指揮:ラモン・ガンバ
スティーヴン・イッサーリス(vc)
東響コーラス
会場:サントリーホール
1:Sir.W.ウォルトン 戴冠式行進曲「王冠」(1937)
2:E.エルガー チェロ協奏曲ホ短調Op.85 (1919)
3:G.ホルスト 組曲「惑星」Op.32 (1918)
東響の英国音楽スペシャル(^_^)v
演目を見てその場でチケを押さえた公演です(^-^;;;;)
ウォルトンの戴冠式行進曲は、エルガーの威風堂々にも引けを取らない立派で感動的な行進曲。
ガンバ氏が動作の大きい所謂「動的」な熱血型指揮者という事もあり、
1曲目から会場は熱く盛り上がる事態に(^-^;)
そして2曲目。ラトルのような髪型のイッサーリス氏が登場してエルガーのチェロコンチェルト。
今回の解説を読んで、何でこの曲がこんなに内省的でもの悲しいのかやっと理解しました。
それを踏まえて、イッサーリス氏の深い呼吸を持った演奏を聴くと涙が出てきそうでしたよ(;_;)
ものすごい集中力で、会場も水を打ったように静まりかえり、
イッサーリス氏の弾くチェロの一音一音をじっくりと聞き入るという「引き込まれ型」の演奏。
すごい体験をしましたよ!
そして休憩のあと大曲「惑星」
で、何と演奏開始直前に前の席にイッサーリス氏がプロモーターの人(と思われる)と着席ですよ!
ソリストが客席に来るなんて珍しい(^-^;)
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火星:
ガンバ氏の劇的な棒が冴える戦争音楽。
リズムの乱舞の迫力といい、まさに音の洪水状態でした。
但しパイプオルガンは控えめ、というよりほとんど聞こえませんでしたよ・・・。
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金星:
激しいだけでは無く、叙情的な楽章もきっちりと歌わせる指揮者だという事がよく判る演奏でした。
テンポは最初速めかな?と思ったら、中間部分でかなり溜めてみたりと色々手を加えてましたね。
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水星:
これが残念。ガンバ氏のめまぐるしくテンポの変わる棒にオケがついて行けてなくて、
音楽がぎくしゃくしてる箇所が見受けられて、この曲特有の「軽み」がスポイルされてました(;_;)
ガンバ氏の音楽の流れを無視した表情付けにも原因があった気もする・・・。
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木星:
何としたことか、完璧な名演!
水星が水星だっただけに、これはどうした?!という感じでした(^-^;)
この曲だけ前の3楽章に比べたらもう完璧な演奏でした。
やはり表情変化の激しいガンバ氏の棒でしたが、オケはぴったりと追従して、
弦楽器も管楽器もよく鳴っていたし、かの有名なアンダンテ・マエストーソの部分の感動的な事!
この演奏だけで今までのミス等は全部チャラですよ(笑)本当に素晴らしい!
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土星:
これまた名演!
老境の極みを表現した曲とか色々言われていますが、こんなに哀切極まった土星を聴いたのは初めてです。
曲のイメージそのものが変わってしまいました。
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天王星:
禍々しさ炸裂の恐ろしい行進曲。爆演系指揮者の本領を見ましたとも(笑)
かと言って決して下品にならない所がまた素晴らしい。
でも最後のオルガンのグリッサンドはやっぱり最後の一音しか聞こえませんでしたよ(^-^;)
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海王星:
曖昧模糊とした極めて神秘的な音楽ですが、生で聴くとその緊張感の上に成り立つ美しさは筆舌に尽くし難いものがあります。
でこの曲、前々からとても好きなのですが、今回聴いてみて「ああ、グラスと同じだからだ」と気付きました。
この曲を構成しているのは分散和音の組み合わせ、よくよく考えれば、ミニマル音楽と原理は一緒なんですな(^-^;)
最後、夢幻の彼方に消えてゆく女声合唱が聞こえなくなってしばらくしても、
会場はまるで魔法にでもかかったかのように息を飲む音すらせず、しばらく静寂に包まれていたのもまた良かったのですよ(^-^)
美しさのあまり誰も動けなかったのが実際ではなかろうかと。
しばらくしてようやく拍手が始まり、そして指揮者は何度も何度も呼び戻されて、
明かりが付いてオケがステージを降りる最中もずっと拍手が続いている熱狂振りでした。
今回の演奏会は本当に「めっけもん」でした!素晴らしい。