技もすごい。若干16歳にして男たちを狂わせる魔性の女性という役柄だけあって、
歌い方の扇情的な事と言ったら・・・
逃げられたヨハナーンの古井戸の上で欲情をもてあます姿はどこをどう見てもG行為だしww
長い金髪を振り乱しながら、次第に狂気に浮かされ(音楽も)、その狂気が頂点に達するのが、
有名な「七つのヴェールの踊り」(単独で管弦楽曲としても演奏される機会多し)
ワイルドの原作では裸身に七枚のヴェールをまとって一枚一枚脱いで行くというまんまストリップな踊りですが、
今回の演出では、絶叫するオーケストラの伴奏に乗って踊り狂い、最後はホントに全部脱いでしまうというド迫力!
恐らく作曲当時も絶賛とブーイングの嵐だったであろうこの箇所で会場から起こったどよめきに痛快な気分になったりw
そして最後、舞台にごろりと頃がされるヨハナーンの生首(ちょっとリアルさが足らなかったのが残念)、
それを抱いてキスして恍惚状態で愛を歌うサロメの恐ろしさたるや((((;゚Д゚))))
ラッパライネンの歌唱力と演技力に引き込まれて字幕なんて見てる暇ありませんよ!
そして生首を愛撫しながら果てたサロメが、王の命令で殺される場面。
ただ刺し殺されるのではなくてもうメッタ刺しにされて舞台に叩き付けられるというショッキングな幕切れ。
刺される場面は大太鼓のリズムに準じているので、これはリヒャルト・シュトラウスが思い描いていた図でもあるのでしょう。
その不気味な大太鼓の強奏で楽劇は突如として幕に。音楽も相当にキてます。
それにしても凄惨。とにかく舞台も真っ赤ですし、最初から最後まで血まみれの惨劇でした。
しかしサロメ歌いというのは相当に難儀らしく、増えてきたのはつい最近とか。
役柄からリリック・ソプラノでは通用しないし、激しいダンスも踊れないと務まらない、最後は全裸にならなきゃならない(当然脱がない演出もある)
声、体力、スタイル全てを兼ね備えた人しか歌えないという狭き門(^-^;;)
とにかく終演後、圧倒されてもう声もありませんでした。
客席は両端の席で空席が目立ちましたが、カーテンコールでは大絶賛(やはりラッパライネンが一番拍手が大きかった)
ヨーロッパの文化が生んだ総合芸術はやっぱりものすごかったです。
@
会場はどうかというと・・・:
やはりこの会場(群馬音楽センター)は歌劇をやるにはちと狭いかなと。
特にオケピット。打楽器群が収まらずに舞台袖にはみ出してましたが(^-^;;;;)
あとホールの極めてデッドな響きに相当びっくりしたはずwwwww