前橋市民文化会館
指揮:高関健 / 渡邊一正
ピアノ:廻由美子
打楽器:中村功
管弦楽:オールジャパン・シンフォニーオーケストラ
日本オケ協会主催の現代曲コンサート。
オケは協会加盟のオケ混成部隊(今回は場所柄7割方群響)
一回目が東京で二回目が大阪、で、三度目が群馬(笑)
…いや、多分高関さんがらまりで群馬に来ただけだと、決して都落ちではないと(^^;)
川島素晴:室内楽のためのエチュード Pre-Birdge / Spring / River / Vivace (2002)
イカレタ曲(笑)
最初に出てきた作曲者自身はフツーの冴えないにーちゃんなのだがれっきとした国際的作曲家。
しかし二十代、しかも人を食ったような話しぶり(笑)
前橋での演奏会に合わせ元々3曲の作品の頭に新楽章を付け足してしまう豪気な人。。。
「Pre-bridge」はプレリュードという事もあって牧神の午後やらチャイコのピアノ協奏曲やら聞こえるうえに、
しまいにゃストラヴィンスキーの春の祭典がそのまんま出てくる始末(´Д`;)
「Spring」はいずみ野ホール用に書いた「いずみ=Spring」の筈が、出来上がった曲は
「バネびよ〜〜ん」(作曲者談)の通りホントびよんびよんゆってるグリッサンドばかりの曲。
「River」はすみだトリフォニーホールのための曲。隅田川ですな。
しかし!曲はスメタナの「モルダウ」の序奏部分だけを延々繰り返して重層的に重ねて行くだけというイカレタ構成(笑)
「Vivace」は紀尾井ホールのための曲、変拍子の組み合わせで思いっきりストラヴィンスキーのパロディ(笑)
ってかこの人の曲ってネタ命だな絶対(笑)
あとこの人、真後ろの席にいたんですが、聞こえてきた会話の方も面白かったり(^^;)
大阪から18切符で来たとか、鈍行旅行が好きだとか(差し障りの無さそうなところはそのくらいか?w)
武満徹「How slow the wind」(1991)
武満晩年の作品。ってかこれはドビュッシーってよりアルバン・ベルクのように聞こえマス。
薄ーい硝子細工みたいな危うい綺麗さってのは後期の作品に共通してますがね(^^)
松平頼則「ピアノと管弦楽のための主題と変奏」(1951)
今回一番古い作品。さすがに時代を感じさせる響きが随所に。
なにしろ
12音技法
ですよ。時代を感じずにはいられないッス。
曲は雅楽「越天楽」のテーマが様々な技巧に基づいて変奏されて行くという、
非常に厳格(ジャズのリズムも何か厳格だった(^^;))、かつ分かり易い曲でした。
細川俊夫「打楽器とオーケストラのための協奏曲”旅人”」(2000)〜日本初演
武満徹の実質的後継者と目されている氏の新作日本初演。
独奏打楽器奏者のパフォーマンスは激しく極めて動的なのに対し、オケは色合いを変えて行く線の様な響き。
最後、打楽器奏者は小さな鐘を片手にステージを去るという演出もユニーク(^^)
三善晃「交響詩 連祷富士」(1988)
富士山をテーマにした交響詩、というのでR・シュトラウスのアルプス交響曲みたいのか?と思ったら全然違いました(>_<)/
湾岸戦争直後に書かれたこの曲はタイトルの通り「祈り」の音楽ですが、同時に非常に荒々しい曲。
オケの全合奏と太鼓の一撃で終わるあたり、祈りと怒りの曲なのかもです。
会場では、客席もほとんど埋まり、見てる方としても何だかちょっと安心(を
また近所でこういう演奏会あるといーんですが、なかなかないんですよね…。